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「空想 BATH ROOM」

連休の谷間の平日午後。晴れている。

鳥の鳴き声が、あっちでもこっちでも呼応しあっている。

宅急便の車が近づくのが見なくてもわかる。エンジンの音で。

ゴォォォ。飛行機が通っていく。かまびすしく、いろんな音が飛び交っている。

木々の新芽というか、新しい葉っぱが無上に美しい。アジサイの葉っぱ、木蓮もくれんの葉っぱ。テロテロした緑、誰にも真似のできない緑だ。

黒猫が横切って行った。彼(彼女?)はほんとに真っ黒な猫だ。のうのうと歩いて行く。僕もあれくらいのうのうとしていたものだと思う。

そういえば先日、「空想 BATH ROOM」という入浴剤を買った。大きな窓のそばで黒猫が流星群を見ているイラストが描いてある。黒猫くんの横顔が、どこか仔細しさいありげである。かわいい。「グッドナイト流星群」の文字も斜めに配してある。

で、裏を返すと「「空想 BATH ROOM」一日の締めくくり、バスルームはオンとオフを切り替える場所。香りとともに想像の翼を広げ、日常から解放された自由な旅をお楽しみください。」とある。コンセプト感が漂う。ボカロ曲のタイトルのようだ。つうても、まぁ、リラックスしてね、って程のことだが。

さっきから出てくる「空想」という言葉はいいよね。何か、あんまり言わなくないですか?くうだからね、ゼロだよね。ゼロ→イチだよ。

なんのかんの言っても、もとはゼロなんだ。それは清々しいあきらめ。では、そのくうにお世話になってみようか、という気になってしまう。

なんか、入浴剤としては使ってみれなくて、スマホスタンドに寄りかからせているんですよ、それに、「お風呂のティーバッグ」なんて書いてもあって、一体どういう状況なんだろう?


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