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マッチングアプリで付き合った。(2)


26歳から6年間、私は彼氏がいない。
26歳の時に父が他界して、当時付き合っていた彼が通夜にも葬式にも来ずに結局LINE電話で別れた事がある。その事が殊の外傷が深く残り、男性を信じる事が難しくなったように思う。結局、自分が大変な時に側にいてくれない、と思った。
時が経ち、30歳を過ぎてからは、そろそろ付き合いたいと思うようになった。が、気づけば周りは既婚者ばかり。恋愛の始め方も分からず、拗らせた私が彼氏を作るのは難しく、お一人様の月日を更新していくばかりだった。

『もし良ければ、付き合ってほしい』

水族館の駐車場に車を停め、移動している時に突然のケイくんから告白があった。2回目のデートで告白って早くはないか?と思いながらも、答えはすぐに伝えた。

長いお一人様が終わった日だった。長かった。


その日からピンク色の日々だ。
ケイくんの仕事は電車の運転手である。
仕事のために翌朝が早い場合もあるが、私に会いたいからと平日も私の家に来る事があった。
今まで1人で夕食を食べていたので、食器類が少なく、急いでニトリで買い足した。彼は私の手料理を美味しいと言ってたいらげてくれた。その姿に幸せを感じたのだった。

彼は夜の営みの技術があった。前戯に20分はかけていたし、女性の感じるところを熟知していた。感じた事のない快楽の刺激が全身を麻痺させる。私の身体中を愛撫し、言葉でもせめてくる。私に反応を求め、それに応えると、彼のS気が駆り立てられると言っていた。
セックスに満足しているのを見て、私も嬉しく思った。



3ヶ月ほど経って、平日に彼がうちに来る事は滅多に無くなった。平日に会う事すら無くなる。

彼が言うには、平日会っていた事で仕事中に眠気がくるなど、業務に支障をきたすためだと。
人命に関わる仕事なので、無理はしないでね、と伝える。

毎日のようにしていた電話も、彼が何回か取らない事があり、その度に悲しくなったため、私からの電話は控えるようになった。

彼の休みも土日ではなくなり、月に会うのが1回、2回ほどになる。倦怠期か、と思ったが、温泉旅行やいちご狩りに行ったりと楽しんではいた。

しかしながら、会わない時間が増え続け、彼からは仕事や友達との話を聞いて、彼の人生に私は必要なのか?と疑問に思うようになった。
出会ってから半年が経った。

彼とちゃんと将来について話した事がなかったので、先が見えない+倦怠期にモヤモヤとした感情が溢れる。

つい先日、2月25日の夜に彼と電話した時に思い切って聞いてみた。

会わない時間が増えて、付き合っているように感じるのが難しくなったこと。お互いがバラバラのように感じること。私は年齢のこともあるから子供のことも考えたいこと。など。

そうすると彼は
会えないのは仕事の都合で、彼も会いたいと思っているが出来ないので申し訳ないと言う。


そして予想外の事を聞く。

今、元嫁が付き合っていた頃に貸してくれた50万を返せと言ってきている。法律上返す必要は無いが仕事の関係者(元嫁は同業者)を巻き込んでいるから、返さざるを得ない状況だ、と。
なんとかお金を見繕ってお金を渡すそうだ。

更に、貯蓄が全くなく、家のローンや引っ越しのために作ったリボ払いの支払い、自動車や保険の費用などで月々の給料が無くなっているそうだ。収入額や支出の額も、まぁハッキリと教えてくれた。

現状、新しく家を購入したことに反対した親とも疎遠となっている。彼自身にうつの傾向がある。仮に私と再婚したとしても会社の人も両親にも祝福されない状況だ、とのこと。

『こんな俺と関係を続けるか、終わるかナナちゃんが選んで。』

と言われた。
私の頭の中は完全凍結し、思考が止まった。
彼の人間性は好きだが、お金に関してここまでだらしないとは思わなかった。
私はケチな方なので、彼のお金の使い方は全く理解できない。

元手がないにも関わらず、3500万のマンションを購入し、リボ払いの借金が150万ほどあるそうだ。元嫁にも50万だから、総額3700万か。

別れた方が良いのだろうか。
それぐらいの借金なら共働きで返せると伝えたらいいのか。
今は全く答えが出せず、ただ時に身を委ねている。


どんなカップルや夫婦にも、何かしら問題はあるだろう。そうは分かっていても、隣の芝が青く見えてしまう今日この頃である。

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