智和輪 テキスト

与謝野鉄幹は『明星』を創刊して、鳳晶子(後の与謝野晶子)や山川登美子などの女流歌人をプロデュースした。内縁の妻の滝野は、登美子や晶子のまるで鉄幹への恋文のような歌に心を乱し、息子と故郷に帰った。登美子は鉄幹と一夜の契りを持ったが、家の勧める結婚をした。しかし1年半で夫が病死すると、また鉄幹と関係を持つようになった。一方、鉄幹と登美子の関係を察しながら、自分の想いを抑えきれない晶子は、滝野と入れ替わるように、鉄幹と暮らし始めた。生活に追われながら、歌の才能を開花、『みだれ髪』を上梓し、女性歌人の地位を確かなものにし、鉄幹と結婚、与謝野晶子となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?