智和輪 テキスト

藤原彰子は988年(永延2年)、藤原道長の長女として誕生。道長は政治の中枢で絶大な権力を握っていたが、自分の地位をさらに強固にするため、長女の彰子を強引に一条天皇に入内させた。一族の繁栄が第一だった父と違い、公平で正義感の強い女性だった。やがて後一条天皇、後朱雀天皇の母となり、政務や人事を後見するまでになった。大臣達の行動を冷静に見つめ、権力者に媚びるだけの人物か、信頼に値する人物かをしっかり見極めていた。天皇家と藤原摂関家の家長として政治力を発揮。道長の跡を継いで摂政・関白となった藤原頼通は、いつも姉の彰子を頼りにしていた。

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