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指輪物語:中つ国の伝承の評価の反省(アーティファクト以降と統率者、総括)

※この日記は主にモダン・レガシーの環境を想定しています 
過去にした評価:  

※以下の記事のデッキ一覧と関係ないカードの「誤算」判定はしません 
参考:今後使う予定のデッキの一覧について書いた記事

白~黒の評価の反省はこちら

赤~多色+αの評価の反省はこちら

アーティファクト
エレヒの石 後半の大誤算その1
初見では「1マナで出せるのはいいんだけど、墓地対策として見たら常在型能力で対戦相手のコントロールするクリーチャーが死亡する代わりに追放&やや重めの2マナと生け贄で墓地全追放+1ドローでは使いにくい気がする
かな…」と思っていたので、全く評価していませんでした。
しかし、1マナなのでウルザの物語でサーチできる上に先攻時の初手に
あれば1ターン目にほぼ妨害されずに出せ、虚空の力戦と違い後引きしても問題なく、常在型能力によってヨーグモス医院の不死・黒赤想起の想起
シナジー・鱗親和の電結の荒廃者・サムワイズフードの大釜の使い魔あたりに睨みを効かせられる点がモダンではかなり評価されたようです。
そのためか、モダンでは鱗親和・カウンターモンキー・アミュレット
タイタン・マーフォーク・ハンマータイム・ジャンド・各種コントロール
デッキなどといった幅広いデッキのサイドに1枚差しされていたのが確認
できました。
(モダンでの全体的な採用率は、7.3%ほどとナイスサイドボードと呼ぶに
ふさわしいレベルでした)
一方のレガシーではリアニメイトデッキ相手に無力なためか、採用実績は
ありませんでした。

オルサンクのパランティール 後半最大の誤算
初見では「3マナで出し、終了ステップに影響カウンターを1個置き占術2を行った後に、どちらを選ばれてもだいたい有利に立てる点を見て
「モダンの黒赤想起・バーンやレガシーのリアニメイトのサイド・
赤単プリズン・実物提示教育系を始めとした、多くのデッキに入りうる」とかなり高い評価を着けていました。
しかし、アーティファクトのアドバンテージエンジンとしては同じセットに出すのに4マナかかるいえ、ライフロスのリスクこそあるものの残り続ければさらにアドバンテージを稼げる上に、唱えて出したターンから次の自分のターンまでほぼ無敵になれる一つの指輪に比べたら、基本的には毎ターン定業を行うカードとして扱われるこれ自身が地味に見えてしまったようです。
そのためか、モダンではクラガンウィックシュートの22%ほどや御霊の復讐デッキの1/6ほどのレシピに1~2枚採用されるなどした程度に留まり
ました。
一方のレガシーでは、この手のカードにしては3マナと比較的軽かったためか、ディミーアマークタイドの47%ほどのレシピのサイドに1~2枚、
死の影デッキの37%ほどのレシピのサイドに1枚採用されたほか、採用率
こそ低かったもののスニークショー・リアニメイト・黒単などにも1~2枚
採用されていたのが確認できました。
(全体的な採用率はモダンでは0.66%ほどだった一方、レガシーでは
4.85%ほどとかなり高かったです)

一つの指輪 後半の大誤算その2 
初見でも出したら次の自分のターンまでほぼ無敵になれる点、ライフロスと引き換えの高いドロー能力を見て「ライフロスさえどうにかできればかなり強力な1枚と言える」とは評価していましたが、
(ついでに3マナテフェリーのー3能力で一旦手札に戻した後、打ち消されず出し直すことで再度無敵になれるのも評価していました)
・ドローがタップ能力かつライフロスのタイミングは次のアップキープ
なので、単体でも2ターン目には1点ライフロスで3ドロー→3ターン目には
3点ライフで6ドローと想像していたよりはるかにローリスクで膨大な
ハンドアドバンテージを得られる
(そのおかげで、ドロー能力を使ったターンのうちに勝てるなら、
どれだけカードを引いてもライフロスのデメリットを無視できる)
・伝説なので喜ぶハーフリングからのマナを使って出せば打ち消されなく
なる
上に、自身のドロー能力などで手札に加わった2枚目の一つの指輪を
出せば、重荷カウンターをリセットしつつまた無敵になれるとレジェンド・ルールすら味方につけられる
以上の点が評価されたためか、モダンではレンアンドオムナス・アミュレットタイタン・緑トロン・黒コンの8割以上のレシピに4枚、ヨーグモス医院の1/4ほどのレシピにも2~3枚採用されたほか、青黒or青白系コントロールにも入るレシピには4枚積まれるなどしていたのが確認できました。
一方のレガシーでは、茶単の75%以上や緑ポストの67%ほどのレシピに
4枚、多色コントロールの48%ほどのレシピに2~4枚、最後の審判デッキの
4割ほどのレシピに1~2枚(7月までの間は3~4枚積んだレシピもあった)
採用されたほか、採用率こそ高くなかったものの8-Cast・ペインター・
黒単などにも採用されていたのも確認できました。
(オークの弓使いの採用率がモダン・レガシー共に3割を超えたのは、
これの対策ができるのも一因と言えるでしょう)
ヴィンテージでも逆説キーの74%ほどやワークショップの61%ほどのレシピに4枚、テンドリルストームの2/3ほどのレシピに1or4枚採用されるなどしていたのが確認できました。
(本来ならもっと採用したレシピの種類を記載するべきなんでしょうが、
モダン・レガシー・ヴィンテージのいずれでも多すぎたのでこのへんにしておきました)
ライフロスのデメリットが小さくなる上に、カードパワーが高すぎるためか統率者戦でも32.1%ほどのデッキに採用されていたのが確認できました。
全体的な採用率は4マナとやや重いためかモダンでは26.3%ほど、
レガシーでは11.2%ほど、ヴィンテージでも17.3%ほどと、オークの弓使いと比べたら劣るものの、指輪物語:中つ国の伝承の2強と呼べるほどの
採用率を誇っていました。

土地
バラド=ドゥール 初見では激情・悲嘆あたりを想起で唱えた後に下の能力を使えばクリーチャーの頭数を増やせる点を評価して、モダンの黒赤想起
あたりに1、2枚入るかもしれないと評価しました。
しかし、モダン以下の環境では基本的にタップ状態で戦場に出る割には下の能力が弱いと判断されたためか、実際にはモダンの黒単のごく一部の
レシピに1枚差しされたに留まりました。

ホビット庄 初見ではアンタップ状態の金のガチョウあたりをタップさせ
つつ下の能力を使えば食物トークンを生成できる点を評価して、モダンの
グリーンフードあたりに1、2枚入るかもしれないと評価しました。
しかし、モダン以下の環境では基本的にタップ状態で戦場に出る割には下の能力が弱いと判断されたためか、実際にはモダンですら採用実績は全くと
いっていいほどありませんでした。

ミナス・ティリス 初見では2体以上のクリーチャーで攻撃したターンに
下の能力を使えば1ドローできる点を評価して、モダンの人間やレガシーのデスタクあたりに1、2枚入りそうだと評価しました。
しかし、モダン以下の環境では基本的にタップ状態で戦場に出る割には下の能力が弱いと判断されたためか、実際にはモダンでは人間デッキや白赤
ビートダウンのごく一部のレシピに1枚差しされたに留まり、レガシーでの採用実績は全くといっていいほどありませんでした。

滅びの山 後半の大誤算その3
初見では1点受けなければマナを出せない上に、各対戦相手に1点与えるためには大体の場合土地4枚が必要なのもあって、全く評価していません
でした。
しかし「アンタップインで出せる2色土地の起動型能力で、各対戦相手に1点与えられる」点が、モダンではなかなか評価されたようです。
そのためか、モダンでは黒赤想起の23%ほどやクラガンウィックシュートの22%ほどのレシピに1枚採用されるなどしていたのが確認できました。
一方のレガシーでは、採用実績はありませんでした。

統率者

エントの寄合の呼集 後半の誤算その1
初見では4マナとけっこう重い上に単体では置物同然な点をけっこう気に
していたものの、食物系デッキ・ウーロ入りのコントロールデッキ・
微光地が4枚入ったPostとの相性をある程度評価していました。
しかし、ライフゲインするカードと組み合わせなければ置物同然なカードが4マナというのはレガシー環境では重いと判断されたためか、採用実績は
ありませんでした。
(生け贄用の緑のクリーチャーが別で必要になるとはいえ、同じ色かつ
同マナ域に通れば統一アトラクサ・大祖始・孔蹄のビヒモスあたりを山札
から
出せる自然の秩序が存在するのも逆風となったか)

進め、エオルの家の子よ! 後半の大誤算その4
初見では「マナをたくさんつぎこめば強いけど、統治者の部分を除けば
3マナで撃ってもトランプル・速攻持ちの2/2を生成するだけだし、統治者を得るなら4マナとちょっと重いけど、統治者を取られるまでクリーチャーを
1体追放できる宮殿の看守が既に存在するし…」と思っていたため、
全く評価していませんでした。
しかし、試合が長引くなどしてX=3~4あたりで撃てるようになれば
「トランプル・速攻持ちの2/2を3~4体生成できる上に、そのクリーチャー達で戦闘ダメージを与えたら統治者になれる」点が、主にコントロール・
イニシアチブストンピィ視点で評価されたようです。
そのためか、レガシーでは2マナランドやマナアーティファクトを多用する赤白タイプのイニシアチブストンピィの72%ほどのレシピに3~4枚積まれたほか、多色コントロールの64%ほどのレシピにも1~2枚採用されるなどしていたのが確認できました。
(レガシーでの全体的な採用率は、7.78%ほどでコンボデッキの中では
3~4番手ほどに位置する、スニークショーに4枚積まれる実物提示教育
よりは少し劣るレベルととても高かったです)

食物デッキ枠
大いに食べるホビット(緑)、宴会の招待客&忠実なる従者、サム(多色)後半の誤算その2
初見ではホビットと招待客を食物系デッキのアタッカー、サムを食物系
デッキの食物生成を始めとしたサポート要員として、けっこう評価して
いました。
しかし、決めれば勝ちに大きく近づくorそのまま勝てる2枚コンボ
(例:納墓からのリアニメイト呪文や実物提示教育からのアトラクサ、
騙し討ちからのエムラ砲、セファリッドブレックファースト。前述のコンボ入りデッキですらトップメタではない)が存在するレガシー環境においては、他のカードの力を借りれば5/5以上になれる2マナのクリーチャーや、
稲妻に耐えられるものの毎ターンの食物トークン生成+αができるレベルの
3マナのクリーチャーは力不足だと判断されたようです。
そのためか、ホビットですらレガシーでは食物多めのNic Fitに緑頂点からのサーチ先として採用されたのが1件確認されたに留まり、招待客とサムのレガシーでの採用実績はありませんでした。

土地 
黒門 初見では3点のライフを払わなければアンタップインできず、
アンブロッカブル能力を得るためには自分のライフが相手のライフ以下
ある必要があり、土地だけなら合計3枚必要なことがかなり気になっていたため、全く評価していませんでした。
しかし、土地3枚だけでクリーチャーをアンブロッカブルにしてくれるのが一部で評価されたためか、実際にはレガシーの死の影(死の影を活かす
ため、自分からライフロスできるショックランド・殺し・通りの悪霊が
入っている)の16%ほどや、黒単リアニのごく一部のレシピに1枚差し
されるなどしていたのが確認できました。
(レガシーでの全体的な採用率は、0.54%ほどでした)

今回の反省を総括してみて、
・基本性能がモダン以下で通用しないレベルのカードに、1回だけ指輪を
誘惑する能力がついただけではモダン以下の環境で通用するようにはならなかったこと
・モダン以下では使われないだろうと思っていた、ロリアンの発見に代表
される「コモンの、自身の色に対応した基本土地タイプの土地サイクリング1を持つサイクル」が、いずれもモダンでは採用実績があったこと
(「モダン・レガシーでもとても高い採用率を誇った青はヴィンテージでの採用率は3割を超え、モダンでも十分採用率が高かった黒は再活性との相性が抜群だったためかレガシーではさらに高い採用率を誇り、最弱の白ですらモダンで使われる」なんて未来は予想の片隅にもありませんでした)
・初見ではそこまで高く評価していなかった喜ぶハーフリング&オークの
弓使いが、モダン・レガシー共に前者は縁の下の力持ちとして活躍し、後者は「相性が悪いデッキを除き、黒ければ大体のデッキに入るorこれのためにデスタクや青赤Delverあたりに黒を足す価値があるレベル」の大暴れをしたこと
・初見ではかなり高い評価をつけていたオルサンクのパランティールが、
同期の一つの指輪の影に隠れてしまったせいか、実際の採用率
(特にモダン)が予想より低くなってしまったこと
・初見でもある程度の評価をしていた一つの指輪が、喜ぶハーフリングの
サポートを受ければ打ち消されなくなる上に、レジェンド・ルールすら
味方につけられたおかげかライフロスのデメリットが思っていたよりも
はるかに低かったため、予想を大きく超えた猛威を振るったこと
以上の点を予想できなかったのが特に大きな反省点でした。

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