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【大人の金融リテラシー】「人のお金を預からない」

テスタさんというカリスマ投資家がいらっしゃいます。

ある番組で投資詐欺を回避する心構えについて話しをされていてその中で「人にお金を預けない」ことを強調されていました。

それを聞いて頭に浮かんだのが「仮名取引」でした。

ただ「仮名取引」は「人にお金を預けない」ではなく「人のお金を預からない」です。

「仮名取引」とは…
「口座名義人とその口座で行われる取引の効果帰属者が一致しない取引のこと。例えば、顧客が架空名義あるいは他人の名義を使用してその取引の法的効果を得ようとする取引をいう。自主規制規則においては、証券会社が顧客の取引が仮名取引であることを知りながら受託することを禁止している。」
(日本証券業協会HPより抜粋)

「口座名義人とその口座で行われる取引の効果帰属者が一致しない」とは「口座名義人以外の資金で取引を行っている」ということでそれを防止するためには「人のお金を預からない」ということです。

また「仮名取引」というと一般的には架空名義のことを呼びますが、現在は本人確認が徹底されているのでそのような口座を開設することは難しいと思われます。

現実には知人の口座や家族の口座を使った「借名取引」であると思われます。

これは、証券会社に課された義務でそのような取引を顧客から受けてはいけないということです。

顧客に対しては「犯罪収益移転防止法」という法律で禁止をしています。

そのようなことが何故禁止されているのでしょうか?

「脱税やマネーロンダリングなどの温床となる可能性や相場操縦等の不正取引に利用される可能性あるため」とされています。

「マネーロンダリング」などというと少し現実離れをしたことのように思うかも知れませんが、AさんからBさんの資金移動が贈与と判定された場合やBさんのNISAの枠をAさんの資金で使ってしまうことが税金逃れ、すなわち脱税に繋がることは、容易に想像ができると思います。

お金には名前がありません。

Aさんのお金をBさんの口座に入金をしてしまってもそのお金が元々Aさんのお金であったことは証券会社には分かりません。

Bさんのお金であることに疑義がない限り、証券会社は知りようがないので、Bさんの口座で取引を受けてしまうと思います。

それは定義でいう「仮名取引であることを知りながら」ではないので取引を受けた証券会社が問われることはありません。

そうだとしてもそれは「やってはいけないこと」です。

証券市場の公正性や健全性を保つためにも必要なことです。








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