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こんな日もある



今日の朝は、利用者さんの不穏からはじまった


ここ数日、食事を拒否したり部屋に籠ったりしていた方が

早朝から1人でデイに降りてきて不機嫌を撒き散らしていた


職員が部屋に戻るよう促すが、

「帰らへん!ほっといて!あっちいけ!」と叩きだす


こんな空気は、認知症の方や精神的に不安定な方に伝播し易く

普段穏やかな方が不安定になって怒り出したり

職員の焦りも重なって、負のスパイラルが始まってしまう


バタバタする空気は不安と不穏を再生産するし

応援を頼む職員の声にも全く余裕はない


つられて慌ただしく動きそうになるが

こんな時こそ、平常心


あえて、ペースを落としてゆっくり話し、大声で出る不満にも

笑顔で返答、焦っても、走らないことを心がける


1日通してこんな状態だと

さすがに疲弊してしまう


事故なく怪我なく過ごせたことでホッとしていても

ついつい愚痴がついて出る


いつもなら前向き思考の切り替えるよう提案する代表に

「こんな日もあるよ。1年のうちに何日かはこんな日が必ずあるから」

と言われた


問題があるとそこには原因があるので確認したくなるし

同じ失敗を繰り返さないために、次の手を考え出すけれど


寒さや年末年始の慌ただしさ、家族の訪問有無によるストレス

こんなどうしようもない原因については

諦めて、受け入れて、静かに乗り切るしかない


ゆっくり手を握り

不安で怒ってくる利用者さんの背中をさする


そして、口に出してみる

「仕方ないよね、こんな日もある」


こんな日は、あまり深く考え込まずに

明日を楽しみに待つとしよう

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