智和輪 テキスト

歌川広重が亡くなる3ヶ月前、日本とアメリカの間で修好通商条約が締結され、日本は幕末の動乱期に突入した。日本の産業・文化が広く西欧に紹介される時代が到来し、浮世絵もまた海を渡り、西欧の人々に称賛をもって迎えられた。極東の小さな島国で、こんなハイクオリティなフルカラーの印刷物を庶民が気軽に買って楽しむ、日本のものづくりの技術と文化水準の高さに、世界が驚嘆した。特に浮世絵から大きな影響を受けたのが、クロード・モネ、ヴァン・ゴッホであった。歌川広重の青の色使いは、新鮮であり、西洋の人々が「ヒロシゲブルー」と呼んだ。


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