音楽的センスとは何ぞや?
「自分は音楽的センス(才能)ないですから…」と謙遜(?)しているご意見にちょくちょく出会う。
かくいう私も「あー、センスないのかなー」って幾度となく思ってきた音楽人生で。
しかしながら今ここにきて思う、そもそも音楽的センスとは何ぞや?
クラシックやってた頃には「おまえのビブラートはコブシ回ってんだよ、クラシックは演歌じゃねぇ!」(by当時の師匠)、
ジャズのアドリブのレッスンでは「一緒に吹いてたら俺までおかしくなる!」(byジャズの師匠)
などなど、何度となく、「そんな言い方しなくたって…(T_T)」…と泣きたくなる叱責をされてきた。
当時の私はそれらの言葉を(本音は)「お前センスないな!」って言いたいのを婉曲に言われたんだ、と理解していた。
しかし今思えばそれは、
知識が浅い=勉強不足(または好奇心不足)
を指摘されていたのだ、と思う。
(自信満々に言うことじゃないけど(^◇^;))
ミュージシャンとして長年やってきて、サックス講師としても20年近く経ち、いろんな仲間や生徒さんを見てきて
私が「あ、この人センス良いな」と感じる人って、音楽が好きで好きで、沢山聴いていて。
沢山聴いてる中から選んだ「コレがカッコいいと思うんだよね」というチョイスが「そうきたか!」だったり、「それ私も大好き!」だったりするとき、思わず「センス良いな!」って言いたくなる。
それって、言い換えれば「好みが似てる」ってことなのかな、と。
演奏する側に回ろうとすればその手法を知り楽器を操るテクニックの向上が不可欠なので、練習しないと理想通りにはなかなかいかないけれど、
楽器の操作の上手下手=音楽的センスが良い悪い
ではない、と思う。
楽器のコントロールについては生まれ持っての身体の器用さや音に対する集中力の高さなど、個人差はあると思う。しかし不器用でも反復練習を楽しめれば上達できる。(これについては過去記事も読んでみてください)
「音楽的センスが良い」って言われるのって、
豊富な知識の中からチョイスした選択肢が誰かの好みにハマったり、生み出した物が好ましく受け取られた時、だと思う。
要は好みよ。
もし誰かに「音楽的センスがない」なんて言われて凹んでるとしたら、凹む原因が
・知識不足なのか?
・好みの違いなのか?
・楽器の操作が下手なだけなのか?
見極めてみると良い。
知識不足を実感するならもっと沢山いろんな音楽を聴けば良いし、
楽器の操作が下手なら練習すれば良い。
ただ単に好みの違い、だったら
自分の好みを信じてそのまま邁進すれば良い。
自分は自分、人は人。
赤が好きな人もいれば青が好きな人もいる。
世の中にはたくさんの、驚きと美しさと楽しさとカッコ良さと…刺激を与えてくれる音楽が溢れていて、
いろいろあるから楽しい。いろいろあって良いのです。
かく言う私は
知れば知るほどまだまだ知らないことの多さに気づき、
やればやるほどまだまだ出来ないことがあることに気づき続けている。
だから音楽やめられないんだなぁ。
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