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"死なない"女は"生きて"いるのか 。「誰にも知られず死ぬ朝」劇団た組

https://takumi.themedia.jp/posts/6778540

誰も死んだことがないから
死んだあとどうなるのか誰も知らない。
ひょっとしたら知れるのかもしれないが
それを伝えるすべはない。
私たちは明日死ぬかもしれないから
その日を精一杯生きよう
それを時々思い出さないと
気がつくと無駄な日々をだらだらと過ごしてしまうから
後悔しないようにしっかり生きよう
…と言う。
終わりがあるから
それを知っているから
終わることを前提にしてるから
ちょっとだけ無理もしようと思う。

人生はロングランの芝居と一緒で
誰もがその舞台の主役。
1幕にだけ登場する人もいれば
ずっと主人公のそばにいる役目の人もいる。
幕が下りたとしても明日また最初から。
私たちは劇団員だから
昨日演じたAさんは今日は代役のBさん。
さっき通り過ぎたエキストラはまた前から現れる。
これは一人の人生の話ではない。
魂が引き継いで延々と続く芝居だ。
一体いつ終わるのだろう。

死ぬから生きるのではない。今生きているから生きる。
たとえ30年後に死はやってこないにしても
明日の死に備えるのではない。
ただ、今必要なことを。
後悔したくないからではなく
今したいからする。
同じ理由で、しなくても自由だし
きっとそれも正しい。


「誰にも知られず死ぬ朝」

死なない女は愛する人に当然ながら先立たれ、別れに絶望したが
もしかしたらいつかまた新しい芝居の幕を開けるのかもしれない。
(クラッシュした元基くん、ひょっとしたら死なない男かもしれない笑)
そして彼は彼で生きる意味を見失って苦しんでいた。
どこにも行き場がなく希望を捨てた。
舞台は終わった。
私は息を飲んだままだった。


人間ってどうして
「生きる」ことに目的を持たせようとするんだろう
ただ生きるのではいけないのかな。
ただ息をするだけではいけないのかな。
目的のない人間はダメだと
どうして刷り込まれてしまったのかな。
何かに向かっていないと
どうしてこんなに苦しいんだろうね。

まぁ言ってみれば
私も「死なない女」だ。
だって今、生きているから。
そう、今夜もまぎれもなく生きている。







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