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しなやかに恋をする(『BAD BUDDY』感想)

ずっと初夏の風が吹いているような、爽やかな見心地の作品でした。
全編にわたりほぼ二人の関係だけに焦点が絞られていて、爽やかに軽やかに二人だけを追う感じ。

Yシリーズのヒット作をたくさん送り出してきたGMMならではというのか、Aof監督の進化系なのか、また一歩、Yシリーズというものが変化したような気がします。
「歓迎されない・阻まれるもの」だったのが、「受け入れてもらえるもの」になり、そして今作では「周りがどうであれ変わらないもの」になるーーしかもそれが肩肘張って逆風の中で貫く、というのではなく、本当に健やかに軽やかに「変わらない」んですよね。

爽快感がすごい。

必見の「11話ラスト10分」

一番心に残ったのは、11話のラスト10分!
なかなかお目にかかれない、とても美しいシーンだと思います。この10分だけでお釣りがくるな!と思ったくらい。

パーンが歌う、もう一つのテーマソングともいうべき曲に被せて、作品テーマの言葉が紡がれます。
“世界は変えられないけれど、世界に対する自分の姿勢は変わる。そして、世界だって自分を変えることはできない”ーーと。

家同士がこんなじゃなかったらどんなに良かったかと二人は空想しますが、確かに周りに受け入れられる幸せはあったでしょう。
10話で描かれていた、学部の仲間たちに祝福されるシーンもとても幸せで素敵でした。

でも。家族や周囲に受け入れられようが、そうでなかろうが、二人は変わらないんですよね。
きっとずっと恋をし続ける。

ポキッと折れたりぐにゃっと曲がったりせずに、流れや風向きに合わせてしなやかにたわんで、すくすく成長した二人の恋が、とても眩しくて素敵でした。

……こうしてとても前向きに11話が終わるので、ハッピーエンド以外が有り得ないと思っていたら、引っ掛けのような12話の次回予告が流れるという…。振り回してくれますね!
でも最後まで見ると、12話全体がエピローグのような構成で、11話のラストにすべてが詰まっているなと思います。

そしてこの「OUR SONG」。
実はオープニングの曲なんですよね!
このピコピコした曲好きだなあと思って全話オープニングを飛ばさずに見ていたので、「ずっと作曲してた曲のサビ」として出てきたのが、とてもよい驚きでした。
高揚感と爽やかさと少しの切なさのある曲で、大好きです。

心に焼き付いた場面

11話のラストが好きすぎて、「BAD BUDDY」と聞いて最初に思い浮かぶ絵はこんな感じ。

……トンさーーん!!!



★2022年2月視聴
★画像cr. GMMTV(YouTube)


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