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「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」六話感想

六話感想やっていきます。
五話の感想でも言ったように、ここからは繊細になっていくので目をこらして見落としがないように。
今回のざっくり感想というか、トークテーマは「裏のテーマを見て」です。
早速ストーリーに沿って語っていきます。

Aパート

昇降口で鉢合わせてしまう八幡と由比ヶ浜結衣。
八幡は「人間関係はリセットできる」とまだ言い訳を繰り返してますね。

八幡と雪ノ下雪乃二人だけの奉仕部にて、雪ノ下雪乃が由比ヶ浜結衣のことを質問します。
”すれちがい”と結論付けた後、雪ノ下雪乃は「なら仕方ないわ」と言い切り、二人の話は終了します。

そこに平塚先生が登場し、例の勝負をバトルロワイヤル式にしようともちかける。

「二人だけで?」と言う八幡に、何か言いたげな表情の雪ノ下雪乃。
またその後、由比ヶ浜結衣は来ないと断言する平塚先生に雪ノ下雪乃は反論する。

ここに雪ノ下雪乃の「由比ヶ浜結衣に奉仕部に残って欲しい」という願いが見えてきます。その前の「なら仕方ないわ」は、決して冷たくしているのではなく、八幡と由比ヶ浜結衣の当人たちの問題だろうと静観しているセリフだったんであります。

「俺、やる気も意志もないので去ってもいいですか」とふざけた事をぬかす八幡はほっといて、平塚先生はもう一人の部員の勧誘を命じ、二人を教室の外に出す。

さっきも述べたように、雪ノ下雪乃は由比ヶ浜結衣に戻ってきて欲しいと思っているので、由比ヶ浜結衣を引き戻すことを提案します。

それに続けて、「6月18日何の日か知ってる?」と質問する雪ノ下雪乃。答えがわからない八幡に対して、「由比ヶ浜さんの誕生日よ、多分。アドレスに0618と入っていたから」と返します。
メアドとかtwitterのIDとかで誕生日確認するのめっちゃ分かる。本人に直接聞くのって気がひけるよね。

そして、由比ヶ浜結衣へのお祝いがしたいという雪ノ下雪乃に「付き合ってくれないかしら」とお願され、買い物へレッツラゴーします。

てな感じで今回の表のテーマは「由比ヶ浜結衣との仲直り」です。まあ、わざわざ”表の”と言ったからには”裏の”テーマもあるってことです。後半に説明するのでどんどん語っていきましょう。

由比ヶ浜結衣の誕生日プレゼント探しにららぽーとへと来た雪ノ下雪乃と八幡と小町。いつもと違うポニーテイルな雪ノ下雪乃もかわええ。

目標も見定めていざ出発したものの即座に離脱する小町。ここからは二人で買い物をすることに。

女性物のエリアに来た二人でしたが、離れて歩く八幡は怪しまれてしまいます。そんなわけで八幡は離れたところで待っていようとしますが、それを雪ノ下雪乃が阻止。

そこで雪ノ下雪乃は、
「恋人のようにふるまう事を許可する」と提案してきます。

それを八幡はすんなりと受け入れる。その理由として八幡は「雪ノ下は嘘をつかない。ふりと言ったら間違いなくふりだ」と回想で言っています。
これは第三話で雪ノ下雪乃が言っていた「暴言も失言も吐くけれど、虚言だけは吐いたことないの」というセリフから来ています。
ここのやり取りもとても大切です。

改めて由比ヶ浜結衣へのプレゼント探しを再開する二人。しかし、友達にプレゼントなんて経験のない二人は大苦戦。

そんな中、雪ノ下雪乃が「私、由比ヶ浜さんが何が好きとか、どんなものが趣味とか知らなかったのね」と弱音をこぼします。
それに八幡は「別に知らんくていいだろ。むしろ半端な情報だけで知った顔されたら腹が立つ」とフォローしてあげます。こういうフォローをサラッとできるのが八幡の優しさですよね。
その後の「千葉県民に向かってよその落花生送くるようなものだ」の例えが千葉過ぎて好き。

そういうことならと雪ノ下雪乃は売り物のエプロンを着てみせる。感想を求められた八幡は「すげぇ良く似合っている」と答えます。
その後、八幡のアドバイスもあり、同じ店のエプロンをプレゼントに決めた雪ノ下雪乃。

しかし雪ノ下雪乃は、由比ヶ浜結衣へのエプロンとは別に、さっき着てみせたエプロンもレジに持っていきます。
なんだよぉ、八幡に似合っているて褒められたからそのエプロンも買うの?もうカワイイなぁ~って思いますよね。その気持ち大切に。
ここのシーンもめっちゃ重要です。後々語ります。

商品をレジに持っていったところで雪ノ下陽乃登場。

Aパート終

Bパート

雪ノ下雪乃の姉である雪ノ下陽乃登場。

八幡といる妹の姿が珍しいのか、陽乃さんはスキンシップ多めに八幡にちょっかいをかけてきます。その姿は社交性あふれる印象を受けます。
陽乃さんに気に入られたりなんやりで会話終了。

去っていく陽乃さんの姿を見て、八幡は「お前の姉ちゃんすげえな」と一言。
それに雪ノ下雪乃は「あれほど完璧な存在もいないでしょう。誰もがあの人をほめそやす」と皮肉ともう一つの感情をこめて返す。(もう一つの感情は後の回で)
しかし八幡は「そんなのお前も大して変わらんだろ」と言う。この一言から、八幡は雪ノ下雪乃のことを完璧な人間だと思っていることがわかります。

陽乃さんの外ずらを見抜く八幡に珍しく感心する雪ノ下雪乃。そんな感じで話が落ち着いたところに犬が飛び込んできます。
八幡に妙になつくその犬は由比ヶ浜結衣の飼い犬であるサブレでした。
そこに由比ヶ浜結衣が来るものの、八幡と雪ノ下雪乃を見て何か勘違い。
雪ノ下雪乃がお祝いをしたいと言い出すとさらに会話がこんがらがっていきます。
そんなこんなで二人の買い物を終了。

後日、奉仕部に集まった三人。
八幡の一言で誤解は解け、話は例の事件についてになります。
プレゼントを渡し関係に区切りをつけようとする八幡に対し、それに納得しようとしない由比ヶ浜結衣。

そこに雪ノ下雪乃が
「終わったならまた始めればいいじゃない」と仲裁案を出します。

当事者である八幡は由比ヶ浜結衣との関係を続けたくてもそれを言う資格がないと思っているわけです。そこに雪ノ下雪乃が救いの手を差し伸べる。良いセリフです。

そして一言
「ちゃんと始めることだってできるわ、あなたたちは」と雪ノ下雪乃は言う。

この一言に何かしらの不安感を覚えます。
その証拠に雪ノ下雪乃の座り方を見てください。これまで雪ノ下雪乃は、絶対に背もたれを背に椅子に座ってました。横に人が来た時も、顔だけで話すか、椅子を直すか、立って話すかしていた。背もたれなんて知ったこっちゃねぇと座る八幡に対して、雪ノ下雪乃の几帳面さの表れだったのかもしれません。
しかしこの場面では、背もたれを横にして話し始めます。椅子を直す暇も惜しいほど気が急いていたのか、忘れるほどの気持ちだったのか。
こんなところにもアニメーションの細かさを感じます。

言いたいことを言った雪ノ下雪乃は、平塚先生に人員補充の件を連絡すると教室を出ていく。
その後、首輪のくだりもあっていい雰囲気になり、続いて由比ヶ浜結衣も教室を出ていきます。

そして一人になった八幡は、窓際の机に置いてある雪ノ下雪乃の本を取る。

ここで八幡は何を思い出しているのか

その答えは、エプロンです。

よく見てもらうと分かるのですが、雪ノ下雪乃が最初に着てみせたエプロンとブックカバーの柄がほぼ同じ。ということは雪ノ下雪乃があのエプロンを買った理由は、”八幡に褒められたから”ではなく”好きなデザインだったから”と八幡の立場から考えられる。

ここで思い出すのは、買い物のとき回想で言っていた”雪ノ下雪乃は嘘をつかない。だから恋人のような関係にはならない”というセリフ。男に褒められて舞い上がっちゃうような、よくあるラブコメ展開はならないんだと八幡は思っているわけです。よくあるラブコメのアンチテーゼが、アニメのタイトルにもある「俺の青春ラブコメはまちがっている」にも合ってていいですね。

ただしかし、八幡は「ちゃんと始めることだってできるわ、あなたたちは」と言う雪ノ下雪乃の顔を思い出します。この言葉が一抹の不安をよぎらすのです。

てことで今回の裏のテーマ、それは”雪ノ下雪乃という人物像の崩壊”であります。

前にも述べたように、八幡は雪ノ下雪乃のことを”嘘を一切つかないような、完璧な人間”と思っているわけです。しかしこの回では、そんな雪ノ下雪乃像が崩れていく出来事がいくつも起こっています。

まずは、由比ヶ浜結衣を奉仕部に引き戻そうとする姿です。これまでの雪ノ下雪乃の性格であれば、去る者は追わずの精神なはずなんですよね。ただこの回では、あれだけ敵対してた八幡にお願いをし、さらには弱音をこぼしてまで由比ヶ浜結衣を引き戻そうとする。ここに雪ノ下雪乃の心境の変化を感じるわけです。

そして一番大きい出来事は、陽乃さんという姉の存在です。
第五話で八幡が兄妹を"一番近い他人"と称したのに対して、雪ノ下雪乃は「それは凄くわかるわ」と言うだけでした。これまでの雪ノ下雪乃の性格であれば、家族関係に問題をもっていない限りこう答えるとは思えない。さらに、第五話で”姉がいる”ということを言う機会はいくらでもあったはずなのにそれを言わなかった。ここに雪ノ下雪乃の隠したいという明確な意志を感じます。

これだけ雪ノ下雪乃の人物像が崩れうる出来事が起こっているのに、八幡は目の前のブックカバーとエプロンの事実だけでその人物像を保とうとしている。現実から目を逸らそうとしている八幡の姿がこの演出から見えるわけです。

Bパート終

最後に

目をこらして見てみると、色々な演出意図が見えてくる回でした。
ちなみに、最後の方で語った椅子の座り方やブックカバーの演出というのはアニメオリジナルなんですよね。こういったキャラ表現ができるからこそ一期は面白いんだと思います。
ってな感じで第六話の感想終了です。読んでくださりありがとうございました。

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