由美子

その瞬間のわたしのぜんぶで感じていることを、みなものひかりのように、ひとつぶのあめのよ…

由美子

その瞬間のわたしのぜんぶで感じていることを、みなものひかりのように、ひとつぶのあめのように、ひとひらのゆきのように、つづっていきたいな、とおもっています。

記事一覧

深い悲しみ

深い深い悲しみが わたしにある 深い深い悲しみが あなたにある そこにふれてしまえば 生きていけないくらいの 深い深い悲しみ ふれないから 笑っていられる 深い悲し…

由美子
2週間前
4

ゆらゆら

きもちも からだも 波のように ゆらゆらゆれる 嬉しかったり 悲しかったり 元気だったり しんどかったり 満ちたり ひいたり ゆらゆらゆれる   ゆらゆらゆれながら だ…

由美子
3週間前
4

伝えたいこと

伝えたいことが 伝わらなくて 悲しかった 伝え方を 間違ってしまったと 苦しかった そういうふうに とってほしかったのではないと 悔しかった でも こう返してくれるは…

由美子
3週間前
4

夜から朝へ

白い病室の中で 夜眠りについてから 何度も目が覚める 最初は真夜中の深い闇の中 静かなとばり まるでたったひとりの世界のようだ 少し朝方になると まだ暗くても もうす…

由美子
3週間前
5

うつらうつら

入院中のわたしの いちにちは 水槽の中で 心地よく ぶくぶくと 漂っている魚のようだ 眠ったり 起きたり 食べたり たくさんの人に生かされながら 生きるために生きる …

由美子
4週間前
5

祈り

光はいつもふりそそいでいる 愛はいつもふりそそいでいる すべての人の心に 光と愛が 流れ入りますように と祈る ほんの小さなことでも ひとりひとりが 目の前の人と …

由美子
4週間前
6

あたりまえにあること

あなたが あたりまえに 隣にいること それは あたりまえではないこと あなたが あたりまえに 笑ってくれること それは あたりまえではないこと あたりまえのような あ…

由美子
1か月前
5

一輪の花

彼が送ってくれた牡丹の写真 はっとする一輪の花 どきっとする一輪の花 どくんと心臓が鼓動を打つ みずみずしい雫をまとい これでもかと 幾重にも花びらを踊らせ 燃…

由美子
1か月前
4

だれかのための歌

NHKのど自慢大会がすき わたしと同じように 日々を懸命に生きてる人たちが 大切な仲間と一緒に 入院中のおばあちゃんに 遠くに行くともだちのために それぞれの物語と…

由美子
1か月前
5

沈む

病室のベッドのうえで いちにち横たわっていると この身の重さの沈みから 深く沈んでいくような 感覚になることがある まるで海の底に 静かに沈んでいくような でもいや…

由美子
1か月前
7

ここにあること

いま ここ、にあること いま ここ、にいること について ぼんやりとかんがえていた 世界はひろくて どこにでもいれるはずなのに わたしはいま ここ、にいる いまこ…

由美子
1か月前
5

あなたの生まれた日

きょうは たいせつな あなたの生まれた日 出逢って ともに歩んで いっしょにむかえる6回目の日 誕生日をとくべつに祝う感じがしっくりこないとあなたはいう わたしもお…

由美子
1か月前
9

みえないあまつぶ

ぽつ ぽつ ぽつ みえない やさしいあまつぶが わたしにふってくるようだ とぎれることなく やさしくふる よこたわる わたしのゆびに わたしのほほに からだぜんぶに…

由美子
1か月前
3

こたえ

真夜中に目が覚めた なにかをつづりたいなと おもいながら ぼんやりとしている ものこごろついたころから なぜ生きるのかを 問いつづけ そのこたえをさがすために 生きて…

由美子
1か月前
3

想いの種

きのうと きょうは 嬉しくて たまらなかった わたしが ずっと ずっと まきつづけた たいせつな人への 想いの種が やっと やっと 実を結んだ とてもながかった

由美子
1か月前
4

みずのつぶ

ふぅ・・・ と息をはく 入院中の白い部屋のなか つらいからだを感じながら 病室の高い窓から 空をみる 今朝の空は 雲が多い その雲が ゆっくりと 部屋のなかに …

由美子
1か月前
3
深い悲しみ

深い悲しみ

深い深い悲しみが
わたしにある

深い深い悲しみが
あなたにある

そこにふれてしまえば
生きていけないくらいの

深い深い悲しみ

ふれないから
笑っていられる
深い悲しみ

でもその深い悲しみは
いつも
きづかないうちに
なにかのかたちになって
あらわれる

その悲しみに
ふれたくないから
だれかやどこかを
遠ざけたりする   

ほんとうにやりたいことが
できなかったりする

深い深い悲しみ

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ゆらゆら

ゆらゆら

きもちも
からだも
波のように
ゆらゆらゆれる

嬉しかったり
悲しかったり
元気だったり
しんどかったり

満ちたり
ひいたり

ゆらゆらゆれる
 
ゆらゆらゆれながら

だんだんと
まんなかを知っていく

だんだんと
わたしを知って
きっと
ゆるがないなにかが
うまれていく

伝えたいこと

伝えたいこと

伝えたいことが
伝わらなくて
悲しかった

伝え方を
間違ってしまったと
苦しかった

そういうふうに
とってほしかったのではないと
悔しかった

でも
こう返してくれるはずだと
決めつけていたのはわたし

おもいどおりでなかったことが
悲しかったのだ

その人の観ている世界も
わたしの観ている世界も
それぞれで
間違いなんかない

めのまえでおきた
反応だけに
反応していた

でも
伝えたいと思

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夜から朝へ

夜から朝へ

白い病室の中で
夜眠りについてから
何度も目が覚める

最初は真夜中の深い闇の中
静かなとばり
まるでたったひとりの世界のようだ

少し朝方になると
まだ暗くても
もうすぐ朝だ、と
ほっとしたりする

目が覚めるたびに
少しづつ

空気がかわる

色がかわる

音がかわる

気持ちがかわる

だんだんと
光がさし

同じ部屋の中が
違う世界のようになる

そして
朝が来る

あたりまえのような

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うつらうつら

うつらうつら

入院中のわたしの
いちにちは

水槽の中で
心地よく
ぶくぶくと
漂っている魚のようだ

眠ったり
起きたり
食べたり

たくさんの人に生かされながら
生きるために生きる

とてもシンプルだ

うつらうつらとしながら

生きることも
死ぬことも
わたしたちがおもうより

かぎりなく
シンプルなのではないかと
感じている

祈り

祈り

光はいつもふりそそいでいる

愛はいつもふりそそいでいる

すべての人の心に
光と愛が
流れ入りますように

と祈る

ほんの小さなことでも
ひとりひとりが
目の前の人と
分けへだち
非難をして
争うことが

大きな戦争へと
つながると
わたしは思う

まずは
目の前の人に
祈りたい

すべての人に

光と愛が
流れ入りますようにと

あたりまえにあること

あたりまえにあること

あなたが
あたりまえに
隣にいること

それは
あたりまえではないこと

あなたが
あたりまえに
笑ってくれること

それは
あたりまえではないこと

あたりまえのような
あたりまえではないことで
毎日ができている

だからわたしは
この一瞬を
あたりまえとは
思わずに
生きる

一輪の花

一輪の花

彼が送ってくれた牡丹の写真

はっとする一輪の花

どきっとする一輪の花

どくんと心臓が鼓動を打つ

みずみずしい雫をまとい

これでもかと
幾重にも花びらを踊らせ

燃えたつように

この瞬間に咲きほこる

突然の白血病で入院中のわたしは

こんなふうに生きようと

心に誓う

だれかのための歌

だれかのための歌

NHKのど自慢大会がすき

わたしと同じように

日々を懸命に生きてる人たちが

大切な仲間と一緒に
入院中のおばあちゃんに
遠くに行くともだちのために

それぞれの物語と想いを胸に

自分のきもちにそう歌を
心をこめて
大舞台で歌う

その歌声は
うまいへたにかかわらず
心にとどく

歌ってすごいな、
と思う

だれかがなにかの想いで
つくった歌は

だれかにだれかのための歌として
歌われていく

もっとみる
沈む

沈む

病室のベッドのうえで
いちにち横たわっていると

この身の重さの沈みから
深く沈んでいくような
感覚になることがある

まるで海の底に
静かに沈んでいくような

でもいやな感じじゃない
むしろここちよい

このまま
ゆっくりと
沈んでいきたくなる

だけど

海のなかからみるみなもは
きらきらしていて
だいすきなひとたちの
わらい声や
はなし声が
聴こえるようだ

だから
わたしは
もうすこし

もっとみる
ここにあること

ここにあること

いま ここ、にあること

いま ここ、にいること

について

ぼんやりとかんがえていた

世界はひろくて
どこにでもいれるはずなのに

わたしはいま
ここ、にいる

いまここ、で

すべてのことが
おこるべくしておこっていて

すべてのことが
なるべくしてなっている

病院のベッドの上で
やっぱりわたしは
そう思う

あなたの生まれた日

あなたの生まれた日

きょうは
たいせつな
あなたの生まれた日
出逢って
ともに歩んで
いっしょにむかえる6回目の日

誕生日をとくべつに祝う感じがしっくりこないとあなたはいう

わたしもおなじ

でもこの日に
あらためて

ほんとうに
うまれてきてくれてよかった
死にたいとおもったときも
死ななくて生きてきてくれてよかった

戦いしかしらなかったわたしに
ひだまりのような
あたたかなやすらぎをくれた

激しい怒りと哀

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みえないあまつぶ

みえないあまつぶ

ぽつ
ぽつ
ぽつ

みえない
やさしいあまつぶが

わたしにふってくるようだ

とぎれることなく
やさしくふる

よこたわる

わたしのゆびに

わたしのほほに

からだぜんぶに

ぽつ
ぽつ
ぽつ

と。

そのあまつぶは
わたしの からだに
すっとはいって
わたしになる

ひとしずくひとしずくが

わたしのことを
あいしてくれる
ひとたちの
わたしをおもうやさしいおもい

そのおもいが
きょう

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こたえ

こたえ

真夜中に目が覚めた

なにかをつづりたいなと
おもいながら
ぼんやりとしている

ものこごろついたころから
なぜ生きるのかを
問いつづけ
そのこたえをさがすために
生きてきたように思う

いま
わたしなりに
わたしだけの
そのこたえが
すこしづつ
あつまってきているような
そんな気がする

そうか
まるで
冒険をしながら
おたからのヒントをあつめていく物語のように

しかくい空欄を
ひともじひとも

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想いの種

想いの種

きのうと
きょうは
嬉しくて
たまらなかった

わたしが
ずっと
ずっと
まきつづけた
たいせつな人への
想いの種が
やっと
やっと
実を結んだ

とてもながかった

みずのつぶ

みずのつぶ

ふぅ・・・
と息をはく

入院中の白い部屋のなか

つらいからだを感じながら

病室の高い窓から

空をみる

今朝の空は

雲が多い

その雲が

ゆっくりと

部屋のなかに

満ちて

しめったあたたかい空気に

からだがつつまれていくようだ

わたしはいま

みずのつぶで満ちている