天井付きガシャの期待値(上限付き?幾何分布)について

初めまして。白妙(のP)というハンドルネームでミリシタ、シャニマスプレイしています。

タイトルの通り天井込みのガシャの期待値について考えたのでテキトーに書いていきます。間違い等あればコメントいただければ幸いです。恐らく読みにくい文章になっていると思いますが、気が向いた方はお付き合いください。

ガシャと幾何分布について

ガシャの期待値について考えるとき、欲しいアイドルが出るまで回したら何連回すことになるかを考えると思います。1枚引けばはづきさんで凸を進められるので(トワコレを除く)

このような場合、ガシャを回す回数は幾何分布に従います。
幾何分布とは、「成功」か「失敗」のどちらかの結果が得られる試行を繰り返して、初めて成功するまでの試行回数の分布です。
ガシャの場合、ピックアップされているアイドルを引くことが「成功」に当たります。

成功する確率が$${p}$$の幾何分布の期待値は$${\frac1p}$$なので、シャニマスの限定アイドル(ピック率0.005)の場合であれば200回が期待値となります。なので今まではシャニマスガシャの期待値は200連だと考えていました。

しかし、実際は天井という仕組みがあります。なので、ほしいピックが片方の場合は出るまで回すにしても上限が300回になります。この時の確率分布や期待値はどうなるのか、ということを考えていました。上限付き幾何分布とかで軽く検索してもそれっぽい話は出てきませんでした。(検索ワードが悪いだけの可能性が)

天井付きガシャの確率を考える

n回目までガシャを回す確率を考えるのですが、299連までで引く確率はまんま幾何分布なので$${p(1-p)^{n-1} (1\le n \le 299) }$$です。
上限となる$${ n=300 }$$の場合ですが、299連目で引けない場合300連目を引くことになるので、$${ q^{299} }$$です。
一応全確率の和が1になっていることを確認しましょう。

$$
\sum^{299}_{n=1}pq^{n-1} + q^{299} = p\frac{1-q^{299} }{1-q} + q^{299} = 1
$$

さらっと書いてますが、これにたどり着くまでに結構時間かかりました。思いついてみればこんなに簡単なことが全然わからなかったんですよね…なんでだろう…

いざ、期待値を求める

確率が分かった(?)ところで期待値を計算しましょう。定義通りに計算すると

$$
\sum^{299}_{n=1}npq^{n-1} + 300q^{299}
$$

を計算することになるんですが、私は公差と公比が混在してる総和アレルギーなのでモーメント母関数を使うことにします。モーメント母関数を$${ M(t) }$$とすると

$$
M(t) = \sum^{299}_{n=1}pq^{n-1}e^{nt} + e^{300t}q^{299} \\
= pe^t\frac{1-(qe^t)^{299} }{1-qe^t} + \frac{ (qe^t)^{300} }{ q }\\
=p\frac{1-(qe^t)^{299}}{e^{-t} - q} +\frac{ (qe^t)^{300} }{ q }\\
$$

$$
\frac{ \mathrm{d}M }{ \mathrm{d}t } = p\frac{-299(qe^t)^{299}}{e^{-t} - q} + p\frac{ (1-(qe^t)^{299}) e^{-t}}{ (e^{-t} - q)^2} +\frac{ 300(qe^t)^{300} }{ q }\\
\overset{t \to 0}{ \longrightarrow } p\frac{-299q^{299}}{1 - q} + p\frac{ 1-q^{299} }{ (1 - q)^2} +300q^{299}\\
=\frac{1-q^{299}}{p} + q^{299}\\
=\frac{1- (1-p)q^{299} }{p}\\
=\frac{ 1- q^{300} }{p}
$$

よって300連が上限のガシャをピックを引くか天井するまで回した時、回す期待値は$${ p-0.005,q=0.995 }$$を代入すると、155.54156・・・でおよそ156回になります。(最初計算ミスしててエクセルの結果と一致しなくて悩んでました)

めでたく期待値が出せました。やったね。

余談

実は、ガシャには天井あるよなって思っていたのは事実なんですが、これを考え始めたきっかけってガシャじゃないんです。じゃあ何かというとポケモンSVでイッカネズミの専用技「ねずみざん」は上限10回の連続技でその威力の期待値はいくらなんだろうってのが実際に確率を考え始めたきっかけですね。かなり時間がかかってしまったのでこんな時期になりました。

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