智和輪 テキスト

607年に遣隋使として中国に渡ったことで知られる小野妹子は、池坊華道の道祖とされている。妹子は晩年仏道に入り「専務」と名を改めた後、聖徳太子が創建した六角堂に入った。そして専務が仏前に花を供えたことが、華道の根源になった。以来、家元は「専務」の「専」の字を名乗り、妹子の精神を受け継いでいる。妹子の墓所が大阪府南河内郡磯長村(現・太子町)の科長神社の西南の丘陵地に存在することが判明したのは、四十三世専啓宗匠の時代である。池坊では小野妹子の命日とされる6月30日、毎年墓前祭を執り行い全国から多数の門弟の方々が参拝される。

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