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脳腫瘍の愛猫との1年間のお話 12

一刻の猶予もないことを悟った私はかかりつけ医に電話をし、高度医療センターへの直接の連携を依頼した。相談のためにもう一度動物病院を訪ねる猶予はないと判断したのだ。と書けば格好が良いが端的に言えば精神的に追い詰められていたのだ。かかりつけ医はまだ躊躇していたが、最終的には
「わかりました。そのセカンドオピニオンの先生のご意見を信じるとともに、飼い主の判断を尊重します。」
はっきりとした言葉は覚えてないがこのような趣旨であったと思う。すぐに高度医療センターにべべのデータを送ってくれ、翌日にMRI検査のアポを取ってくれた。

高度医療センターか。。。不安だ。ぐったりとして動かなくなったべべを一人で病院に連れて行かねばならない。冷静に考えれば分かる話なのだが、すでにべべに病院で暴れる元気はないだろう。しかし、長年、つもりに積もった動物病院に対するトラウマと看護疲れでなんだかパニックに陥ってしまっていた。

私は酷い精神状態から泣きながら母に電話してしまった。後になっていらない心配をさせたと反省したが、どうにもこうにも一人でこの状況を抱えきれなかった。しかし、母の
「あんたしかべべを連れていく人はいないんだから、気を強くもって。べべを助けてあげないと。」
という叱咤激励により自分を奮い立たせ、覚悟を決めることができたのだ。


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