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シェークスピアの名言にスキ♥️

『不実な友を持つくらいなら、むしろ敵を持つがよい』

私たちは学校、会社、団体、サークル等で人間関係を築いていきます。その中でも、特に親しくなった人と友人関係になります。
ご飯を食べに行ったり居酒屋で酒を飲みながら気心が知れた者同士が、同じ会社の上司や同僚の悪口を言って酒がすすみ、羽目をはずしたりします。

人の悪口が楽しいのは、確実に共感してもらえることを前提に、共通で分かりやすい話だからです。

自分が読んで面白かった小説や最近上映されて面白かった映画の話をしても、人には好みが違いますから、仮に話しても肩透かしをくらった方も多数いるはずです。

しかし、気をつけたいのは酒を飲んだ勢いで余計なことを言ってしまうことです。『口は災いの元』です。

上司の文句は楽しいものです。『部長は何で能無しなのに、取締役までなれたんや』とか『支店長のくせに全然仕事をしないくせに人の仕事の文句ばかり言いやがって』など社員全員が常々言っていることは安心して、酒の席でも言えます。

しかし、調子にのってあまり知られていない上司ネタを酒の席だからといって、失敗した方もいるのでは、ないでしょうか。
何故なら、その文句を聞いている友人が上司と通じている場合もあるのです。
気心がしれていても、自分の利益を優先する人はザラにいます。

私が失敗したのは、ある先輩の悪口を同僚数人に会社の休憩所で『何で○○さんはいつもイライラしとんかね。金に余裕がないからやろうね。あれだけイライラしていると気分が悪いね』と言っている最中に後輩の1人が私の方を見て異様な目でうったえかけました。
すぐに後ろを振り向くと本人がいたのです。
『松永の言う通り、金に余裕はない。でも、そんなにイライラしとるか?しとるなら気をつけるわ』と意外に素直な先輩でした。しかし、周りの空気は凍りついていました。

話がそれましたが、本当に自分の気持ちを理解してくれる友人を皆さんは何人いるでしょうか。
私は1人いれば十分だと思うし、多くの人も2、3人くらいではないでしょうか。
飲みに行ったりカラオケに行ったり、旅行をしたり、レジャーを一緒に楽しむ友人は、多くの方がいらっしゃるだろうけど、その中の人に何でもつつみ隠さず話せる友人はいないのではないでしょうか。

シェークスピアはそれを『不実な友』と言っているのだと思います。

『不実な友を持つくらいなら敵を持つ方が良い』の何故、敵の方が良いのでしょうか。

現代の平和な日本で敵とは、自分に不利益をもたらす人というのが適当でしょうか。
しかしながら、人間関係は古来から『昨日の敵は今日の味方』という諺があるように敵が味方になった歴史は数多くあります。
戦国時代では昨日まで戦っていた相手と和睦して味方になるパターンのオンパレードでした。その逆もしかりです。

豊臣秀吉は徳川家康と小牧長久手の戦いをして和睦して同盟を結びますし、豊臣秀吉と柴田勝家は同僚であったにも関わらず本能寺の変で織田信長が死去すると、賤ヶ岳の合戦で戦います。

シェークスピアが言う『むしろ敵をもつが良い』という言葉の真理はどういうものでしょうか。

日常生活で不利益をもたらす相手は平たく言えば、迷惑をかけたり嫌がらせをしてくる人のことです。
それと、考え方の違いや性格の不一致も含まれますね。

不利益をもたらす相手は、もしかしたら自分もその相手に対して何か気にさわる事を言ったり、仕事上自分も気づかないところで相手に不利益をもたらした可能性があることは否定できません。
何も相手にしていないのに悪意をもたれることはありません。

でも、やはり人間関係がこじれるのは仕事上で利益がからんできた時だと思います。

サークルであれば、どうしても気が合わない人がいて、それがストレスになるのなら辞めてしまえばいいわけです。

しかし、仕事は辞められません。嫌な人がいて辞めたい、と思っても生活に困るし、『だいいち、何でアイツのせいで俺が辞めなくてはならないんだ。ここで辞めたら俺が負けたことになる』と思って逆に意地をはります。

そして、嫌いな人というのは劣等感に火をつけてくれます。
私の会社でもみんなから嫌われている運転手がいます。
自分の給料のためなら、人の仕事の邪魔をしてでも自己中を貫こうとする人です。Bさん(52歳)としておきましょう。
もちろん、相手にしていたら喧嘩になるのでみんなも私も相手にしていません。しかし、このBさんはベテランで仕事は早いのです。だから、社員も能力は認めている人は数人はいます。

私も能力は認めていますが、自己中だけは我慢できない時があります。
しかし、『仕事上負けたくない』という感情が異常にわき上がるのです。

哲学者の三木清も同じ会社の人間は利益が絡んでくるので、本当の友情を築くのは難しい、と言います。

しかし、会社という場所はチームメイトであると同時に戦いの場所だということをプロ野球選手たちが良い例で示してくれています。

今、プロ野球は開幕戦前のオープン戦が行われていますが、選手たちの立場から想像すると、ペナントレースでの試合より、オープン戦こそが本チャンだと思います。
何故なら、オープン戦で良い結果を出さなくてはレギュラーとして使ってもらえないからです。

だから、プロ野球選手の本当の敵はチームメイトだと思います。
何より嫉妬の感情がわき上がるのは、会社員でも、同業他社にではありません。
より関わっている身近な存在に対して嫉妬はおこります。

そして、身近な人により反骨精神は起こります。
シェークスピアが言いたかったのは、自分のためにならない、成長のさまたげとなる馴れ合いの友人より、敵の方が自分をたくましい人間にする力がある、という事を言いたかったのだと思います。





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