堂場瞬一の警察小説が面白い

堂場瞬一の小説、検証捜査とそのシリーズ、全6冊を読んだ。
堂場瞬一の作品は、初めて読んだ（たぶん）が、とても面白かった。
何より描写がリアル。映像が目に浮かんでしまうのである。

今回は、そのシリーズの1作目、『検証捜査』の感想を書いていく。

ざっくりまとめると、警視庁、北海道、大阪などから刑事が集められ、神奈川県警の不正を調査するためのチームが編成される、という警察小説。

徐々に明らかになる犯人。
意外な人物であり、目次にもある通り、まさに‘裏切り’だったのが面白かった。

注目したのは、事件の本筋はもちろんだが、その裏にある人間模様。

神谷が何故左遷されたのか。

凛は、過去に何があったのか。

こんな彼らの過去や、神谷と凛が恋愛をするという意外性。
恋愛がこのストーリーに登場するとは。
しかし、それがよりリアル感を増しており、場違い感がなかったのが素晴らしい。

また、警察官の習性というか、警察官はこういうものである、ということがわかる描写があるのも特徴だ。

元読売新聞の記者である著者だからこそ書けるものだったであろう。

二度目を読むとまた違った視点で、落ち着いて読むことができてよかった。いわゆる長編小説家だが、1日で読み切ってしまった。