そんな簡単なことじゃなかった
昨日、Wicky All Stars のライヴを見に行った。
延期延期延期でやっと実現したそのライヴは、入場者数もかなり制限されて、お行儀よく椅子に座ってなければならなかった。
メンバーの名前を叫ぶこともできなかったし、一緒に声に出して歌うこともできなかった。ひたすら手拍子と腕のアクションで、私は楽しんでるよ、と伝えなければならなかったのは、春に見た新日本プロレスの時と同じだった。それでも、ステージの上のみんなはキラキラしていて、とにかく上手いし、楽しそうだし、本当に見に来てよかったな、と思った。
私もライヴしたいなぁと思ったけど、前日に自分のバンドを失くしたばかりだった。自分で決めたことだけど、それが一番良いと思ったことだけど、10年以上続けてきたバンドがあっさりなくなったことは、寂しくて辛くて、これからどうしたらいいんだろうなんて思えたりもした。
だから途中で涙がこぼれそうになってしまって大変だった。
「もう二人とも辞めて」って言ったときに、もっとゴネると思っていた。そしたら私がどんな気持ちでこの決断を下したか、ちゃんと説明できたのに。逆ギレみたいに終わってしまってもう話すタイミングもなかった。
人生は長くないから、早く次へ進みたいと思ったけれど、前向きに、前向きにって思うたびに、気持ちはどんどん過去に遡る。
死ぬときじゃなくても、思い出が走馬灯のように頭の中に映し出されるものなんだな。
もっと簡単にすっぱりと終わることができると思っていたのに。
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