智和輪 テキスト
後白河院は上皇、そして法皇として院政をはじめ、二条、六条、高倉、安徳、後鳥羽天皇の5代に及び院政を敷いた。二条天皇、平清盛、木曽義仲らと対立するなどして何度も幽閉されるが、すぐに復権しては政敵を滅ぼした。権力維持のためには、平清盛から木曽義仲、源義経、源頼朝と後ろ盾となる武士を次々に替えながら、時には対決し、時に妥協しながら、その危機的な状況をかいくぐった。その老獪な処世術を源頼朝は「日本第一の大天狗」と揶揄した。激動の時代を生き抜いた権謀術数の持ち主で、その手腕によって政局に一応の安定をもたらせた。
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