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2019/05/19

ここひと月、Akadamaばかりを常飲している。がんらい居所では飲酒習慣のないので、まんまとひとまわり身体が膨張した。基本的に酔って…多寡あれど…暮らしている。仕事中も。麻痺を求めている。鈍麻を求めている。酩酊と呼ぶほどの酩酊や、忘我と呼ぶほどの忘我やは、さすがに科学的な粒を欠いてはわたしにはむつかしいようで、だからたんに、あわく酔って、暮らしている。

とはいえわたしにはタイミング力《たいみんぐりょく》が生来に備わっているので、読書にかんしては膨大な捗りと自傷が、意図せず執行せられてながい。どうして今、という作品群が臓腑を続けざまに通り抜け、ある種の蹂躙を経てわたしは、天を仰ぐ。たまに、すこしだけ泣く。今日は、判って春琴抄を買ってしまった。わざわざに、あかい装丁のものをえらぶ。

それはルール違反だ、と思ってから、そんなルールは明示してもされてもいなかったなと思い、それでも「暗黙」ということばのさすようにそれは、明示されずとも、在り、それを「意図的に」無視したのだと思う迄が0.2秒。

待ち人来ず。グラタンは残らずたべてしまったから、空腹だ。

考えるのは、悪癖で、ほんとうは、なにも考えたくないのだろうと思う。酒に浸した脳はそれでも一定の速度で、なにも生み出さずにただ空転を続ける。滑稽で哀れだなと思う。

宿酔ひの最たる解決策は迎え酒だから、寝起きにのどが渇いてあおるのもAkadamaで、いまわたしの身体を展けばさぞかし赤かろうと思えてそれはとっても悪くない想像。

あかいあかいそれでもどう見たって水、で嚥下した処方薬が意識を濁しはじめたけれど、シャワーを浴びよう。

本を借りるのが苦手です。本を買います。