『パラサイト 半地下の家族』の感想

バッドエンドだとは!本当に驚いた。しかし、バッドエンドでも未来につながるタイプのバットエンドだったので、視聴後感に全く不快さがない。
『太田上田』で上田さんが「前半後半で大きく変わった。俺は前半のままいってくれたらなー」という趣旨の発言をしていたが、その言葉の意味を完全に理解した。しかし、その意見には必ずしも賛同しない。前半のような流れでストーリーが進んでいったとするならば、社会派映画のような出口しかなかったのではと予想する。ノンフィクションに近い映画作品になったのではないか。(私はノンフィクション映像作品も好きだが)
前家政婦の夫が豪邸の地下室に住んでいることが明らかになった地点がこの映画の大きな変動点だったと思う。ここでグッとストーリーに引き込まれた。そこからは、ハラハラを抑えることができなかった。劇的な場面でビビって何度も再生を止めてしまったので、一緒に視聴していた友達に少し嫌がられた笑。
ただ一点、引っかかる点を挙げるとすれば、運転手(半地下室四人家族の父)が主人(地上四人家族の父)を刺した場面である。もちろんこの行動に至るための伏線は丁寧に張り巡らされていたが、(運転手の匂いに関する発言、仕事なのだからしっかりやれ発言、そして刺殺直前の鼻を覆うような仕草など)衝動的な行動とはいえ人を刺すとこまでいくのかと思う。
もちろん、運転手のこれまでの境遇を皮膚感覚で理解し、性格も加味すれば十分ありえることなのかもしれないが。少なくともこの場面が無ければ、魅力的なエンドにならなかったことは確かである。
とにかく良い映画だった、満足感のある映画である。

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