人学塾

「互尊翁」として知られた野本恭八郎は、商人として身を成したが、郷土のため、社会のため、ひいては世界平和のためにその生を全うすべく「互尊思想」という独自の思想を唱え、私財のすべてを互尊文庫建設に投じた。「互尊思想」とは、宇宙で唯一の存在である自らを尊ぶ(独尊)とともに、他人も尊重(互尊)して幸福な社会を築こうとする思想である。互尊文庫が完成したとき、恭八郎は「私は図書館を寄付したのではなく互尊文庫を寄付したのだ」と言った。それは、「自己を研鑽し、社会に奉仕できる人間を作る場が図書館であり、それが互尊文庫である」という考えから来るものであった。

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