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自分で選択する人生への挑戦①~自分の生き方に疑問を感じ始める~

これまでの人生を振り返ると、「自分が選んだ道を行く」というより、「誰かに与えられた道を行く」人生だったように思う。


自分が選ぼうとする道が、ことごとく却下されてきたということもあるが、だいたいにおいて「棚からぼたもち」的に落ちてきたもの、または親が敷いたレールの上を走ってきた。
リスクを伴うこともないし、大した努力もしなくていい。
それでそこそこ幸せだったし、そういう環境にいられる運も実力のうちと思っていた。

仕事は好きでも嫌いでもなかった。
全力で打ち込むようなこともなかったので、残りのエネルギーは、旅行、アート、グルメ、カメラ、建築、観劇、講演会、スポーツ、ファッション、着物、茶道、コンサートと自分のアンテナに引っかかることに惜しみなく使った。
好奇心の赴くままに何でもやってみたが、どれも嗜む程度で、深くはまることはなかった。
いつでも楽しいし幸せだったけれども、「これでいいのかな」という思いは常に心の奥底にあった。

このままなんとなく定年まで働いて、老後は夫とあちこち旅行して、美味しいものを食べ、ゆったり過ごす?

私の人生はそれでいいのだろうか。
人生はまだ折り返し地点にしかきていない。
あと何年これが続くのだろう。

なんだか壮大な暇つぶしをしているような感覚に陥っていた。

とはいえ、定期的な収入を手放す勇気はなかったし、ものすごくやりたいことがあるわけでもない。
相変わらず流されるまま、変わらない日常を送り続けていた。

それが、思いがけず仕事を辞めざるを得ない状況になり、変わらないはずの日常が変わることになった。
一般的に「人生のピンチ」といえる状況(40代後半の女性が正社員の職を失う)だったが、それは私がどこかで望んでいたことでもあった。

この毎日変わらない、機械的に仕事をこなす日常から解放されたい。
親の期待に応えることではなく、自分が本当にやりたいと思うことに残りの人生を使いたい。

そう思いながら20年近く、ずっと行動しなかった私だが、さすがに動かざるを得ない状況に追い込まれていた。(つづく)







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