「己の怠慢問題」とテンションのグラデーション


Twitterは、明らかにいつも「イイネ」をくださる貴重なフォロワー様たちがいて、わたしはその人たちになるべく嫌われたくないのであまり好き放題も書かず、一応考えて投稿するようにしている。

それで、このnoteというのは、こんなどこの誰だかよく分からない人間の長文を読もうなどという奇特な方は少ないだろう、と踏んで、好き放題毎回書いている。そしてそれが何よりストレス発散になっている。


「己の怠慢」について書こうと思う。

最近は、自分の書いた作品を賞に出す用の推敲と、あとは依頼されたテーマの文章のようなものを書いたり、つまり、好き放題は書けず、ある程度決められた範囲内で文章の精度を上げなければならないという作業が多かった。そしてその間、わたしの読書は一切止まる。みんな頭いいんだろうなあとTwitterを見ていると改めて思う。

わたしなどより遥かに激務そうな方も、家事育児をされている方も、みなさんどんどん読了ツイートをされていて、ただただすごい。

書いている間は、本も読まないし、映画も観ないし、最低限のニュースくらいで…唯一欠かさないのは音楽くらいかなあと。

それはかっこいいポリシーとか、そういう天才っぽいエピソードがあればいいのだけれどそうではなく、単純に「できない」だけで…。そりゃあ書きながらでも読んだり観たりしたいですけど…。改めて言うことでもないんだけれど、わたしはあまり頭が良くないんです。だからただ器用に「できない」という理由で読書が止まってしまう。

だって今組み立てて書いている内容の世界が脳の中にあるのに、読書してしまったらその世界が脳に入ってくるし、例えば村上春樹みたいなクセのある文体のものを読んでしまったら、わたしの脳はマジでアホなので自分の小説がめっちゃ村上春樹の下位互換みたいな文体になりかねない。おそろしい。そういう理由で、大好きな江國香織さんや村田沙耶香さんも読めない。何故ならば好きすぎて読みながら書くとトレースしてしまいそうになるから。

映画とかも、メッセージ性のありすぎるものを観てしまうと引きづられてしまって当初の物語からブレてしまう。アホすぎる……。

一番いいのは、この作品にはこれ、と決めた曲を100回くらいリピートしながら聴くこと。できれば歩きながらとかそうできると尚よい。それが今のところ一番没頭しやすい方法かなと思うけど、この先もう少し器用に書けるようになりたい。

生まれつきの脳、という意味で頭がいい人って「え、ホンマに読んだ!?」っていうスピードで書籍やら論文やら読みますよね。しかも読んだ結果の読解力もすさまじい深さ。あんなチート機能欲しいわあ。という話は置いておいて。


職業柄、朝から夜まで働いている間は、わーっと人と話したり、素早く対応したりするという高めのテンションでいて、そこから小説を書くためにその世界のトーンに気持ちを持ってくというか、ハイテンションではなかなか難しくて。

帰り道、電車、自転車、歩いている時、スーパーで、お風呂で、少しずつトーンを落とし、内側に気持ちを向けて行っているのかなあと思う。テンションは、気持ちは、心は、機械のようではないので、少しずつ少しずつグラデーションのようにしかトーンを落としていけない。

結果、書くのが夜中になってしまう。

けど、わたしは睡眠不足が世界で一番嫌いなので、それは避けたい、ので、〆切前以外はこういうことはしません。

うれしいことだけど、書かせてもらえるコミュニティが増えると、単純に〆切が増えるし、わたしは生まれつき、元来の、本当に正真正銘の、怠け者なので、怠慢な時間がないと生きていけない。

プロの作家の先生などとお話しすると「最低でも毎日5枚は書いてみなさい」のようなアドバイスをくださる。

そりゃあそれができたらめっちゃ上手になるだろうし、めっちゃ作品数も増えるだろうなと分かる。でもできるはずがない。

思うに、それができるのも才能のうちなんだろうなと思う。(毎日コツコツと努力する)

文章を書くことは筋トレと同じだから、間が空くとまたできなくなってしまう、だからコツコツ毎日書くのが大切だね、と医者の友人が言うてました。

「怠慢」と書いて「わたし」と読むほどに怠慢なわたしは、それができない。やりたいのだけれど、できない。

そしてもうほんとにやばい、絶対にやばい、もうほんとにダメ、という日程になってようやくやる。そして一応今まで〆切を守れなかったことはないので、相手には「まあちゃんとやってくれる人」という印象を与えられる。

これではダメなのに……。だから毎回「今回はもう絶対にダメだ、今までは奇跡的に間に合っていたが今回は絶対に無理だ」と毎回思う。そして死ぬほど追い込まれて夜中に書き、つらい、もうやめたい、ああ、明日も仕事なのに、眠い、つらい、書けない、なにこれ?あってる?あーもう分からない、なにも分からない、だめだ、あ、いけるかも、あ、いける?あー書けそう、書けたー、しんどすぎるー、となる。アホすぎる。

毎日5枚、書けたらなあ……。


プロになっている方々はみんなやっぱりそういうことをされているなあと思う、努力というか、それができる人がプロになれるんだろうなと。

だけど「昼間仕事してるから」という言い訳は一切使ったことがないし、実際にそれが問題だと思ったことはない。なぜいつもギリギリになるのかというのは、昼間働いているからではなく、ただただ己の怠慢と学習能力がないだけなのである。隙あらばゴロゴロしたりダラダラするのが好きなのだから仕方がない。そのために生きていると言っても過言ではない。

むしろ、昼間働いていなかったらわたしは小説など一文字も書けないと思う。働いて、いろいろ感じて、考えるから、だから書ける。

それでこの「己の怠慢問題」について考える時、朝井リョウはすごいよなあ…と毎回思う。もちろん他にも同じような作家さんがたくさんいるのも分かっているのですが、年代が近く、会社員をしながら直木賞作品書くなんてかっこよすぎるぜ、朝井リョウ…と毎回思う。

はあ、わたしはなんて怠慢なんだ……。


そして今回も己の怠慢問題に悩みつつもなんとか間に合わせられた。でも来月も再来月もあるの。でもまあ、目の前のことをひとつひとつやりましょうねー、と思う。


ちゃんとした小説を書いたあとなので、ストレス発散にどうでもいい日記を書きました。明日から11月です。


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