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青天の霹靂50(16進法1)

束の間のうららかな日に、冬眞の携帯が、それを破った。
「はい、どおしました。 ええ、分かりました。直ぐ行きます」
そう言って、携帯を切ると、出かける準備をする。
それに、廉夏は首を傾げる。
「どうしたの?」 
不思議そうに廉夏が聞けば、スーツを着ながら教えてくれる。
「廉夏と同い年の1年生が殺害されました」
「えっ? 誰?」
「クラスが違うから、知らないと思いますよ。理系クラスの子ですから」
「どうやって殺されたの? って、言うか未だに冬眞に連絡来るのスゴすぎ」 
「僕の場合、京極家に引き取られたっと、知ってるからでしょう。なんか、ナイフで1突きだったらしいです。ただ、彼女はダイイング・メッセージらしき物を残しているらしいです。刺される前から、刺されることを知ってたかのようにように用意されてたらしいです」
「ダイイング・メッセージ?」
「ええ。でも、それが何を表すのかまでは、解りませんが」
ネクタイを締める。
「何?」
「4df です」
「4dfって何かしら? DFが大文字なら、まだ、考えようも有るけど」
「どんな?」
「例えば、4年D組のイニシャルFの人」
それを聞いて、冬眞はアッサリ否定する。
「残念ながら警察も、そう思い調べた結果高校1年生でD組にイニシャルFの人は、いなかったそうです」
「じゃあ、他のクラスは?」
「全校生徒調べたらしいですが、Fの人は今したが、被害者と接点のある人はいなかったそうです」
「そうか? 案外良い線言ってると思ったんだけどな。ところで、亡くなったのって誰?」
「廉夏さんの同級生の南 優香さんです」
廉夏は死んだのが優香と知り、何かを思いつく。
「優香なら、これ16進歩よ。あの子凄いコンピュータマニアだったから」
「16進歩となると、0123456789abcdefで0~f、全部で16個となりますね」
「それを踏まえると、4dfは1番目のfは、fの最後だから16でしょ、で、2番目の文字はdだから、0123456789ここで10でしょ、でdはabcdで4となると最初の数字は14になり、でも2番目にあることから、14に16を掛けるのよね。で、3番目が4だから4に、16を2回掛けて、全部を足せば良いのよね。って言うことは、15+13×16+4×16×16=15+208+1024=1247になるわ」
「今4桁と言えば見えて来るんじゃありませんか?」
廉夏は冬眞の言葉にハッとする。
「スマホのロックキーね」
廉夏の言葉に冬眞は笑う。
「そう言う事になりますね」
「でも、スマホに何が有るんだろう?」
「それは、分かりませんが、廉夏なら分かるんじゃありませんか?」
廉夏はう~んと悩むが、はっきり言った。
「確かに、優香なら、意味の無い事はしない、必ず意味が有る。あの子、極端なほど、面倒臭がりだから。面倒なことは嫌いだけど理不尽なことには、それ以上に大嫌い。相応にやり返す子だからね」
「何故? 廉夏さんは彼女のことを知ってるんですか?」
「だって、うちの学年の有名人だもん」 
「有名人?」
冬眞は首を傾げる。
それに、廉夏は頷く。
「そうよ。彼女は先生をやり込めたんから」

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