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入院(2日目) ガンマナイフ

ガンマナイフ当日

病院が乾燥してるからか、クーラーにあたりすぎたのか、喉の痛みに加えて、鼻まで詰まりました。
薬で眠らされたら、確実にいびきをかきそう 笑

今日は朝食ナシですが、アレセンサは飲むように指示がありました。
また、服用後は水分もとらないように、とのこと。

「出発は9時なので、その前にルート確保しますね」

点滴…。ヤダなー。
運がよければ、最初で最後のガンマナイフ。
だったら寝てないで、意識はっきりした状態で治療を受けたいよぅ。
器械の中、見てみたい 笑
照射中、どんな感じなのか知りたい!

というか、9時出発なら、8時50分頃に点滴打つのじゃダメ?(往生際が悪い)
2時間も前に、ルート確保しなきゃダメなの?
早いよぅ。やだよぅ。

看護師さんが刺す準備をします。
私よりも、看護師さんの方が緊張してる。ゴクリ。
「血管、細そうなのでコレで」
22Gと書かれた針。
気管支鏡検査の時と同じような場所に看護師さんが刺します。
確か、あの時は、24だったような…。

「刺しますね。チクっとしますよ」
「はい」

うん。痛い…。痛いです。
昨日の看護師さんなら痛くなかったかも。
だけど、今朝打って欲しいとお願いしたのは私なので、我慢します 笑

「良かった。入ったー。刺すときは針ですけど。今はプラスチック?が入ってます」

抜き取った針をまじまじと見ましたが、長い…。

テープで固定されました。
(入院時は、固定テープに「22G 日付」と書くんですね)
痛い。テープで引っ張られるから痛いのか。
とりあえず、痛い。痛いぃ…。
その内、慣れるのかなぁ。
少しでも腕を動かすと痛いので、ベッドに横になり、じっとしてました。

暫くすると、主治医が来られました。
動くと痛いので、寝たままで失礼します…。
先生に「おはようございます」って挨拶するの、なんか変な感じ 笑

「眠れましたか?」
2時間くらいは眠れたので「はい」と答えます。

昨日のMRIの結果、右の腫瘍のみガンマナイフで叩くとのこと。
ってことは、一年後か二年後、左の脳腫瘍が大きくなったら、またガンマナイフする可能性あるのかなぁ。

8時過ぎ、看護師さんが点滴を持ってこられました。
「移動するときは、電源を抜いて、点滴も一緒に移動してくださいね」
点滴を繋ぐと、一気に病人になった気分です。
(ただの生理食塩水ですが 笑)

病室に事務員さんがやってきました。
「残念ながら、今日から一人部屋ではなくなります」
「あら。それは残念 笑」
今日からお一人、入院されるそうです。
冷蔵庫の電源を入れたり、テキパキと準備してました。

9時頃、ストレッチャーで地下3階へ。
ストレッチャーで運ばれるのは、約20年前に救急車で運ばれて以来。
(あの時は、意識が薄れていたのであまり記憶にない)

横になった状態で運ばれるなんて、重病人みたいです。
ストレッチャーは、意外とガタガタと振動するんですね。
(乗り心地はよくない 笑)

地下3階の天井には、太い管が脈々と張り巡らされてました。
何の管だろう?

放射線科の看護師さんが受け入れます。
「(固定は)3番目だけど、病室には戻らずそのまま照射します」
と、病棟の看護師さんに説明していました。

ストレッチャーに寝た状態で、廊下で待機します。
看護師さんが、髪を二つに結んで、前髪をピンでとめてくれました。

ガンマナイフ室が開くと、続々とお医者さんっぽい人達が中に入っていきます。
脳外先生が笑顔で挨拶してくれました。

(外来の時と違って、生き生きして、自信満々に見える。なんか外科医っぽい。え?ホントに同じ先生?面白いっ)

でも、何故、脳外科の先生なんだろう?
ガンマナイフは、放射線科の先生が担当かと思ってました。

先生は、病棟の看護師さんに「(治療時間の)予定は20分」と伝えてました。

中に運ばれて、身体を起こすように言われます。
(頭の部分が曲がるタイプのストレッチャーなのかな)

脳外先生が点滴にお薬を入れました。
直後から、身体がふわふわ、視界がゆらゆらしてきました。

「頭を消毒しますねー」

……

「終わりましたよ」

多分、脳外先生がそう声をかけてくれた気がします。
消毒された以降の記憶が全くない!

「終わりました」と言われた後、ストレッチャーに移動させられてるような感覚は分かりました。
なんとなく頭の器具が外されたような記憶もあるような、ないような…。

脳外先生が次回の予約について質問してきました。
とりあえず答えますが、全然頭が回らない。
後から「あー。もっとちゃんと候補日言えば良かった」と後悔。
(変更できるかな) 

あの状態で質問されたら、普段なら誤魔化すことも、うっかり正直に答えてしまいそう。
自白剤みたい…!
お薬で眠らされるの、怖い…笑

その後、病棟の看護師さんが病室まで運んでくれました。
看護師さん二人で、ストレッチャーからベッドに移動させます。 

「看護師さんの腰が痛くなりそうですね」
「大丈夫ですよ。引っ張るだけだから」

こんなデカイ人間を、か弱い女性二人で動かすなんて、大変そう。
身体が大きくて、すみません。

ベッドに横になってると、頭痛と吐き気がしてきました。

先生は「すぐに日常生活に戻れる」って言ってたのに。あれれ?
今日は午前半休、午後リモートワークで申請してるのに。
午後までには起きられるようにならないと。

ぼーっとしてると、看護師さんが「お昼ご飯、やめておきますか?」と声をかけにこられました。

「今、何時ですか?」
「11時30です」

え…。もう2時間も経過してるの? 早っ。
仕事は13時から。あと1時間程で頭をしっかりさせるにはー…
正直、食欲もなくムカムカしますが、無理やりにでも食べたら身体が起きるかなと思い。
嘔吐したらしたで、それは身体が目覚めるからいいし(乱暴)
食べるか…。

看護師さんに「移動する時は声をかけてくださいね」と言われました。
ならば、点滴が終わるまで歩かずに、看護師さんは呼ばないようにしよう。
どうしてもの時は、看護師さんが来られた際に動こう。

お昼ご飯を完食し、スマホでテザリングしてパソコンを起動させます。
うん。繋がる。電波悪くない。良かったぁ。

若干ふらふらしますが、ご飯も食べられたし平気ってことで。

でも、仕事していると、頭痛が激しくなってきました。

(あれ? オカシイ。一点見る作業がダメなのかな? 身体を起こすのがダメなのかな。痛い。横になりたい)

その時、担当医が「変わりないですか?」と来られました。

(我慢できる範囲だから、言わなくていっか)
「頭痛も吐き気もないです」と答えます。

「何か処方してほしいお薬、ありますか?」
「じゃあ…。いえ、いいです。大丈夫です」

鉄剤を頼もうかと思ったのですが、ダメって言われそうな気がしたので、頼むのはやめました…。

その後、点滴が終わり、やっと抜いてもらえました。
自由に動ける! やったね。

今日から入院された方(Fさん)が、看護師さんとお話されている声が聞こえてきました。
いびきをかかれるのを気にして、個室に移った方がいいかしら?と、仰ってました。
気にしないで下さいって、お伝えしないと…。
でも、入院時、同室の方とはどう接したらいいんだろう?
流儀が分かりません 笑

今からお風呂に入られるみたいなので、ベッド近くまで行って
「ご挨拶遅くなりました。点滴が繋がってたので動けなくて…」
と言い訳しつつ 笑
「私、今日はお風呂に入れないから、時間気にせず、ゆっくり入って下さって大丈夫ですよ」
と声をかけてみました。

「ご丁寧にどうも。いびきかいてうるさくしちゃったらごめんなさいね」
「全然!気にしないでください。私の方こそうるさくしちゃったらすみません」

お風呂の後、カーテン越しに、夕食までお話しました。
正直、ずっと頭痛がしていましたが、Fさんとお話しすることで気が紛れて、助かりました。

Fさんは、腎臓の病気で、1週間後に手術するそうです。
どうか成功しますように。
お子さんやご主人のお話、昔話等、沢山お話してくれました。
また、先生達の有益な情報もくれました 笑

「◯◯科の先生はイケメン揃いよ。担当の先生は、俳優の○○さんに似てるの」

「△△科の先生達は、皆さん、シュッとしててカッコいいの。素敵よー」

えー! そんなカッコいい先生達がいるんだぁ!
見てみたーい。

「だったら、私も、△△科が良かったです 笑」
「何の病気なの?」
「肺の方です」
「喘息? 肺炎?」
「肺がんです」
Fさんの病気が深刻そうじゃなかったら、適当に誤魔化すつもりでしたが…。
(なぜ頭に包帯巻いてるんだ?とツッコまれると、アウトですが 笑)
Fさんは、病気のことで気落ちされてるようなので、誤魔化すのはやめて、正直に答えました。
きっと大丈夫! なんとかなりますよ!
と、伝わればいいかなぁ、と思って。

同室の方が、同じ肺がんでなくて良かったなと思いました。
以前「ALK融合遺伝子の人が羨ましい」と呟いている肺がん患者さんがいました。
気持ちは痛いほど分かります。

上からかよ、と思われるかもしれませんが、やっぱり、遺伝子検査が陰性の方の前では、アレセンサを服用できていることは、後ろめたい気持ちになるだろうから。
Fさんが、肺がんでなくて良かった…。
それに、もし、自分より状態の悪い肺がん患者さんと同室だったら。
それはそれで、どう接していいのか分からないですし…。

もし、同室の方がいるのなら、(言い方悪いかもですが)自分よりも生存率の高い病気、私よりも長生きできる可能性のある人だといいなぁ、と思ってたので、本当に良かったです。

ガンマナイフ後、頭は包帯でぐるぐる巻かれています。
こんな姿でウロウロしていたら、すれ違う人がぎょっとするだろうと思い、売店に行くのは、夜まで我慢してました。
19時過ぎ、人が減ったかなと思い、一階へ降りてみました。
七夕飾りには灯りが。
昼と違って、夜も綺麗です。

こんなに人の少ない病院は、初めてです。
せっかくなので、ちょっと探検 笑

外来へ続くところは、防火扉?が閉まっていて行き止まりでした。
が、階段はいつものように登れました。
二階を覗いてみましたが、なんだか怖くなって、すぐに逃げました 笑

けれど、歩いていると、頭痛が激しくなってきました。
頭が割れるような痛みに、思わず顔が歪みます。

(い…痛い…。あれ? 動くとこんなに痛むの?
 明日、退院なのに。帰れるだろうか?
 明後日から出勤なんだけど。出勤できるの?)

急に不安になり、売店で水を買って病室へ戻りました。
身体を横にしても、頭痛が治りません。

(あ…。これは…危険? でも、まだ我慢出来る…)

看護師さんがアレセンサを持ってきました。
頭痛が気になったので、
「明日でいいので、頭痛薬、処方してもらってもいいですか?」
とお願いすることに。

「今でもいいですよ」
「我慢できるので、明日で大丈夫です」
「我慢しなくていいですから」

看護師さんが先生に連絡とってくれました。
(すみません。迷惑かけてしまいました)

数分後、「先生が前もって、頓服として処方してくれてました」と、持ってきてくれました。

どうしても我慢できなくなったら飲もう…。
痛み止めは、限界まで飲みたくない。
今、痛み止めを飲んでしまったら、末期になった時、薬が効かなくなるのが怖い。
「痛い、痛い」って言いながら死ぬのは、いやー!
それだけは避けたいっ!
だから今は、出来る限り、お薬は飲まないでおきたい。
我慢、我慢。
私は、意外と痛みには強いから、この程度ならまだ全然平気、平気!
テーブルに置かれた痛み止めを眺めながら、朝が来るのを待ちました。

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