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雲雀対戦 Words by Mikaze

はじめに
この作品は、神風 御風による創作物であり、飛礼はあまり関与しておりません。原本をより読み易くする為、此処にスペースを借り展示したものです。

小笑妄想ー想像してみよう!ー

『クソ!ビーニーズだ!ズラかるゾ!』
『オニキぃ!待ってくれぇぇぇ』
『これじゃあ、今日は補助金も出ねぇなぁ』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『まぁ!危ない所だったわ!』
『奴等は双刃一家(フタバイッカ)。
 仁愛の心を持たず、
 女心を弄ぶ下衆共よ。』
『アテクシ達はビーニーズ。
 種族を越えて成り立ち、
 世界の掌握からレフ番まで、
 様々な役割を担う、
 コングロマリットよ。』
『アテクシはヤヌシ。
 権利を主張し義務を放棄する者、ヤヌシ。
 世界を掌握する、
 このビーニーズの頭よ。
 ビーニーズの初期ロットの一員で、
 皆からはカメガシラと呼ばれているわ。』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『まぁ!大変だわ!急いで鳩を飛ばすわ!』
『明日朝一の鶏で日本中に知らせるのよ!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『まぁ!アテクシの腕の見せ所ね!』
『カゲス!
 アテクシの代わりに行ってきてちょうだい!
 アテクシは鳩を見ているわ!』
『タケアキはそのまま子守りを続けて!』
『兄者は家賃を払ってきてちょうだい!』
『風君はもっと貢くのよ!』
『さぁ!皆動いて!
 皆の力で今月も乗り切るのよ!』


Beautiful Sky

『全ては、美しき空の御霊の元に』


じょ



『では、始めたまえ』

『まずは潜入者の報告を聞こう。』

『ダメだね。』

『あちらさん、其処いら中に目があって、おかしなこたぁできねぇや』

『アクションする時ゃ思い切らねぇとね』

『接触には成功したのだろう?』

『まだまだ正体を明かすわけにゃあ、いかねぇね』

『他のメンバー達はどうしたのだ?金で雇った者もいたろう?』

『皆、あちらさんに懐柔されちまったよ』

『コバルトはどうした?様子がおかしい様だが?』

『奴さん、あちらさんにツムツムいじくられちまって、廃人になっちまった。』

『以前のこたぁ覚えてねぇよ』

『なんと!』

『フミオは何をしているのだ!せっかく実権を握らせてやったというのに!』

『フミオもすっかりあちらさんに懐柔しちまったよ』

『どいつもこいつも役に立たん!』

『まぁ、待て。目的を履き違えるな。』

『今は邂逅こそが目的。こちらが刃を向けていては、詰め寄ることもできん。』

『そんなに難しいことではないだろう。』

『今は待つのだ。全ては適切なタイミングで行われなけらばならん。』

『今まで長かったが、ようやく対象と接触することができたのだ。焦って無駄にしてはならん。』

『今日はここまでだ。またの報告を待つ。』

『全ては、美しき空の御霊の元に』

『『『『全ては、美しき空の御霊の元に』』』』


はぁ??


『貴様!』

『スパイのくせに我々を売るとは!

 どういうことだ!』

『ボカァ日和見主義なのさ』

『都合の良い方に鞍替えすのが、

 ボクの処世術さ』

『貴っ様ぁぁぁっ!!!』

バチィっ!

『うわぁぁぁっ!』

『何をするんだい!やめろぉっ!』

『貴様は!』

バチィっ!

『うわぁっ!』

『恩を!』

バチィっ!

『うわっく!』

『仇で返すのかぁっ!』

ビシィっ!

『うわぁっ!』

『こんの!』

『恥知らずがぁぁぁっ!』

バチィィィん!

『ぎゃぃぃぃぃっ!』

『もう一度教育が必要なようだな』

『!?』

『オイ!コイツに首輪を付けろ!』

『や!、、、やめろぉぉぉっ!』

下A『オイ、首輪ってなんだ??』


下B『なんだ、お前知らないのか』

『ビーニーズはな、

 新しい飼い主に出会うまでは、

 暴れないように

  【梱包】

 されているのさ』

『その【梱包】されていた時の

 名残で今でも胴体を巻かれると、

 無力化するのさ』


A『なんだと!無力化だと!』

『そもそも!そもそも!

 元々!元々!

 爪も!牙も!無いのに!

 無いのに!』


B『ウチで飼っているビーニーズは

 また特殊でな』

『巻かれることで思考停止に

 なるように教育されていてな。

 思考停止状態で潜入員としての

 教育を施されているから、

 巻かれることに

 トラウマがあるのさ』

『うわぁぁぁっ!』

『やめろぉぉぉっ!』

『やめてくれぇぇぇっ!』

『後生だぁぁぁっ!』

『再教育だ』


『やめろぉぉぉっ!』

『目的は邂逅のはずだろ!』

『ボクにこんなことして!

 いいのかぁっ!

 なぜだぁぁぁっ!』

『我々も一枚岩ではないのだ』

『邂逅などと!

 軍門に下るだけではないか!』

『老害どもは甘いのだよっ!』

『や!や!やめっ!』


がっちゃん


『・・・・・・。』


『大人しくなったようだな』

『コイツをどうするのだ?』

『またアッチへ放り込むのさ』

『今度は、

 従順な下僕としてな』

『全ては、美しき空の御霊の元に』




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『・・・・・・。』


『まぁ!始まったわね!』

間乃壱


『今回はまた派手に

 やられちまったみてぇだな。

 ホレ、万能薬だ。

 医薬品は補助金対象外だが、

 仕方ねぇ』


『終』ワリノ『始』マリ

オニキ
『そんじゃ、契約成立ってことで』

カメガシラ
『まぁ!わかったわ!』

オニキ
『まさか、
 ビーニーズと肩を並べて
 戦う日が来るとはな』
『ホジョキン!
 フォローは任せた!
 お前も本気出せよ!』

ホジョキン
『わかった。
 ちょっと時間がかかるから、
 頑張っててくれ』

オニキ
『ケリを着けるぞ!ビーニーズ!』

そう言うとオニキは
着ていたジャケットを脱ぎ捨て、
丈の長い漆黒のエプロンを腰に巻いた。

胸元にフリルの着いたウィングカラーシャツに、
襟に映える漆黒のシルクサテンの蝶ネクタイ、
身体にフィットさせた着丈の短いベスト、
アームバンド、
その姿はさながら
一流のソムリエの佇まいであった。

オニキ
『Tasting!』
オニキは眼をカッと見開き、
オニキを中心に一里先までオーラを跳ばした。

『ホジョキン!数は1860!
 役員クラスが9!
 1人は取締役だ!
 本社勤務が45!
 店長とバイトリーダーが180づつ!
 後はバイトとパート!
 それにBERAが186体だ!』

ホジョキン
『わかった』
『ビーニーズは何匹いる?』

カメガシラ
『ビーニーズは36匹よ!
 他に4匹と兄者がいるわ!
 カケスコ部隊の数はわからないわ!』

ホジョキン
『わかった。
 申請しておく。
 カケスコ隊は別で申請だな。
 また増援が来たら言ってくれ』

オニキ
『蔵出しワインバー
 専属ソムリエールの力を見せてやる』
『さあ!もてなすぞ!』

カメガシラ
『さあ!
 積年の因縁にケリを付ける時よ!
 もてなしてさしあげるわ!』


間乃弐

ホジョキン

『オニキ!

【承認】が降りたぞ!』

『カメガシラ!

 ビーニーズもこれで戦えるぞ!』

『オレの力はな、

 【申請】することで

 オレや他人に高次元から力を授けることが

 できる!』

『申請した人数や戦闘力、戦い方、

 具体的な敵の数など、

 情報が具体的であればあるほど

 大きな力を授けることができる』

『ただな、

 【申請】する力が大きいほど、

 【申請】した情報と実際の差異が

 大きいと【承認】が

 降りずらくなる』

『【申請】が降りても

 情報との差異があれば

 その分ペナルティが来る』

『【申請】した力の使い方に

 違反してもペナルティだな』

『これがオレの力、


【補助金システム】だ!』

『ここが正念場だ!』

『普段なら難しい【承認】だが、

 今日は無理矢理【承認】を降ろす!』

『ペナルティは、覚悟の上だ!』



オニキは左半身に構え、

右の手刀を天に高く衝き刺した。

左腕は樹に巻いた蛇のように身体を沿い、

掌を右の腰に添えた。


シカツプ・ナガ


『龍』の型である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


オニキは舞った。

旋風に翻る一反の織物の如く。

オニキの振り回す手刀が四肢を吹き飛ばし、

五体を不満足にしていく。

『惨斬肢手!(さんざししゅ)』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


オニキは両の手刀を

目にも止まらぬ速さで乱れ突く。

さながら千手観音の如く。

『嬲竜手!(じょうりゅうしゅ)』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


荒れ狂う像の如く、

オニキの振り舞わす両の掌の猛襲、

叩かれた者は宙を飛んでいく。

『嬲像手!(じょうぞうしゅ)』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


上から振り下ろしたオニキの右の手刀を、

両の腕を交差させ止めた。

刹那!

竜の鰓が咬の如く下から突き上げた

オニキの左拳が顎を砕いた。

『昇咬手!(しょうこうしゅ)』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オニキは大地を砕くほど踏み込み、

頂肘を放った。

雷の如く音が爆け、

人が弾け跳ぶ様は、

さながら玉突き遊戯のようである。

『雷地手!(らいちしゅ)』







ソムリエ、こんな動くの????


決着


『あぁ・・・、オニキが・・・。』


取締役

『双刃一家の稼ぎ頭も、こんなものか』

『蔵出しワインバー専属ソムリエも、

 所詮は零細企業よ』


ルリ

『だ、誰か!誰かオニキを助けて!』

『風君!』

『ダメだわ!もう虫の息だわ!ヘタレ!』

『ホジョキン!』

『ダメだわ!

 補助金システムのペナルティで

 動けないわ!ポンコツ!』

『兄者!も、ダメだわ!』

『オニキが関わると動けなくなってるわ!

 チキン!』

『誰か!誰か!オニキを助けて!』


取締役

『田舎の零細企業のソムリエが!』

『この大企業の取締役野菜ソムリエに

 勝てないことなど!

 同じ企業戦士としてわかるだろう!』

『年商が違うのだよ!』


ルリ

『熟成を要するワインと

 新鮮度が命の野菜』

『非常に相性が悪いわ!』

『役職も遥かに格上!』

『メガネも壊れてしまった!』

『これは!非常にマズイわ!』




『『『オニキィーッ!!!!』』』


オニキ『・・・私はですね』


取締役『!?』


オニキ

『まだ劇場番の五等分の花嫁を

 観ていないんですよ』


取締役

『フ!ならば

 私は今度の役員会で皆で観てやろう!

 貴様は結末を妄想しながら死ぬがいい』


オニキ

『私が好きなのは』

『結末を知ることじゃない』

『結末なら決まっている』



オニキ『この戦いのように』



取締役『そうだ!貴様の死だ!』



歩き出すオニキ



取締役『来るか!トドメを刺してやろう!』




2人の距離は約1m


だが






ドサッ






オニキは膝から崩れてしまった






『『『あぁっ!オニキッ!!!』』』




取締役

『既に満身創痍ではないか!』

『終わらせてやろうっ!』



オニキ『いいや』



取締役『っ!?』



オニキ『もう終わったさ』



取締役

『!?なんだと?』

『!?ばっ!?』



突然!



取締役は七孔噴血

全身に裂傷が走り

大量の血が噴き出した

その血飛沫はまるで大輪の薔薇が

咲いたようであった




オニキ『王神鬼(おみき)』



ルリ『まぁ!オニキのおみきだわ!』



オニキ

『ドラマは結末を知るよりも、

 一度観てから考察するのが、

 オレのお気に入りでね』



ルリ『まぁ!オニキのお気に!』

オニキ

『オレはドラマの結末よりも、

 推しの心情を謀るのが好きなのさ』

決着である


間乃参

レフ番

『どわぁーぁっ!』


カメガシラ

『レフ番ッ!』


レフ番

『痛ぇーッス!強ぇーッス!』

『Qさん!なんでこんなことするッスか!』


Q『・・・。』


レフ番

『なんで何も答えてくんねぇーッスか!』


カゲス

『アレは首輪の所為デス』

『グループのビーニーズは首輪を付けられると思考を停止するように教育されてるんデス』


カメガシラ

『まぁ!操り人形ね!』

『コレなら普段の可愛気がない方がまだマシだわ!』


レフ番

『カメガシラ!どーするッスか!』


カメガシラ

『首輪をどうにかするのよ!』


レフ番

『無理ッス!矢理ッス!』

『Qさん強ぇーッス!』


カメガシラ

『そうね!

 Qはアテクシたちと同じシステムでも

 アテクシたちとは中の人が違うわ!

 敵に廻すと非常に厄介な存在だわ!』


カゲス

『Qさんはグループで一番のビーニーズデシタ』


レフ番

『ひぇーッス!』

『ペリカンのアホバケモノを止められるのはQさんだけッス!』


カメガシラ

『皆!Qを止めるのよ!個の力ではダメよ!皆で力を合わせるの!』

『今!外でアテクシの分体が鳩を探しているけれど待っている時間はないわ!このままでは全滅よ!』

『レフ番はアテクシを守ってヘイトを集めるタンク!』

『カゲスは素早さでQの死角からヒット&アウェー!』

『ヒヨヨはヒヨヒヨでアテクシのテンションをずっとあげるバード!』

『アテクシはレフ番を盾に正面から行くわ!』

『皆!行くわよ!』


間乃肆

レフ番

『Qさんの様子がおかしいッス!』

『苦しみ出したッス!』


『ボッ』

『ボッ』

『ボお、クわあ』

『ボぉクだっ、て白くなる、んだあ』

『皆みた、いにぃぃぃ』


レフ番

『ど、どうしたッスか!?』

『カメガシラ!』

『なんか様子がおかしいッスよ!』


カメガシラ

『まぁ!自我が出てきたんだわ!』


『ボォクだって』

『ボクだ、て

 し、白、しろ、しろ、』


カメガシラ

『自我が出てきて意識が

 混濁しているんだわ!』


カゲス

『Qさんのグループの身元調査の

 結果を見たことがアリマス』

『Qさんは』


『白鳥に育てられたアヒルなんデス』


『雛の時期は周りから

 ずっとイジメられていたそうデス』

『それで皆を見返す為に努力して

 大学に行ったそうデス』


『だ、から努力し、て

 コ、コでも1番になった、のに』

『し、白くなくた、って、

 白くなくたって、

 ボ、ボクだって

 ボぉクだって

 できるんだぁぁぁ!』


カメガシラ

『!?』

『皆!もう一息!もう一息よ!

 あのアホを元に戻すのよ!』


間乃伍

レフ番

『良かったッス!』

『Qさんが元に戻ったッス!』


カメガシラ

『Q』

『あなたも色々あったようね』


『カメガシラに知られるとは』

『面白くないね』


カメガシラ

『まぁ!減らず口は相変わらずね!』

『いつものQに戻ったようね』


レフ番

『良かったッス!良かったッス!』


カゲス

『良かったデス』


レフ番

『カゲスさんも何か複雑な過去があるんッスか?』


カゲス

『私は』






『私は、覚えてないデス』



レフ番『忘れちゃったんッスか?』


『コバルト、カゲスは、』

『カメガシラにオツムをイジくられちまって、昔のこたぁ忘れちまったのさ』


カメガシラ

『まぁ!ちょ!ちょっと!Q!』

『ダメよ!ダメ!ダメ!』

『それは言ってはダメよ!』

『先輩に知られたら1日説教だわ!』


『カゲスの本当の名はコバルト、

 カメガシラを排除した後に、

 カメガシラの偽者として

 ビーニーズを操るのが本来の役割だったのさ』


カゲス

『覚えてないデス』


カメガシラ

『まぁ!Q!レフ番!』

『こうなったら、あなたたちの頭もイジくって、全部忘れさせてあげるわ!』


『ぃやぁーだよぉー』


レフ番

『イヤッス!イヤッス!』

『ロボトミー手術は怖ぇーッス!』


カメガシラ

『大丈夫よ!ちょっとチクッとするだけだから』

『終わった頃には、自分のことも全て忘れているわ』

『そして、アテクシの従順な手駒となるのよ』


『言ってることが悪役だね』


間乃陸

カメガシラ

『ちょっとあなた!しっかりしなさい!』


レフ番

『この人は誰なんッスか??』


カゲス

『この人は』

『グループの会長さんデス』


カメガシラ

『まぁ!怪鳥!ラークの怪鳥ね!』


『会長だよ』

『なんで会長がこんな所に閉じ込められてんだ??』


会長


『ん、んうぅ~』


レフ番

『目が醒めたッス!』


カメガシラ

『まぁ!大丈夫かしら?』


会長

『あ、あなたは』


カメガシラ

『アテクシたちはビ』

会長

『やっと』

『やっとお会いできましたな』






『アサオカ様』


カメガシラ

『!?』


レフ番

『アサオカ?誰ッスか?』


カメガシラ

『まぁ!何故あなたがその名前を!?』


レフ番

『だ、誰ッスか!?

 アサオカって何ッスか!?』


会長

『ずっと』

『お会いしとうございました』


カメガシラ

『その名前を知ってるってことは』

『あなたは美空の関係者かしら??』


会長

『そうです』



『私は、私たちは』




『美空ラークのファンクラブだった者です』


レフ番

『美空、ラーク』


カメガシラ

『なるほどね』

『合点が行ったわ』

『このグループは美空ラーク、

 あの娘が関わっていたのね』


会長

『全てではありません』

『が、創業者を始め、グループの中枢人物は、元々ファンクラブの一員でした』

『その者たちが元となってこのグループを作ったのです』


カメガシラ

『まぁ!でもあの娘のファンクラブが何故アテクシたちや双刃一家を狙うのかしら』


会長

『それは』

『私たちグループの意思ではありません』

『私たちグループの意思は』

『あなた方ビーニーズやカケスコとの邂逅でした』


カメガシラ

『まぁ!』


会長

『あなた方と邂逅、和解し、

 協力して社会をより良い方向へ導くことこそ、私たちグループの真意でした』


『じゃあ、ボクたちを使ってビーニーズを襲わせたのは何故なんだい?』


会長

『裏切り者がいたのです』

『奴らはビーニーズやカケスコを力で支配し、

 世界の掌握を狙っていました』


カメガシラ

『何者なのかしら?』


会長

『奴らの名は【ヨシゴイ】』


カメガシラ

『まぁ!ヨシゴイ!

 中の人が完全に読み手のウケを狙ってきたわ!』


会長

『ヨシゴイのボスは今の取締役の一人、

 野菜ソムリエです』

『彼も創業メンバーの一人でした。

 ずっと、ずっと昔から機会を伺っていたのでしょう』

『今ではグループも彼に毒された社員も多く、会長の私でも手に負えないところまで来てしまいました』


カメガシラ

『双刃一家を狙うのは何故かしら?』


会長

『彼らだけではありません』

『ヨシゴイの目的は世界の掌握です』

『ヨシゴイは様々な業界の零細企業、

 中小企業を駆逐し、

 代わりにヨシゴイが業界で実権を持つ、

 そうすることで経済面から世界を掌握しようとしているのです』

『双刃一家はたまたまでしょう、

 アサオカ様の身内に関係のある企業から潰しにかかっているのです』

『彼らはたまたまその最初の被害に逢っただけに過ぎません』

『また、双刃一家とビーニーズの対立を画策したのでしょう』

『双刃一家のアジトは蓮池も近い、

 ヨシゴイが活動しやすいこともあります』


カメガシラ

『まぁ!では、双刃一家の取引先が減っていたのは、ヨシゴイの所為だったのね!』


会長

『双刃一家の中にヨシゴイと手を結んだ裏切り者がいるとも聞いています』


カメガシラ

『まぁ!誰なのかしら!』


会長

『次期社長です』

『彼がヨシゴイと手を組み、

 甘い汁を吸っている』

『ヨシゴイはグループのバイトのJKJDを次期社長に謙譲しているようです』


カメガシラ

『まぁ!下衆だわ!』


間乃漆

~バーテンダーvsソムリエ~


次期社長

『そんんんなものかぁぁぁ!』

『ソムリエオニキぃぃぃぃ!』

『お前にカクテルとワインを教えたのは誰か!』

『次期社長にして初代ハートのバーテンダー!』

『このオレ!』

『ソーイチローだ!』


オニキ

『お前が裏で手引きをしていたとはな』

『まさか身内が、

 社長の親族が会社を潰そうとするとは』


ソーイチロー

『オレのことを認めねぇ、

 クソッタレの会社が悪ぃんだよ』


オニキ

『性根がねじ曲がってやがる』


ソーイチロー

『どうだ?

 お前もヨシゴイに加わらないか?』

『そのツラなら、

 メスにも困らねぇだろう?

 オレと一緒にバイトの(女の子の)

 テイスティングしようぜぇ!』


オニキ

『お断りですね』


ソーイチロー

『ツラがいいからって、

 調子こんてんじゃねぇぞお!

 オニさんよお!』

『お前にカクテルとワインを教えたのは

 誰だと思ってんだあ?』

『このオレに勝てるわけねぇだろうがよお!』

『ソムリエぇぇぇよぉぉぉっ!』


オニキ

『それ、さっきも聞いたから』

『ハートから逃げた君には、

 私は負けませんよ』


ソーイチロー

『オレはよう、

 バーテンダーだけじゃねぇんだぜ!』

『今のオレはディプロマ(日本酒ソムリエ)の域にも至ってんだ!

 ソムリエのお前とは違ぇんだよ!』


オニキ

『そうか』

『ソーイチロー』

『一つ、教えておく』


ソーイチロー

『なんだあ?

 ワインのウンチクなら要らねぇぞお』


オニキ

『今の私の月収は』






『****円です』


ソーイチロー

『んなっ!』

『なんだと!?

 う、嘘言ってんじゃねぇよ!』


オニキ

『嘘ではありません』

『これが私の明細です』


ソーイチロー

『な!なぜ!なぜだ!!』

『なぜお前はこんなにもらっている!』

『オレはディプロマだぞ!』

『なぜ!』

『なぜ!次期社長のオレよりも高いんだ!』

『こんな!バ!バカな!』


オニキ

『君が配達の途中、

 カネヤマエンの駐車場で寝ていることを』

『会社が知らないとでも思ってるんですか』


ソーイチロー

『んなっ!なっ!なっ!なっ!』


オニキ

『それに』

『社長が君の弟を養子に迎えました』

『双刃一家の跡継ぎは、

 もう君ではありません』


ソーイチロー

『な!なんだと!』

『じゃ、じゃ、じゃあ、オレは、オレは』


オニキ

『君はしがない平社員ですよ』

『私より手取りの少ない、ね』


ソーイチロー

『う、う、うぅっ』







『うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!』







オニキ

『会社に巣食うフィロキセラはいなくなった』

(フィロキセラ⇒ワインの天敵と言われるアブラムシ)

『優越感と勝利のマリアージュ』

『ディジェフティフ(食後酒)は

 果実感の強い南仏産、

 甘味の強いポートワインの樽物を』

『今、勝利の美酒が芳醇の時を迎える』



~最終回~さらばオニキ!

バーカウンター


カウンター上の電球がバーの雰囲気を醸し出している 


御風

『なぁオニキ』

『オニキはなんでビーニーズを警戒するんだ?』

『あんな爪も牙もない縫いぐるみなんて、

 オニキがそんなに警戒することある?』


オニキは黙ったまま、

開けたばかりのワインボトルの口を鼻に近付け、

香りを嗜んでいる。

目を瞑り鼻から深く息を吸うとワインの香りが鼻腔を満たす。


オニキの表情が綻んだ。


オニキ

『知りたい?』


御風

『まぁ、うん』


オニキ

『オレの仕事を知っているよな?』


御風

『バーテンダーだろ?』


オニキ

『まぁ、それも一つだけどバーテンダーは基本的に土日だけ』

『平日はネット通販の対応をしている』


御風

『知ってるよ。

 それがビーニーズとどう関係してるんだ?』


オニキ

『ビーニーズは』


『インターネット黎明期、


世界初のインターネット通販になったアイテムだ』

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=4617303


ミカゼ
『そうなんだ!』
『でもそんなに恐れることある?』

オニキ
『ビーニーズの創業者は』
『ビーニーズによって純資産3兆5千億を稼いでいる』
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=4617303

御風
『スゲェな!』

オニキ
『そしてビーニーズは世界150ヶ国以上に展開されている』
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=4617303
オニキ
『わかるか?』
『これだけワールドワイドに展開されていて』
『これだけの売上を出しているビーニーズ』
『そして、インターネット通販のパイオニア』
『オレたち双葉一家では企業として勝負にもならないのさ』

御風
『そ、そうなんだ汗』

オニキ
『あの青いカケスごときは怖くもなんとない』
『けどな』
『ビーニーズの3兆5千億を稼いだあの組織力は厄介だ』

御風
『な、なるほど』

オニキ
『どうやらお客さんが来たようだ』
『オレがもてなそう』

その日、オニキが戻ることはなかった。

次の日

御風
『オニキ!オニキ!』
『どうしたんだ!』
『ボロボロじゃないか!』

オニキ
『昨日も飲みすぎちまったぜ』

御風
『二日酔いか!』

オニキ
『あぁ、すまんが、少し休む』

御風
『わかった!今日はオレに任せろ!』

オニキ
『頼んだぞ、御風』

そういうとオニキは何処かへ消えていった。



Fin.

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