大人になると関わる人を選んでしまう現象
「あの大学生気持ちわりいな」
友人とシーシャを嗜んだ帰りの少し暖かくなってきた春、高田馬場の駅前で集団で騒いでいる大学生にふと感じた。ゲボを吐いていたり、大声を出していたり、地べたに寝そべっていたりする学生に誰もが1度は感じたことがあるはずだ。
そんな時わたしはふと思った。
「いつからたいして人の素性を知らずに上辺の情報だけで判断するようになったのだろうか」
幼い頃はこんなこと思わなかった。クラスで騒いでいる者、先生に口答えする者、体調が悪くていきなりゲボを吐いてしまった者(小学校あるある)に対して幻滅することは一切無かった。
今思えば小中学校の頃は全てが目新しかった。
入学、教科書の配布、授業、クラス替え、校外学習、運動会、転校生など
「あ、これはあの時の出来事と似てるな」
と過去の事象と現在起こっている事象の共通点探しなどしなかった。
いや、出来なかったのだ。
それは人生の経験が乏しく、引き出しが少ない為だ。
経験が乏しく、引き出しが少なく、全てが目新しく感じていた。あの時は部活動や習い事で何かスポーツを始める際に躊躇が無かった。
例え興味が無くても、友達に「やろうよ」と言われて断ることなく様々なスポーツに挑戦した。
幼い頃野球やろうよと誘われて
「いや、俺はラクロスやりたいから止めとく」と断る子どもなど居るだろうか。
このように、友人から誘われたり、親兄弟が習っていることがきっかけで始めたスポーツであったが、今誘われたらどうだろうか。
友人に突然「明日から野球始めない?」と誘われたら20歳を超えたあなたはどうする?
学生時代経験ないから、、、
ボール固くて怖いから、、、
興味が無いから、、、
他のスポーツやるから、、、
そもそもスポーツが好きではないから、、、
などと言って断るだろう。
小学生段階では断らないであろう誘いにも、大人になった今、やらない理由を何とか見つけて断るのである。
それは何故か?
マイナスな理由を見つけ知らぬ畑に飛び込んでいくのを避けるようになったからだ。
中学校では部活動を始めて後輩ができ、恋愛をし、高校受験を経験した。
高校では初めて地元から出て友人を作り、文化祭に取り組んだ。
大学では、男女混合の華やかなサークルに入り、友人や恋人と旅行をし、飲み会で潰れたり、ドライブをした。
様々な経験をし、それが血肉と成っている。
何が起こっても、引き出しを開けて過去の事象と共通点を見い出し、課題を解決出来るようになった。
なので、引き出しにない物にアドリブで対応して恥をかくことを嫌がる。
失敗に対する恐怖心から臆病になっている。
大人(挑戦をしない人)は安全地帯から出ない。
いつものコミュニティ、いつものご飯、いつもの場所
慣れ親しんだ物で自分の周りを固め安心している。
安全地帯という生コンで完全に固められた土地に新しいものが入り込む隙などない。
最も、強力なドリルでも持ってこない限りは、、
派手なスポーツサークルに大学2年の夏から入ろうとした私はそれを実感した。
2年生になっても安全地帯となるコミュニティが
出来なかった私は一発逆転を狙い
スポーツサークルに参加することを決意した
その頃ちょうど夏合宿の時期のため、
運悪く初参戦が3泊4日の沖縄旅行となった
知らんやつ40人と沖縄旅行するなんて気狂ってる。
今ならそう思う。
しかし、当時追い詰められていた私はそんなことを気にする余裕もなかった。
旅の中で興味を示してくれた子はいるが
1年生でもなく、イケメンでもなく、かわいい女の子でもない新入りの2年男子と関わるメリットは皆無である。
自分の市場価値の低さがあらわになり傷ついた。
1年生ならまだまだ友達を増やして行きたい時期だ。
イケメンなら女の子は恋愛対象で見てチヤホヤする。
可愛い女の子なら男側は狙いたい、女の子側は可愛い子と仲良くすると男が寄ってくる。
全てを持たざる者である私は皆の心から漏れる「こいつ誰?」に耐えられなかった。
その場にいる全員が敵に見えた。
合宿が終わりやっとの思いで帰宅すると
思考を張り巡らせすぎたせいか頭が痛かった。
頻度は減ったが小さい頃から偏頭痛持ちだ
安全地帯にいると外部の新しいことに興味を示さない。
そんな事しなくても満足しているので、わざわざ冒険してリスクを取る必要はない。
なので、初対面の人にレッテルを貼られたら
剥がすことは難しい。
相手を知ろうとしていないからだ
嫌でも毎日顔を合わせる事がない限り
決めつけられたら最後、
駅前で騒いでいる学生がどんなに良い奴だろうと、ギャグ線が高くあろうと、インターハイ王者だろうと、モデルの卵であろうと、ヒッチハイクで日本縦断したことがあろうと、深く関わることが無いと迷惑な奴というレッテルが剥がれることはないだろう。
最後に好きな言葉を置いておく。
「HIPHOPは持たざる者が力を持つ為の音楽」
以上
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