『声優界の美空ひばり』パイオニアとしての林原めぐみさん。

林原めぐみさんは、声優・歌手として、
長年、声優界を牽引してきた方である。

『エヴァンゲリオン』の綾波レイ、
『名探偵コナン』の灰原哀、
『ポケモン』のムサシ役と言えば、
分かりやすいだろうか。

林原さんは、声優界で初めて、
個人名義でオリジナルアルバムを
発売した声優である。

きっかけは、
あるキャラクターソングのレコーディングの
様子を見た、音楽プロデューサーの方が、
物怖じせず、堂々と歌う林原さんに、
今までにないものを感じ、
オリジナルアルバム制作を決めたという。

それまでの声優さんは、
役者でありながら歌をうたうのは…という、
消極的な部分があったそうだが、
林原さんは違った。

『夜明けのshooting star』という、
キャラクターソングを、高熱を出しながらも
堂々と、しっかり歌う姿に、
そのプロデューサーさんは賭けたのだ。

レーベルこそ、声優さんが数多く所属する
ところだったが、
オリジナルアルバムは、異例のヒット。

以降、林原さんが出すアルバムは、
オリコンチャートの常連となる。

林原さんは、声優だけあり、
曲によって声を変えて歌える。

その曲に、一番合った声、歌い方で
歌えるのが強みだ。

加えて、歌の上手さ。

声優養成所で、発音の基礎を学んでいるので、
声が通る。

林原さんは、声優ブームの火付け役と
よく言われるが、
オリジナルアルバムを出し続けたことが
大きい。

並行して、キャラクターソングも
歌っており、
歌える声優としての地位を確立していく。

作詞も手掛けており、
『まつりうた』という曲の歌詞は、
音楽の教科書に採用された。

それまでになかった、オリジナルアルバムの
作成、作詞を手掛けるなど、
音楽の面では、声優界のパイオニアである。

それに続いた、若い声優達が、
成功を収めている。

今は、声優も、ルックスの良さや、
歌唱力を、演技力と同じくらい求められる。

それを、どれも高いレベルでクリアしてきたのが、林原さんだ。

同じく声優の、山寺宏一さんは、
林原さんの演技について、
「こうくるだろう、という予想を、遥かに超えてくる」
と語っている。

デビューから30年以上、第一線で活躍していることが、全てを物語っている。

誰でも、やったことがないことをやれば、
出る杭は打たれるで、批判も浴びる。

しかし、林原さんは、歌い続けることを
選んだ。

林原さんが道を作り、その後を後輩が追う。

その最たる人物が、椎名へきるさんだろう。

しかし、残念なことに、
椎名さんは、声優業は次第に減っていった。

その点、結婚、子育てで、出演数は減ったが、しっかりとレギュラー番組を複数持ち、ラジオ番組も長く続けている、
林原さんは、後輩の良きロールモデルだろう。

道無き道を切り開いていった、林原さんは、
後輩達から、尊敬を込めて、こう呼ばれる。

『声優界の美空ひばり』と。