焚き火の中の向こうの前世の記憶
ある朝のこと。
ふと手に取ったタンスの中の靴下のモスグリーン色がいいなと思った。
何となくただ手頃な値段にひかれて買っただけの靴下だった。
いつも靴下はローテーションして履いている。その日からモスグリーンの靴下を履いた日は、一日気分がよくなった。
それからまたしばらくして、同じようにちょうどいい値段だったダウンコートを買った。その色もモスグリーンだった。
その日からモスグリーンのダウンを着て仕事に行くのが楽しみになった。
そうしているうちに身の回りの物たちがやたらミドリに染ま