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金魚と金魚草


私がかわいがっていた金魚のきーちゃんが旅立ってから約1ヶ月。

不思議だったのが、「もともとウチには金魚なんていなかった」という心境になったことだ。亡くなったことを心が受け入れられなかったのかもしれない。
それはそれで楽だったけれど、時々そんなふうに思ってしまうことへの罪悪感とふとした瞬間に感じる淋しさが胸を突いた。
ここに、いたんだよなぁ、とぼんやりしながら空の水槽を眺める。


また飼えば?って言われることもあるけれど、今の私はそういう気持ちにはなれない。金魚を育てる自信がなくなったし、それにまだ新しいコたちを「ちゃんと」かわいがることができそうにない。きっと、今まで飼ってきた金魚のかわいさと比べてしまう。それは失礼だと思うから。


ところで、今年の春は金魚草がやたらと目につく。実家の畑にもたくさん咲いている。(今年まで全く気がつかなかった。)切ったものを何本かもらってきて、水槽の前に飾った。淡いピンク色のものや、濃い紫色、優しいクリーム色、色とりどりで華やか。


先日、かわいい金魚草を見つけた。アールグレイという種類で、白い小さな花をつけ、シルバーリーフがとてもすてき。ふだんよく目にする、まっすぐ立って咲くものとは違って、枝が横に伸びるタイプ。花がアールグレイの香りがするというから嗅いでみたら、ほんとうにアールグレイだった。甘くて優しい香り。
はじめは可憐な小さい白い花に惹かれたんだけれど、姿も香りも、とてもとても気に入ったので、お家にお迎えすることにした。

金魚草とロベリア
水槽は空になったのに片付けられない



これから私は、金魚じゃなくて、この金魚草を育てると決めた。宿根草なので、うまくいったら毎年咲く。株も大きくなるらしい。暑さにも寒さにも強いとのこと。
今は買ってきた当時のポットのままで、きーちゃんが気に入っていたマグに入れている。そのうち大きい鉢に植替えしよう。日中はベランダに出して、たくさん日光を当てよう。

金魚草はふたつ買った
これはきーちゃんマグに入れたほう



私はこれまで数々の植物を枯らしてきたので、かーなーり心配だが、今は楽しみのほうが大きい。私の新しいチャレンジはこれからだ。



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