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山田君 不動産で世を渡る(プロになる)※平成バブル 曙橋立退き・追出し交渉VOL4


それから約1カ月間で3世帯を残し、住民と接触することができた。接触した住民の方々には空き部屋に設置した事務所にきていただいた。

あらかじめ用意した賃貸借解除合意案は渡してある。
注意すべきは明け渡し期日と期日以内に退出していない場合の措置である。
合意書には期日以降に退室していない場合は1日あたり1万円を支払うことと、違約条項をもうけてある。

案ずるより産むがやすし

単身者が多く、比較的年齢が若い勤労者であったことが幸いした。自力で探した賃貸物件と信濃町の会社で紹介された賃貸マンションへの移行が順調であったので、合意書の署名押印は残り3世帯となった。

外部に相談して「ごね徳」を狙った入居者には立退きにあたってもらった社長が自分の手数料を削って話を収めてくれた。

残りの3世帯はずっと外出中で会うことができなかった。ドアポストに事情を説明して投函し、ほとんどの入居者が合意している事を説明分の中に付け加えた。

そして3カ月かかって全員の立ち退き合意が成立した。

所帯持ちや老人がいたらこんな短期間で納める事は難しかった。また無効に近いが契約書にうたってあった貸主からの老朽化による解除条項も助かった。それは借主の承知していたからだ。

もし立退きを行うとしたら、くれぐれも入居者の属性を把握してから検討してください。その後も何件かやりましたが、居座られ法外な金銭を要求されたことがあります。

再開発は世のため、人のためと思ってやらないと心が病んでしまいます。
次回は確定測量が近隣ともめて不調になってしまった件です。


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