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2024年問題の現場では!

現場の人間としての願いと、これから起こるであろう物流の動向を書き連ねようと思っている次第です。

アップしている写真は1800個ほどのバラ積みです。
一昔前までは、バラ積みは当たり前でしたが、昨今ではカゴ台車輸送やパレット輸送が主流になってきています。

その理由は時短ですね。1日の労働時間を制限されているため、作業時間を減らすというものです。

しかし、今までバラで満載に積んでいたのを、パレット、カゴ輸送にするため当然、積載効率は悪くなり1台のトラックでまにあっていたのが、2台必要になってきます。

しかし、以前は個数や積載量で運賃が算出されていたので、バラ積みの方が運賃がよかったのです。

ところが、昨今では1台に対して5万とか10万といったように、パレットだろうが、バラ積みだろうが、同じ運賃になっているようです。後は、距離によっても運賃は変わってきます。

すると、当然、楽なパレット、カゴ輸送をしたくなる運転手が増えてきます。

私は以前、8月の1番暑かった日に17トンほどの荷物を積んで熱中症になり救急搬送されました。積み込み時間は5時間ほどかかっていました。

これが10トン車にパレット輸送の積み込みだと、リフト操作の速さにもよりますが、16枚のパレット荷物を15分ほどで積み込み完了です。

これではバラ積みは誰もしたくありませんね。しかし、そうでもないようです。

会社によっては、バラ積み1回につき3000円の手当てが支給されるようです。

九州の運送会社は距離的に関西とくに大阪まで輸送しているようですが、月に8回から11回走っているようです。仮に10回バラ積みをすると月に3万円の手当てとなります。

このように、いくらきついバラ積みの仕事でも、お金が発生するとモチベーションは上がります。

話は変わりますが、そもそも何故、政府は物流に影響を及ぼす2024年問題を断行したのでしょうか。

昨今では、すでに労働時間の短縮は、5年ほど前から行われていて、高速道路での通行止めは激減していると思います。

事故の懸念より、運転手不足による物流の低下の懸念の比率の方が多いかもしれませんね。

私の働く会社でもベテラン運転手は、65歳をすぎた人が増え、ターミナル内での仕分け業務に従事しています。

その減少に伴う人員の確保が難しい状況です。
そもそも、トラックの運転手という先入観が強すぎるのです。
『きつくて、事故を起こす可能性があって、それで給料が安い』とあっては、なかなかしたいと思う人は少ないでしょう。

しかし、物流の要である運転手はなくてはならない仕事です。

製造業の方々が作った物資を運ぶ人がいなければ、消費者の元に届かず本末転倒します。

元々、運転手の減少を加速させたのは、政府による免許制度の改定でした。

私が大型免許を取得した26年前は普通免許を持っていれば、すぐに大型をとれました。

しかし、それ以後は、普通、中型、大型というように、よりお金と時間を使って大型を取得していたのです。

今は普通を持っていれば、以前のように大型を取れるようになったそうです。

おそらく、政府も『このままだと運転手がいなくなる』という試算を鑑みて、ようやく重い腰を上げたのでしょう。

今回の政策はトラックやバス、タクシーの運転手の賃金の底上げのようです。

少子高齢化によっても、ますます運転手不足は加速します。
いずれは、自動運転の車が運転手なしで、荷物を運ぶ時代がくるのでしょうけど、30年は先の話ですね。

またまだ、運転手の力が必要です。そのためには、正規の運賃を荷主からもらわなければなりません。

しかし、運送会社の立場は低いのです。運賃の交渉で折り合いがつかなければ、仕事がなくなります。

2024年問題の主旨はここにあると思います。
立場上弱者の運送会社にお上から救いの手がさしのべられているのです。

と言っても政府が苦肉の策をとったにすぎません。
物流難民を防ぐために、運転手の賃上げをして運転手不足を補おうということです。

しかし、当面はまだ賃上げはなされないので、仕事量が減った小規模の会社は倒産があいついでいるようです。

私の勤める会社も、来年には大手の会社と業務提携して、合併するみたいです。

しかし、日本という国は労働力しか海外に売るものがないから、死ぬまで働き続けなくてはなりませんね。

サウジアラビアなどの中東諸国では、国営企業で5年働けば、一生食っていける金を手にすることができる、といいます。

しかし、いずれ石油はようなしになって、電気の時代になるから、結局は日本人のように働かざるをえなくなります。

小説家の武者小路実篤は著書『人生論
愛について』の中で、人間は仕事をするために生まれてきた、と断言します。
人類が未来永劫存続するには、それぞれが役に立つ仕事をし続ける必要がある、と説いています。

ユダヤ人と日本人に共通する1番のポイントですね。

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