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ゲーテの名言にスキ❤️

『人間こそ、人間にとって最も興味あるものであり、おそらくはまた人間だけが人間に興味を感じさせるものであろう』


『ヴィルヘルム.マイスターの修業時代』の中の一節です。

私たちが読書を楽しむのは、ただ単にその物語の構成や謎を追及するだけではありませんね。

基本的に小説は、主人公が出会う困難にどのように向き合い、どう対処するかです。
恋愛小説、冒険小説、推理小説、伝記小説、どれもに謎があり、主人公の考え方、行動の在り方に共感させられたり、反感させられたり、様々な人間像を見ることができます。

『事実は小説より奇なり』とイギリスの詩人バイロンは言いましたが、一般人にとって日常生活で怪奇な現象に出会うことがありません。政治家や弁護士、裁判官、警察官や多くのお金を動かしている人でなければその名言を実感することは難しいでしょう。

だから、小説で人間が繰り出す事象に興味を持つのだと思います。

書き手も、物語を創るに際して、たくさんの物語を参考に築いていくわけですが、自分の経験なくして物語を創ることなどできません。物語の中で演じていくキャラクターは、筆者がこれまでの人生で出会った人を中心に、着色して主人公や脇役が形成されていくと思います。

自分が出会ったことがないキャラクターや聞いたことがないキャラクターを描くのは、そんな人物にどう対処したかという経験がないから感情表現に困ってしまいます。

読み手側も、人間に興味をもっているからこそ、本を手にとって主人公に感情移入しながら物語を擬似体験するわけです。

小説で人間を描かないものはありません。リチャード.バックの『カモメのジョナサン』や百田尚樹さんの『カエルの楽園』では人間ではありませんが、擬人化されています。

人間が動物に興味を示すのは、ペットや可愛い動物、生態系が面白いところ、それと、イルカや猿などの知的動物くらいですね。

人類の大昔からの夢である空を飛ぶことについても、鳥を羨むことはあっても妬みまではしません。

ゲーテが言うように、同じ人間に対してだけは異常な好奇心を抱くのは、人それぞれが同じ人間であるにも関わらす、性格も違うし、顔も違う。それに何より能力がみんな違うのです。

世の中にある数多くの職業を日々こなしている方々は、その道のプロフェッショナルですね。
自分の能力を伸ばすために、違う道を極めた人の習得技術から学びを探りだしています。

今年から、メジャーリーグにデヴューした山本由伸投手は、投球練習にボールではなく、陸上の槍投げの槍を使ったりしています。

やはり、自分とは違う能力を持つ人に興味を抱きます。

noteのクリエイターさんたちが書く記事も面白いものであふれています。
小説やエッセイでは見られない記事もたくさんあるし、しかもよりリアルで学びになります。

人間が能力を身につけようと思うと、頭脳と体力の2種類しかありません。
しかしながら、体力は30~40歳くらいが全盛期で、40歳をすぎてからいくら努力をしても、身につきません。現状を維持するのが関の山です。

ところが、頭脳だけは死ぬまで伸ばすことができます。
大器晩成という言葉が示すように、頭脳は逆に年をとってからの方が味が出てくるように思います。

ヴァイオリニストやフィギュアスケーターは、若い時期にしか活躍できないと言います。

しかし、文章を書くこと、弁論する技術は死ぬまで向上しつづけます。

だから、noteのクリエイターさんたちが、小説家を目指されると思います。

小学生、中学生の時にあれだけ夏休みの作文の宿題を嫌がっていた私たちが、自ら好んで書いている理由が、まさしくゲーテの名言に集約されているのです。

人間に興味があって仕方ないから、インプットするし、アウトプットしたいのだと思います。



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