智和輪 テキスト

智泉大徳は、讃岐出身の平安時代の僧で、空海の甥にあたる。常に空海の側近として苦楽を共にし、真言宣布の事業を助け、空海十大弟子のひとりとなった。天長2年(825年)、智泉大徳が37歳で高野山東南院にて入寂した時、空海は次の文を残している。哀しい哉、哀しい哉 哀れが中の哀れなり
哀しい哉、哀しい哉 悲しみが中の悲しみなり
哀しい哉、哀しい哉、復哀しい哉
悲しい哉 悲しい哉 重ねて悲しい哉
悟りを開けば この世の悲しみ 驚きは すべて迷いの生み出す幻にすぎないことは わかっていますそれでも あなたとの別れには 涙を流さずにはいられません
『亡弟子智泉が為の達嚫(だつしん)の文』

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