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鬱漫画、僕の心のヤバいやつ、感想

全ての思春期の少年少女の幸福を祈っています。本当です。

初めまして、福出です。この前までツイッターで

「『ぼっち・ざ・ろっく』のぼっちちゃんは絶対ムダ毛剃ってない。神に誓ってもいい。」

とか言ってました。醜いか? なら、お前が俺を殺す番です。その右手で握った銃で撃ち殺してくれ。

まぁ、そんな御託は良くて、本日はいわゆる鬱漫画を紹介しようと思っているんですが、

皆は中学校や高校生の頃、楽しい学校生活を送れましたか?

例えるならそう、駅中でものすごく密着してイチャイチャしている部活帰りの高校生みたいな。
本当にね、羨ましいですよね。

高校二年生の頃、虐められてもう一人の同級生と掃除用具入れにぶち込まれて閉じ込められてた時ぐらい密着してましたからね。ハハッ。

結果、この人生でございます。俺の精子も幾分の確立を超えて頑張って俺になったはずなのにな。

つーわけで、今回紹介する漫画は作者、桜井のりおさんの僕の心のヤバいやつ1巻です!     


陰キャで厨二病の主人公、市川京太郎と陽キャでモデルもやってる学校一の美少女の山田杏奈の二人が送る青春格差ラブコメですね。

ちなみに、彼らの青春格差、アフガニスタンとアメリカの軍事費ぐらいあります。果たしてこの恋、成り立つのでしょうか。


まぁ、それを唯一叶えてくれるのが創作の世界なのですが。でも、俺は認めない。市川くん、本当にこっぴどい失恋してほしい。

そんなこちらの作品、今アニメもやっているので、観てるという方も多いかもしれません。

俺も時々、ツイッターでも流れてきて何度か読んだことはありました。

ただ、その度に全身の毛が粟立つというか。読むと過去のトラウマでPTSD発症しそうになるんですよね。読む手が震える。

俺ね、思うんですよ。本当の鬱漫画というのは、辛い描写を見て心打たれて同情したり感動するのではなく、ありえない幸福の薄ら寒さでページを進める度吐きたくなるような、現実と妄想の高低差を目の当たりにできる漫画ではないかと。

俺らがSyrup16g聴くよりWANIMAとか湘南乃風を聴いた方が気分が落ち込むのと現象としては同じです。

殺しに来てるだろ、マジで。一日中WANIMA聴いてたら多重人格になりそう。ポジティブの暴力やんこんなの。

というわけで、今回はポイント別に分けてこの鬱漫画を紹介していこうと思います。

ポイント1 市川京太郎の人物描写がまるで昔の俺


この漫画が鬱漫画になり得る理由の1番がこれなのではないかと思います。

先程も言いましたが、この漫画は陰キャで厨二病の市川くんが主人公です。

これ。

そんな彼の痛々しさが、過去の俺を思い出して本当に死にたくなる。

この漫画の第一声、市川くんは教室で殺人大百科を読み、己に秘めた凶暴性を隠して『僕は頭がおかしい』と心の中で言い放ちます。

まるで、友達が一人もいない自分という存在を特別だと思い込ませるように………。

この時点で、もうすでに読者の選別は行われてると思います。俺はこの時点でキツかった。『リアル』で。

自分の矮小さに薄々気づいていながら、それでも気付かないふりをして特別(笑)に浸るためにバイオレンスで取り繕ってるところとか。

でも、そういう人結構いたと思います。授業中にテロリストが現れて、自分のおかげで彼らを退治するような妄想はキモイのは大概したことある。

ちなみに俺は大学一年生でもやってました。想像力が豊かなので。

で、そんな市川くんが今最も殺したい(笑)人が、クラスのマドンナ、山田杏奈です。

かわいい

漫画読んでれば分かるんだけど、1話時点で既に市川くんは山田のこと好きだったんだろうね。

で、何で市川くんが山田のことを好きになったのか、想像で書いていきます。異性に必要とされなかった皆さんも、自分の過去を回想してください。

まず、基本的にモテなかったり、人とコミュニケーションが取れない人は、異性の恋愛的な面での判断基準が非常に狭くなります。

つまり、話が面白いだとか、同じ共通の趣味があるだとか、そういった中身の所で好き嫌いを選別できないんですよね。で、結局、異性の好みとして一番分かりやすい容姿でしか判断できない。

あとは、消しゴムを拾ってもらったみたいな一過性の優しさを神格化して「あの子は優しい……っ!!」って好きになったりとかね。キモオタの恋愛感情、宗教的になりやすいのホンマにウケる。

ちなみに、ここまで僕ヤバを読み出してまだ3ページ時点の感想です。俺、思い込みが激しすぎるんだよな。

でまぁ、悲しきかな。市川くんは陽キャで人としてキラキラしてる山田さんとはまともにお話出来ません。目もろくに合わせられない。

あと、服もクソダサいです。センスと個性を履き違えた頭の悪いやつの格好というか。いわゆるファッションに少し興味を抱き始めて変なの買ったオタクの格好ですよね。

よくない

カッコつけたいならまずその左目を隠してる髪切れよ。頼むから。大人が中学生を見て微笑ましいと思う感情って見下してるから産まれる感情だからな?

こんな感じで、彼が送る人生の全てが、陰で気持ち悪いと蔑まれてた僕らの過去なんだよな。自分は特別だとか、髪は伸ばしてる方がカッコイイとか、可愛い子とは話すのに勇気が必要だったり。

なんかこう、自分の送ってきた劣等感の全てがここに詰め込まれてる。気がする。

ポイント2 市川くんの奇行

ただ、ここまではまだ可愛いんです。いや、可愛くないですけど。過去に走馬灯を見せられたけど、まだ耐えれる。

この漫画の一番鬱になりうるところ、それは市川くんが突然始め出す奇行です。
 
例えば、当然、発表中に使っている模造紙をカッターで切り裂いたり、自転車をわざと川に放り投げたり。

もちろん、これらの行動には背景があり、後者ならこれは山田が先輩にナンパされ上手く行きそうなところを見て市川くんが我慢できなくなって自転車を投げたんですが……。

グロくないですか? 俺はグロいと思います。もちろん、俺は市川くんの将来のすがたなので、彼のとった行動を説明することが出来るんですが。

彼、処理能力がないんです。自分に対して都合の悪い物事が起きた際、上手く頭で整理する能力がないというか。

だから、困難に陥った時に、理性的ではなく極端な行動で解決を試みようとする。思考を放棄して「なんとかなれっ」でなんとかしようとする。

ちいかわ〜

いや、極端にコミュニケーション能力が無いから、こういう時にどうすればみたいな経験がないせいもあるかもしれない。どのみち、見るに堪えない。見てて息が詰まる。

そういう点では彼の言う『僕は頭がおかしい』は本当に正しいと思います。

そんなやつがどうしていじめやれもせず、ちょっとクラスで浮いてるで済まされてるんですか?? 山田、陰でキモイって言え!

そもそも、上記みたいなことしててもクラスメイトは市川くんに話しかけてるんだから、相当この世界は彼に都合よく出来てますよ。ふざけんな。甘えんな、マジで……。

3 評価ポイント

市川くんの悪口ばかり言ってもしょうがないので、良かった点や悪かった点をあげて起きましょう。

まず悪いところ、無いです。絵やストーリーに対して特に不満に思ったことは無い。え、嘘に聞こえるって?

上記のやつは、あくまで僕にとって耐えられないほど苦しいという悲鳴である。悲鳴というか人生の叫びだったけど。

逆にこれだけ支持を受けているということは、ストーリー等が強引ではなく様々な読者にしっくり来ている、からじゃないのかなと。

良かったポイントは、市川くんが山田への恋心に気づくまでが1巻の話だとして、その過程をしっかり描いたことだと思います。山田が市川にときめくとか、そういうシーンは一切なかった。

つまり、市川くんが気付く、という道筋に焦点を当てたのか1巻だったわけです。そういう意味で焦って詰め込んだりしなかったのは、ひとつのポイントかなと思います。

だから、普通に面白いんですよ、この漫画。普通に読めば。

まとめ

おそらく、僕ヤバを鬱漫画として解説する上で、そのポイントはさっきの2つに集約されると思う。

あとはまぁ、中学生時代の下ネタとか、異性との触れ合いをありのまま見せられるから、キッツイとかはあれど。

そして、さっきも言った通り、俺はこの漫画、決してつまらない漫画では無いと思います。むしろ面白い。読んだら死にたくなるだけで。
 
そもそもの話、根本的に僕とこの漫画の相性が悪すぎんですよ。リージョンフォルムのラッタがカイリキーに勝負を挑むみたいな。 

自意識だけ異常に成長した、山田杏奈が居なかった市川くんの将来の姿みたいなやつが、これみて耐えられると思いますか?

無理です。無理。こちとら、商店街の短冊に毎年『幸せになりたい』って書いとるねん。舐めんな。

でも、きっとこういう彼らの幸せを素直に見届けられる事が、幸せの一歩なのかもしれないですね。無理。

ではでは。




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