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「世界の中心でじぶんを叫ぶ」(いまから岡村靖幸を語らせて)

【追記🖋きょう12月1日は岡村靖幸さんデビュー33年目の記念日。おめでとうございます🎊】

きょう11月27日は、岡村靖幸さらにライムスターによる「マクガフィン」リリース記念日。
スパイ映画などで物語の鍵となる秘宝を、マクガフィンというらしく、ライムスターによるクールなラップとリリック、岡村靖幸さんによるパワフルなエレクトリックファンクが、リスナーをぐいぐい引き込む。

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これが「宇宙初披露」(byライムスター宇多丸さん)されたのは10月19日Zepp Divercity。まさかそんな大イベントがサプライズで行われるとは予想だにせず、とにかく私は鳥肌が立ったまま、呆然とただ立ち尽くしたのを覚えている。

いまや岡村靖幸というアーティストは私の日常になくてはならない存在になった。出逢ってしまったときの衝撃を、ここでいま一度書き留めておきたい。

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午前3時の衝撃を、私は一生忘れることはないだろう。

私はその時、原稿を書いていた。
いつもYou TubeをBGMに作業していて、その日は玉置浩二さんの楽曲をループで流していた。だが突然、耳慣れない曲が紛れ込んで再生された。

ぶ━━ ぶ━しゃからか ぶ━━━
アイ セイ ぶ━━ ぶ━しゃからか ぶ━
それ 1,2,6って フリーランスのノン ぺんぺんぺんぺんぺんぺん草       たぶん23歳 うーっ たぶん、たぶん、たぶん23歳 うーっ

な、なに?なんなんだ。
このひとは、一体、誰?
ちょっとかっこよさげな、疲れたおじさま。(ごめんなさい)
YouTuber?にしては、声も楽曲もPVのセンスといい、すべてのクオリティが高すぎるし、なんだかゾクゾクする。
タイトルは「ぶーしゃかLOOP」。

この方、名を岡村靖幸さんというらしい。

私はこのPVをリピートした。
何度も。何度も。仕事の締め切りが刻一刻と迫っているのも忘れて…。
そういえば聞いたことがあるような、岡村靖幸…?

検索によると、渡辺美里さんや川本真琴さん、Charaさんら大物アーティストへの楽曲提供だけでなく、自身の曲もかなりの数。キャリアも実力も十分すぎるアーティスト。そういえば小室哲哉さんの対談番組「TK MUSIC CLAMP」に出演されてたのを薄っすらと思い出した。背が高くて、歌って踊るアーティスト、だったっけ。当時、私は小学生で小室サウンドにどっぷりはまっていた。懐かしい…。

改めてYouTubeを検索すると、スーツで歌いながら踊るダンサブルな岡村靖幸さんのライブ映像が次々とでてくる。

とにかくモテたい!

「愛はおしゃれじゃない」では、モテたいモテたいと超ストレートに歌い上げる。(作詞は小出祐介さん)

モテたいぜ君にだけに いつもそればかり考えて モテたいぜ君にだけに くちびるをつけてみたい君のそのくちびる今夜

おじさんなのにモテたいとなんの恥じらいもなく叫ぶこの感じ!声とスーツ姿でスタイリッシュにターンする姿がはまっているせいか、妙に新鮮でかっこいい。

彼氏になって優しくなって

ファンクで疾走感のある楽曲、
ベース音がずんずんと腹に響くなか、彼氏になりたいと歌う。
最高にかっこいいスーパーカーに乗せられて、行ったことのない場所に連れて行かれるようなワクワク感たるや!

彼氏になって 優しくなって しなやかなキッスしたい 魂がそっと震えるような 恋は瞬発筋でスマイルしちゃうんだぜBaby
切なく切なく みじめだって 上手に生きようぜ ただし絶対常識の範囲内でね

ステップアップLOVE

DAOKOさんとのコラボ。
このPVを観たら、もう能書きはいらないでしょう。10代のドキドキした恋心も、岡村さんの世界観を通せばこんなにもスタイリッシュに。

歪んでも 滲んでも
every day every night
まだつかめない
油断して汚れて come on baby 身勝手な 現実を引き裂いていけー
(中略)だからステップアップLOVE 絶対したい いろはもまだ勉強中 アタシステップアップしたい めっちゃしたい 異論反論また燃えだす

キャッチーなフレーズ。
誰も書かないような、手垢のついていない言葉のチョイス。歌詞と楽曲の世界観に引き込まれてしまう。

イケナイコトカイ

そうかと思えば、息ができないほど愛してるというオトナの色気にまたドキドキしてしまう。ライブでも毎回号泣必至なこのバラード。88年ツアー「DATE」のyoutube映像よりどうぞ。

いけないことかい?
傷ついても二度とはもう離したくないbaby
息ができないほど愛してるよ
あなたが住んでるマンション
床にはたぶんバーボンソーダグラス
抱きしめてよ 今もしも叶うなら

ビバナミダ 

ステージでもラストを飾ることが多いこの曲は、まさに人生の賛歌。
冒頭のビートから胸ぐらを掴まれる。
必死でもがいて生きている人なら、きっとこの歌詞に揺さぶられるだろう。

ビバナミダ
こぼれ落ちてゆけばいいじゃん無駄じゃない
止まらない今の君が好き
ナミダナミダそうなんだ
その涙ぼくに委ねてくれないか七転び八起
共にゆくまた最高って聞かせてナミダナミダ 再見

・・・・・と、

ここまで夢中で検索していたら、すでに外は明るくなっていた。

時計の針は午前7時。
世の中が動きはじめるころ、私は岡村靖幸というアーティストと出会ってしまった衝撃で、椅子にもたれたまま、打ちひしがれていた。
なんだろうこの全身を突き抜けるような、電気が走るこの感じ。

当時は2017年秋。
私はなんとしてもこの岡村靖幸さんに出会うべく、ツアー「レッド」の中野サンプラザ公演のチケットを取った。

ステージでの岡村さんは、とにかくエロかった。
マイクスタンドを使ってエロい仕草を堂々とするし、ファンは歓声をあげるし、なんだか訳がわからない。けれどなんだかもの凄いものを観てしまったという、妙な充実感と恋心にも似たドキドキした気持ちでいっぱいになった。

ステージでの岡村さんの特徴は、手指が高速に動く誰も真似できないダンス。時折めがねを外せば、ファンの悲鳴にも似た歓声が響く。
マイクを外して地声でもホールを響かせる声の強さと強靱なスタミナ。2時間40分のステージはツアー中、毎回セットリストが変わり、ファンを飽きさせない。
とても54歳を迎えた(2019年11月現在)とは思えないのだ。きっと高い目標を掲げて、限界を超えるべく日々じぶんを鍛えて磨いているのだろう。

翌年2018年の「マキャベリン」ツアーでは三列目中央の座席。まだ知らない曲が多く、どのタイミングで手を上げるのか、左右に振るのかもわからない。
まわりに合わせ一歩遅れて恐縮していると、岡村靖幸さんはじっと目線を合わせ、直球でパフォーマンスを投げ込んでくる。目力が強いから、心の底まで見透かされたような気がして、もぞもぞしてしまう。

こうして私は、ベイベ(岡村靖幸さんのファンの愛称)となり、2018年日本武道館公演(YUKIさんと)、2019年「セレブリティ」「やばいよ!この気持ち」と足繁く通うようになった。

ダンスチャンスロマンスは自分次第

私がいつも自分を省みる一曲がある。
ライブのセットリストの中でも人気の「Super Girl」だ。

Don’t you don’t you know わかってよちょっと 勉強すりゃ解るぜ
Baby I got 愛が人生のmotion
14回もしょげずに
本当のDance Chance Romanceは自分次第だぜ

なにごとも自分次第。

思えば私はいつも、他人からの評価を気にしていた。

どうすればウケるのか。
どうすれば評価されるのか。

巷で評価されている案件を見ても、私にはどうしても面白いとは思えず、私ならこうするのにというもどかしさが他人への怒りになったこともある。理不尽なことが多いと感じる現代社会。

努力すれば報われる。
苦労はいつか報われる。

受験時代に叩き込まれたルールは、いまの世界では通用しない。息苦しい世の中で遠慮しがちに息をしながら、世界の片隅で生きている。

ほんとうはこんなはずじゃないのに、と。

岡村靖幸さんと”DATE”するということ

そんなとき、私の中で新星のごとく現れたのが、岡村靖幸さんだった。

誰になんと言われようが、じぶんのダンス、じぶんの楽曲、じぶんのパフォーマンスを徹底して貫く姿は美しい。
彼のライブが”DATE”と言われるのもよくわかる。

岡村さんはライブでひとりひとりの目をしっかり見て歌うから、「目が合った」と感じて電気が走る。最前列ならなおさらだ。あまりの衝撃に固まっていると、まっすぐ見据えられる。

君は君らしく生きているか。

そう問われているような気がするのだ。

岡村さん自身、己との対話を経てさまざまな苦楽を乗り越えてきたからこそ、いま、ようやく自身が目指す高みに近づけているのだろう。
ステージでは、笑顔や力強い目線、余裕を感じるやさしい表情が増え、ますます音楽の神が宿って輝きを増してきたように見える。

じぶんの個性を突き詰めて、徹底的に表現する

これは岡村さんがラジオでたびたび口にする【自己肯定感】に繋がるかもしれない。
誰がなんと言おうと、じぶんの表現を信じて追求するひとは誰より強く、輝きを放つ。

ライブを観に行くたび、岡村さんは私たちが想像する場所にはもういない。ずっとその先の、想像を超えて進化した場所にいて、私たちを手招きしているようにも思える。

「いちばん最初に見たときの感動に勝るものはない」ともいわれるが、私にとって最初の〝午前3時の衝撃〟は、さらに超えてアップデートされ続けている。

岡村ちゃんが頑張ってるんだから、頑張ろう。

岡村ちゃんがついているから、大丈夫。

世界の片隅でおとなしく生きていた私も、堂々と人生のステージのど真ん中に出ていこうと思う。岡村ちゃんのように。

そう。

世界の中心でじぶんを叫ぼう。

岡村ちゃんがいれば、もうなにも怖いものはないのだから。


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