人学塾 智和輪

「有為」から「無為」への移行。世の中の多くの行為は、結果を期待して行う。それが悪いわけではないが、満足感はなかなか得られず、かえって多くの苦悩が伴う。苦しみは、思い通りにしたい人生と、現実とのギャップから生まれる。地位、名誉、財産など、成果を求める有為(迷いの世界)の生き方から離れて、無為(平安の世界)に生きる。出家における仏道は、悟り(果)を求めて修行(因)を行わない。それを追い求めることは有為の世界の在り方で、悟りを求めず、ただ修行するのが無為である。道元は、坐禅において悟りを求めない只管打坐(余念を交えず、ただひたすら坐禅すること)を強調した。

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