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【登った山から一回降りようよ】

周:突然ですが、日本の大手企業で世界を舞台に戦えるのか数社しかないといった印象です。日本の経済は、このまま下降し続けると思いますか?

樫原:マクロ経済は、人口が減るから縮小するよね。それは避けられない。日本の大きなトレンドは下降。経済大国として量では勝負できないよね。

総人口推移

出典:総務省統計局

競争力

出典:IMD
(日本の競争力は、2019年度で30位。前年から5つも順位を下げた。)

生き残るのであれば、特定のニッチ国になるしかない。統計的に出ている結論だから、これはしょうがないよね。何が日本の相対優位かを考えなければならない。そこを考えないとニッチ国にすらなれない。

中国の立場に立つと全く違うよね。中国は13億人もいるから、そこをとればいいよね。グローバルになる必要無いもん。

周:そうですよね、、、ありがとうございます。

話は変わってしまいますが、入社して間もない頃に期待されていたが2・3年で輝きを失ってしまう人、会社に合わずに辞めてしまう人の原因はどこにあるように感じますか?

樫原:評価軸を3年目で捉えると、上司から与えられたミッションを確実にこなした方が評価されるね。勿論、それ以降は、自分で課題を設定したり、行動できる人間の方が評価されるんだけども、、、

学生時代に強い成功体験を持ってる人は、自分のコンセプトや哲学を強く持っている。だけど、一旦は、自分の成功体験を捨てなければならない。

昔登った山を、一回降りようよ。という話
500mの山(昔の成功体験)上ると、近くに見える1000mの山(会社での仕事)も登れると思っているけど、新しい山を登りたいのであれば、1度下山しなければ上れない。ロープウェーなんか存在しないんだよ。

プレゼンテーション1

以前あった社会人で、学生時代の野球部エースの自分から見ると今の自分なんてしょぼいって言っている人がいたんだけど、1度山から降りなきゃ。1度降りることができた人は、全てから学ぼうとする。すごいやつほど1度降りる。1度降りて次の山を登るときには、次の山の頂きは雲がかかっていて見えないし、基本的には不安なのはよくわかる。他人がのぼっている「山」が素敵に見えることもある。ただ、大事なことは、決断した自分を信じて、
まずは、のぼること。そうすれば、絶対に新たな「景色」が待っている。
その「景色」が違うと思えば、別の山(=会社)に行けばいい。

周:1度山を降りなければならないという話、とても勉強になりました、、
知らず知らずのうちに天狗になっていたのかな、、、考えてみます。

山を登る話で、新卒入社した方は何も無い状態から始まるので最初の下山は比較的容易なのかなーと思います。ただ、1度山を登る経験を積んでしまうと中々降りられなくなることが厄介なのではと思いました。継続的に山を降りて上ることを繰り返すコツって何かありますか。

樫原:500mの山を上った子が降りてきて、次の山を登っているうちにどこに向かって上っているのか分からなくなってしまうことがある。先が見えない不安もあり、どこに向かって上っているのか考えず、目の前に集中した方が楽になる。当然、50mとか少しでも上っていると周囲の人から評価されてしまう。50m上ったんだ!すごいね!って。気づくと、目的を見失い、他人の評価ばかりを気にするようになる。その評価を失うのが怖いから、山も下りないよね・・・。

 それに対して、自分が「富士山」(=目的)に登りたいことを忘れてしまわない人は、チャンスを掴むことができる。現状に適応しながらも、自分が何をしたいのか考えておかないと、チャンスが来ても、逃してしまう場合が多いのだよな。何が欲しいのか、どこへ向かいたいのかは、定期的に言語化することが大切だね。

【 編集後記 】

非常に興味深い(けど難しい)話だったので、
自分なりの理解にまとめ直してみたいと思います。

「過去の成功体験を捨てろ!」っていう話の中に、
「捨てるべきモノ」「忘れずに持っておくべきモノ」がある気がします。
ここら辺について、書いていきたいと思います。

「過去の成功体験」:
部活やサークルで優勝に大きく貢献した。
留学先で自ら考え行動して、他の留学生には成し得ない事を成した。
学生時代に、部活、サークル、会社などを作り、納得のいく結果を納めた。
 → ここら辺が、僕の考える「過去の成功体験」のように思われます。

「捨てるべきモノ」:
1:成功体験で得られた謎のプライド
 → 色々あり得ると思いますが、
   部活やサークルの頃と比べると、行動基準が全然違うとか
   自分の頭の中で思い描いてたように、物事が進まないとか
 → でも、それは自分が気づかなかっただけで、
   周りの人に陰ながら支えられてただけで、社会人になるとそれが無い。
 → その環境で、初めて過去の成功体験に謙虚になれるような気がします。

2:失敗そのものを怖れる恐怖心
 → 過去の成功があり、失うものができた事で、
   挑戦しなくなる。バッターボックスに立たなくなる。事もある。
 → でも、その瞬間から人間としての劣化が始まってる。
   そんな事を、教えて頂いた気がします。

3:ありたい自分と今の自分の差分に押し潰されるパターン
 → これは捨てるものというよりも、
   正しい形で、「忘れずに持っておくべきモノ」かもしれません。
 → ありたい自分と差分があるのは当たり前ですが、
   それに押し潰されずに、毎日鍛錬を続けないといけないんだな。
   と改めて、しみじみ思います。

「忘れずに持っておくべきモノ」:
1:成功体験を成功たらしめて要素として自分が学んだ事
 → 人とのコミュニケーションの仕方なのか、行動力なのか、
  人によって様々だと思いますが、それは貴方の財産になる筈です。

2:過去の体験を通じて見えてきた「ありたい自分」「やりたい事」
 → これは先天的にあるものでは無いと思います。
 → 今まで述べてきたように、そもそも持ってる人の方が稀有です。
 → だからこそ、それを持ってるだけで自分の財産になるし、
   自分が複数の選択肢で迷った時に、行動の財産になると思います。


最終回の次回は、「優秀さの多元性」に関してお話し頂きました。


〜樫原さんと出会ったトビタテに敬意を込めて〜

トビタテ留学JAPAN:概要
https://tobitate.mext.go.jp

お世話になったトビタテのクラウドファンディング
https://a-port.asahi.com/projects/tobitate/

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