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植物は回る。

佐々木正人の『レイアウトの法則:アートとアフォーダンス』を読んでいます。

この本の第1章で、チャールズ・ダーウィンが『パワー・オブ・ムーブメント・イン・プランツ』(邦題『植物の運動力』)で明らかにした、「植物の微動」について触れてあります。

ダーウィンは「すべての植物の、あらゆる部分が、成長のどの時期にも少しずつ回っているという事実を確認した」というのです!

確かに。大根やニンジンとかを畑から引くと、ひげ根が根元から先端までスパイラル状に広がっているのがわかる。もちろん、朝顔などはわかりやすい。

で、植物はいろいろなものに囲まれている。土や石や、まわりの植物や、垣根。それから、光。そういういろいろなものにぶつかると、植物に備わっている回旋力は変形を被るのだと。

そういう話を読んでいたところ、雨が降ってきたので表に出てみた。ガマズミの茂みに何やらつる性のものが絡みついているのに気づいた。たぶん、テッセン。いや、実がテッセンのではないな。なんだろう。

よく観察してみると、めったやたらと絡みついているのではなくて、確かに回旋している。元のガマズミとの兼ね合い、自分の実の成り具合、もろもろの混み合い具合、光、風による揺れ。そんなこんなのレイアウトを渡り歩きつつ、この蔓植物は回っている。

今日の正午に、こんなカタチになっていることが、この蔓植物のまわりの履歴を物語っている。植物は周囲をそのカタチに刻印する。

人間は移動できるので、もっと複雑な知覚をカラダに刻印しているのだ。

よく、「あなたは食べたものでできている」とか、「あなたは読んだ本でできている」という言い方をするけれど、「あなたはレイアウトだ」と、唐突に言ってみることもできる。

レイアウトとは、あなたの周囲の肌理きめのこと。
さっきの絡まった植物群。
青い薩摩切子に入っていたヨーグルトが掻き出された跡。
重ねられた本の小口。
革のかばんのてり●●

そういう肌理は次から次へと連続してあなたに知覚され、世界を作る。

おおざっぱな理解ですが・・・。

レイアウトって、区切りのあるモノの、配置のことだと思っていました。
佐々木によると、レイアウトには輪郭がなく、入れ子状態なのだと。

うーん。むずかしくなってきた。
この本を3回くらい通読してみたいと思います。

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