とある会話から生まれた物語ー０２

『嫉妬深い彼女』

彼女：ねぇダーリン、あたしと仕事どっちが大事？
彼　：もちろんハニーだよ
彼女：すぐあたしを選んでくれて嬉しい！大好きダーリン！
彼　：ハニーが嬉しいなら俺も嬉しいよ
彼女：だってあたしが一番大事ってことでしょ？
彼　：いや、一番大事とは言ってないよ？
彼女：え？だって仕事よりあたしが大事なんでしょ？
彼　：うん。仕事よりはハニーが大事だよ
彼女：じゃあ
彼　：俺にとって仕事はそんなに大事じゃないからハニーのが大事に決まってる
彼女：えーー
彼　：ハニーとの生活を続けるために仕事してるだけで、もっと一緒に居たいって言うなら給料安くなるけど転職するよ
彼女：そこまで望んでないから！
彼　：だよね
彼女：じゃあ、仕事よりも大事なものってなに？
彼　：うーん。なんだろうなー
彼女：なになに？
彼　：あ！コピー用紙！
彼女：コピー用紙！？
彼　：そう、コピー用紙
彼女：なーんだ、コピー用紙ね
彼女：ねぇダーリン、あたしとコピー用紙どっちが大事？
彼　：うーん。難しいなー
彼女：え！？そんな金で買えるものとあたしが同じなの？
彼　：今日さ仕事で大量の資料を印刷しないといけなくてね
彼女：うん
彼　：それなのにすぐコピー機が紙詰まりで止まってて
彼女：コピー用紙！なにダーリンの大事な仕事の邪魔してんのよ！
彼　：いや仕事は大事じゃないから
彼女：あ。そうだった
彼女：なにダーリンのたいして大事じゃない仕事の邪魔してんのよ！
彼　：訂正が入った（笑）
彼　：確認したら紙の挿入口付近で詰まってて
彼女：じゃあグチャグチャになってた用紙どもは捨てられたわけね、ザマーみな！
彼　：いや、インクで汚れてないしもったいないから、伸ばしてメモ用紙に
彼女：なんであたし以外にそんな優しくしてるの！？
彼　：コピー用紙大事だからね
彼女：ひどいよ
彼　：ひどいかな？
彼女：ひどいよ！コピー用紙に優しいし、地球にも優しいんだもん！
彼女：ダーリン優しすぎるよ！もっと私にも優しくてよ！
彼　：ふふふ
彼女：なに笑ってるの？
彼　：ハニーはいつも可愛いなーって
彼女：ふん
彼　：ごめん、からかいすぎちゃったね
彼　：ハニーが一番大事だよ
彼女：ほんとに？
彼　：ほんとに
彼女：仕事より？
彼　：仕事より
彼女：コピー用紙より？
彼　：コピー用紙より
彼女：地球より？
彼　：地球は、うーん
彼女：えーーー
彼　：だって地球が無かったらハニーと出会えてないんだよ
彼女：そっかー
彼　：ね
彼女：ね
彼　：ふふふ、ハニー大好きだよ
彼女：ダーリン大好きだよ

おわり。