閑話(8) 2つの顔をもつU駅

T大病院へ行く時は、U駅を利用します。
U駅の上には、公園のような広場があり、春は、桜の写真を撮る観光客で賑わっています。
また、広場のすぐ側には、交番があり、警察官が数名常駐しています。
なので、とても安全な場所だと思います。

昔、仕事の打ち上げ帰りのことです。
私は、お酒を飲むと、シメに甘いモノが欲しくなりますが、その日は、注文できずに解散。
そんな時は、帰宅してから甘いモノを食べるのですが、この日はどうしても我慢できず。
今すぐ甘いモノが食べたくなり、コンビニでアイスクリームを買いました。

(U駅の広場なら、座る所くらいあるかも)
と、アイス片手に広場へ向かいました。

広場には、男性、女性がそこかしこにいました。

(皆、何してるんだろう?)

ちょっと昼間と雰囲気が違うなーと思いながら、アイスクリームを食べているとー…。

一人の男性が近づいてきて、声をかけてきました。「いいですか? 幾らです?」
(え??  値段? 何の??)

瞬間、周囲の女性たちから、鋭い視線が向けられました。

(私が持ってるモノで、値段が気になるモノ??)「このアイスですか?」
「あ、違いました? すみません!」

そう言うと、その男性は、そそくさと立ち去りました。
その場にいる人達からの異様な視線に耐えられず、私も、アイスをさっさと食べて、立ち去りました。
(アイスは最後まで座って食べたかったんです 笑)

翌日、会社の人にその話をすると、
「ダメよ!そんな危ない所、一人で行っちゃ。
 アイス食べたいなら、次からちゃんと言って。
 いくらでも付き合うから。危ないんだからね」 
と、お叱りと、どんな場所なのか説明を受けました。

私、売春婦と間違えられたんですね。
びっくりです。
色気もない、こんなブサイクな私に声をかけるなんて。
蓼食う虫も好き好きなのか。
暗かったから、見間違えたのか。
(きっと後者だな 笑)

「150円です」
と、知らずにアイスの値段を言ってたら、エライ目に遭うところでした。
危ない、危ない。

外見的魅力も内面的魅力もなく、性格も顔も悪い私は、女性としての値打ちは、ゼロ円です。

もし、私が、若くて綺麗だったら、流行りのパパ活でも、愛人でも、なんでも出来ただろうに。
治療費なんて、簡単に幾らでも稼げたのに。
残念!無念!

…いや、でも、やっぱり、性格的に無理かな。
身体以上に心が、魂が穢れそうで、売春とか難しそう。
でも、背に腹はかえられぬ状態になったら、覚悟を決めてやれるんだろうか。
それだったら、死んだ方がマシってなりそう。
うーん…。
でも、一度覚悟を決めて飛び込めば…。
いやでも、やっぱり厳しい…。
って、そんな機会ないから。
今のところ、悩まなくてよろし 笑

でも、愛人を稼業にしている人は、すごいと思います。
若くて綺麗でスタイルが良くて。
でも、それ以上に、愛嬌と気遣いと思いやり、癒やし。話術。頭の回転の良さ。
全てを標準装備してないと、出来ないことだと思います。
私は、全て欠落しているので、愛人を稼業に出来る人は、本当に尊敬します。
愛人稼業の方と、お話してみたいなぁ。
勉強になりそうです。

しかし、U駅広場は、警察官がすぐ近くにいるのに、何故、売春交渉みたいなのが、堂々(?)と行われているんでしょう?
昼間は安全ですが、夜は危険。
そんなU駅を、今も利用しています。

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