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A Day in the Life

ボクの一日は新聞に目を通して始まる
今朝もあったかいコーヒーを口にしながら
何気なく記事を読んでいく
気になる話もいくつかあるけど
いつだってボクが一番悩まされるのは
不意にやってくる気まぐれな高揚だけ
どうすればうまくコントロールできるかな

人は知らぬ間に気がどうにかなっちまうもので
周りは大層大袈裟に慎重にかまえてるのに
本人は自分の変わり様が解っていないから
とめどなく堕ちていってしまうんだ
そんな姿を ただ哀れんで見つめるだけの
間抜けな奴らを相手にキミならどうする?
すごすご逃げ腰で隠れちまうのかい?

さぁ、みんなを巻き込んじまおうぜ・・・

ボクは世の温い波にわざと溺れたフリして
その反応をからかい見て笑ってるだけ
センスの無さは極まりなく
だから周りは不味そうな顔して
気の毒そうに振る舞ってるけど
すぐに剥がれ落ちる偽善者の仮面が
更に愚かさを知らしめているだけ

キミを惑わせてあげたいな・・・

    夢に酔いしれていたら
 ベッドから落ちて目が覚めた
 そんな朝に限って大抵遅刻モード
 顔を洗って急いで着替える
 髪を梳かすのもそこそこに
 とりあえずコーヒーを流し込み
 バス停まで全力疾走

 ギリギリ間に合ってバスに飛び乗る
 二階に上がり一番奥のシートへ
 無造作に荷物とコートを横に置き
 ちょいとたばこを一服
 息の乱れも落ち着いてきたら
 帽子を目深に被り直し目を閉じて
 また夢の続きにまどろんでいく

    あぁ、ぼくはどこへ流れ彷徨う・・・

“今朝の新聞をもう読んだかい?“
ボクの隣の居眠りしている男に
何度話しかけても返事はなし
仕方なく 彼の足元に落ちていた
帽子を拾って被せてあげると
ボクはゆっくりと窓際の席に移り
流れ行く街をうっとりと眺めて思うんだ

キミを狂わせたいな・・・・・・