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自分の感想は言わない

ピアノ教室の「ちょうどいい」を考える、ラポールで人間関係をマネージメント!のはるよ★学びです。

大事なことは質問する というテーマでは、保護者にどのようなアプローチをするかをお話ししました。楽器を買ってもらうためには事実だけを話す、とお伝えしたと思います。

でも、私がついつい言いそうになることがあるんです。
それは自分の感想なんです。

私は、お子さんがピアノを習うのに、アコースティックピアノで始めるのが一番良いと思っています。ですから、保護者が「アップライトピアノ」や「ほんもののピアノ」と言いかけると、反応してしまいます。

ピアノで始めるのが一番ムダがない 
と思っているからなんです。

保護者が電子ピアノの話しをしているのに
「でもやっぱりピアノがいいですよねぇ~」

と言ってしまいそうになります。

でも保護者にしてみたら、「それってあなたの感想ですよね?」なんですよね。
最初からピアノに出来たら苦労しません。
それがさまざまな価値観や金銭的なこと、予算や、不安感のためにできないんです。

自分と相手の価値基準は違う

これは私の、指導者としての価値観なんです。これを言うことで、自分の価値観を保護者に押しつけていることになるんです。(でも、しがちです)

保護者と話している時は、保護者の事情や価値基準を聞くことが大切なのであり、自分の価値観は別な所に置いておくことなんです。

保護者にとっての「今のベストがどのピアノなのか?」なんです。

過去に、ある保護者さんが「電子ピアノ」を買うことになりました。ところが私の心はざわついていました。

なぜなら、私は「電子ピアノ」では不満足だったからです。
ですが、それより先の「電子ピアノを買い替えてピアノにする」ことはもっと難しいことのように思えました。

まだ電子ピアノの話ししかしていないのに?
そう思われることでしょう。

私の心の中の気持ちは以下のようなものでした。

電子ピアノ=ピアノレッスンを軽く見ている

そして、電子ピアノで物足りなくなってきた時に、新たな選択肢を提案できる自信がなかったからです。

これ、変ですよね?

これは、ズバリ私の思い込みです。

私の心の中で、私はアップライトピアノを勧めることができなかった。
そしてこれから先も私は勧めることができないであろう。

  • 絶望感

  • 無力感

そんなものを感じていました。

アップライトピアノなら、私が教室のグランドピアノで伝えることをお子さんがすんなり、感覚を習得してもらえるのに。
電子ピアノであるがゆえに、グランドピアノとは違う楽器の扱いに、お子さんが苦労するのを見たくない。

というやるせなさが、こうした思い込みをつくっていったと思います。

ではどうしたらいいのか?

電子ピアノを買うことが、ピアノを軽く見ていると、誰が言ったのですか?

と、自分に問いただしたのです。

電子ピアノを買うことが、私を否定しているように感じた

それは誰も言っていない。

もし言わせているとしたら、それは、私が頭の中で作っていったことだと自分の思い込みに気づいたのです。

そして、目の前にいる相手を、注意深くカリブレーション(観察)していきました。

電子ピアノだとしても、子どもや保護者が考えながらその楽器に関わっていくのは、ムダではない。

保護者が電子ピアノを選択したのは、ピアノを買わない・買えない条件の制限がある。
それは今の保護者のベストだということ。
もちろん、この選択にも思い込みが全くないわけではないと思います。
ですが、ひとまずは、電子ピアノを選択してくださったことに敬意を払うことが先です。

そう思えたのは、私のラポールの経験です。

保護者の考えを聴くために、使っていったラポールのスキル。

電子ピアノでは物足りない
うまく弾けない

そんな風に生徒さんが言った時、
そんな感じを私が受け取れた時、

買い替えを提案する。
そして保護者の小さな不安や相談事に耳を傾ける。

それができる自分がリアルに想像できたからです。

保護者さんと話し、ラポールをとり、信頼をつないできた結果、もしかして

  • アップライトピアノになるかもしれない。

  • 少し良い電子ピアノになるかもしれない。

  • 新しい楽器は買えないけれど、音楽スタジオでピアノを借りて練習するようになってくれるかもしれない。

そういう可能性が自分に見えてきたんです。

保護者の成長のプロセスを信じられるようになる

可能性が見えてきたということは、自分の無力感がなくなったからでもあります。

保護者に問いかけられる、保護者に関わっていく。
保護者に問いかけて、保護者の気持ちを聞く。
保護者に問いかけて、保護者の気持ちを受け止める。

そして、保護者の成長のプロセスを見てきた結果でした。

お子さんの頑張りやその経過を保護者が見て行く。
そこで感じる保護者の思いを、ラポールで受け取っていこう。

保護者の成長のプロセスを信じる。そして指導者の私がそれを認めて今のお子さんの状態を事実として話す。

そこでこう伝えればいい。

親として、お子さんの楽器をどうしてあげたいですか?

この問いかけは、親が子どもに具体的な行動としてどうしてあげたいかを親に問いかけます。

行動をもって示してください。ということです。

だから、楽器購入の時に必要なのは、指導者の感想ではなく、
プロの視点であり、事実を伝えるだけでいい。

覚悟は1日では身に着かない

保護者が楽器を買う覚悟をもつには、それなりのプロセスが必要なんです。
ピアノを習う時には感じなかったことが、そのうち感じられるようになるのも「経験」からです。

具体的には、ピアノを続けることによって、ピアノ始める頃には、保護者が見えなかった風景が、見えるようになる。悩むプロセスを経て、決断や覚悟をもつ瞬間がいずれどこかで生じてくる。

それを引き出すのが指導者の役割でもあると私は感じています。

この、心のサポートは、過去の私にはできなかったことです。こうしたことをめんどくさい、厄介だと思ってきました。
しかし、NLPやラポールをとることを経験してきて、保護者が私の提案で変化する様子を目の当たりにしてきました。

具体的には、私が、保護者の価値基準を考えて出した提案が、保護者に届いて、保護者のお返事や行動が変わった時です。

相手の心を動かす質問をする

ほんとうのコミュニケーションとは、相手の行動が変わった時です。
保護者の価値観を知り、その価値観に合った提案をしていけば、

「はい。じゃあさっそくやってみます」

と言ってもらえます。そしてラポールをとっていけば、保護者は安心して指導者に相談をしてくれるようになります。

相手を動かす質問・・・?難しい。と思うかもしれません。
でも保護者をよく見ていたら、わかりますよ。
その人がどんな言葉を使い、お子さんの成長のどんなことに喜ぶか。
どんな気持ちが土台にあって、ピアノを習わせているのか。

どのような提案で、どのような切り出し方で伝えればいいのか。

  • ラポールをとること

  • カリブレーションをすること

  • 保護者の価値基準を見て行くこと

それができたら、

心を開いてくれます。
本音を伝えてくれます。

今までなすすべがなかったことを、ラポールで解決する。
そんなことができるようになります。

ラポールでお話しを聴いていきましょう。

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