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青天の霹靂47(焼き肉屋1)

焼き肉の有名店に廉は行こうとしたが、廉夏の腹がもたなかった(笑)
どうやら、廉夏はお腹が空いて、安い店でも良いから近場で済ませたいらしい。
廉夏の家の近くの、焼き肉屋になった。
「お前な、こんな近場の安い店」
と、ぶつぶつ廉が言うと、
「分かってないな廉兄は、良い女は、金額でなんか決めたりしないの」
「そうだよな。腹で決めるよな」
と、笑って日向が言う。
「そうそう、お腹の空き具合でね」
「ちょっと、日向の意地悪。たぶん、婦警さんたちに嫌われているでしょう?」
「正解だ。何で分かった」
ニヤニヤしながら、日向が言えば、廉も冬眞もそれが嘘だと気付く。
たぶん、日向はそれを自分にタブーとして、仕事をしているのだろう。
その理由は分からないが、恋愛しちゃいけないと、思っているのだろう。
難儀な奴だと、廉は思う。
「えっと、カルビとロース、タン」
日向が冬眞に聞いた。
「ビールで良いか?」
冬眞は頷く。
「廉さんは日本酒ですか?」
「俺は良い」
「じゃあ、ビール2つとソフトドリンク3つと後、ホルモンね」
それを聞いた廉がストップをかける。
「止めとけよ。警察官が飲酒運転なんて、感心しないぞ」
そう、廉が言った。
それに、日向は悪びれることなく言った。
「大丈夫。俺も飲酒運転する気はねぇよ。だって、俺、今日は廉の家に泊めてもらうから、俺は呑んでも大丈夫ってな。廉の車に乗るだけ出し。車も、きちんと廉の家に置いて運動会には電車で来たし、問題ない」
それを聞き、廉は呆れたように、言う。
「だから、学校に車がないのか? ってことは帰りも電車で帰れるな」
「そんな、殺生な」
「それなら、私の家でも、あるじゃん」
廉夏が文句を言うと、日向も納得する。
「そうとも言うな」と、笑いながら日向は言う。
「何が、そうとも言うよ。もう」
「さてと、食おうぜ。嬢ちゃんのビリから2番目を祝って」
「祝ってないじゃん」
廉夏の叫びは、「乾杯」と言う音頭に消えた。
廉夏はそれにブーたれるが宴会は幕を開けた。
それに、廉は笑う。
笑うだけで、注意もしない。
それに、怒った廉夏はとんでもない暴挙に出た。
なんと、飲み物以外の全品を注文したのだ。
これには、廉も笑うしかなかった。
来たのは、廉夏、冬眞、観月、日向、廉の5人だ。
案外、いきそうだが、カードが使えなさそうだ。
さて、どうしたものか?
最近、ガードばかりで現金を持っていない。
廉は、二人に聞く。
「お前ら、いくらある?」
それに、日向が言う。
「お前、カードあるだろ?」
払う気はないと、言う意思の現れ。
が、廉の次の言葉で思わず財布を探る。
探らせるだけの言葉とは、何を言ったのか? 廉夏は悩む。 
廉は、次の言葉を言った。
「ガードが使えればな。払うさ。でも、お前らここで使えると思うか?」
それを聞いて、二人とも自分の財布を見る。
「僕はガードと一万円だけです」
「俺も似たようなものだ。ほら」
そう言って、千円札が5枚と五千円札を1枚出す
「最近じゃ、カードばかりで現金持ち歩いて無いわ」
「俺は三万だ」
「案外、入れてるな」
「何があるか分からんからな。でも、5人で足りるか?」
「これ以上、頼まなければたりそうです」
冬眞が言った。
「ごめんな。観月、これ以上は注文できない」
そうすると、観月も頷く。
「頼みたいものは、もう頼んだみたいだから、平気だよ」
「観月ちゃんと私、廉兄酷い扱いが全然違う」
「当然だろ」
「まぁ、いいか。じゃあ、気をとりなおして、みんな揃って乾杯」
廉夏が音頭をとって、もう一度やり直す。
「乾杯」
それに、廉と冬眞は苦笑いしながら、付き従う。
板垣だけはノリノリである。
なぜ? 払うのに?
「乾杯」
と、コップを上げる。
板垣は、命一杯高く上へと上げる。
廉と冬眞は肉を焼いていく。
それを廉夏と板垣は次々に食べていく。
だから、廉は観月の皿に肉を入れ、観月の世話をやいていた。
冬眞と廉は、二人の食べっぷりを見て、それに笑う。
そんな時に突然、悲鳴が上がった。
何事かと、日向は瞬時に刑事の顔に変わる。

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