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ヨーロッパSの問題点 その7『リアBCS』

M32トランスミッション『貴様達の整備のお陰で使い易くしてくれてありがとう!!!』
GMオペル『 使い易くしたぁ!?!?』

【ブースト圧制御】

M32『やったぜ!1〜2速!!へっへへっ!』
???『兄弟ィ、今保護したいミッションのギアを言わなかったかぁ???』
M32『ブーストパイプバイパス!!』
BypassMOD『スポーツ走行でなぁ!トランスミッションの心配を口にすることは、死亡フラグなんだよぉ!!!』

はい、元ネタが分からない方はよくぞ我慢してくださいました。
今回は久しぶりのブログ更新&『ヨーロッパSの問題点シリーズ』ですが、実を言うとこれは『ヨーロッパSの』では無く『Z20LEx』の問題点(???)です。

では本題ですが、今回は『ブーストパイプバイパス加工』による「リアBCS」と「バキュームボックス」の除去になります。

『リアBCS』
BCSは「Boost Control Solenoid」。ブースト圧を制御する機械式ソレノイドバルブです。Z20LExでは進行方向フロント側とリア側の2箇所にBCSが装備されています。フロント側はタービンに、リア側はインテークマニホールドにほど近いところにあります。フロント側は高回転・高速時の制御を担当し、リア側は低回転・低速時を制御します。

実は、私の車はある日を境にスムーズに加速しなくなりました。
どうにも加速にパンチ力が無く、上まで回してもブーストが掛からず唸るだけ…
加速も一向にせず、正直かなり『遅い』…
また、ある時は3-4速でブーストが途中で掛かったり、抜けたりするようになりました。3千回転まではブーストが掛かるのに途中から「ガクン」とブーストが抜けて、またブーストが掛かって、抜けて…。
正直正常ではありません。
たまに調子が良くなっても、いつまた不調になるのか分からず、原因もまた分かりませんでした…
そんな状況が続く中調べていると、オーナー達の中で「ある加工」がZ20LExシリーズで行われていることを知りました。
それこそが『ブーストパイプバイパス加工』。
Z20LExエンジンに装備されている「BCS(ブーストコントロールソレノイド)」の内、1つを完全に無力化する方法です。
この施行のメリットは3つ。

1つ:1-2速のブースト制御をキャンセルすることが出来、スタートからフルブーストが掛かる。(尚トランスミッションは死ぬ模様)

2つ:ブースト制御に関わる配管を大幅に削除、短縮出来るのでレスポンスが上がる。

3つ:低速時のブースト制御が『一切』掛からなくなるため、低回転での巡航がトルクフルになる。

以下説明

まず、1つ目ですが実は「Z20LEx」はトランスミッション保護のために1速2速ではブースト圧に制御が掛かっています。
今まで運転されていて、1-2速での加速と3速での加速でなんか伸びが違うな?と思われた方はいらっしゃるのではないでしょうか?
自分もそうでしたが、単純なギア比の問題かな?と思っていました。
ですが、実際には低速ギアでのブースト制御が掛けられており、トランスミッションを保護する一方、スタートダッシュが犠牲になっていました。今回無力化するBCSは『低速時の制御』を司ります。その為、これを削除することにより『1-2速からの加速からフルブースト』が掛かることになります。
これはジムカーナを中心として活動するドライバーには必須ですね!!

2つ目、これが今回除去したブーストパイプです。

バキュームボックスと配管

全ての配管を繋ぐと、距離にして2m以上はあると思われます。
勿論、これらは1本1本がレギュレーターやBCSに繋がっているため、単純な1本の長い配管という訳ではありませんが、これらを削除することで、各ブースト制御のタイムラグは短縮できるはずです。(まぁメーカーが「必要」と判断した物を取っ払うことによる弊害も有るでしょうけども…)

3つ目、1つ目と同じことですが低速時・低回転時の制御を司る「BCS」を削除することで、今まで制御が掛かっていた低速時・低回転時も「フルブースト」が掛かってしまいます。これにより、所謂「ブーストアップ」したような感覚得られることが出来ます。ただ、燃料の制御も今まで以上にラフになる為、燃費の悪化は避けられないでしょう…

これらのメリットを得られる『ブーストバイパス加工』ですが、本来は『特に行わなくても良い』加工です。600馬力にまで強化したZ20LExでも、バイパス加工を行う必要は無いとか。
まぁ、みんカラとかに転がってる「裏技」みたいな感じですね。ブースト制御を弄ることにもなるので、最悪エンジンが壊れる可能性も十分にあります。高負荷である高速時・高回転時の制御はまだ生きてますが、何度も言いますようにトランスミッションの負荷は大きくなります。
今回自分が行った理由は、冒頭述べた『ブースト制御の不安定』の解決。これが主目的でした。
私の症状は、エンジンのピークトルク及びパワーが出る2000-3000回転、5000回転程で症状が起きています。ここからフロント及びリア「BCS」が故障している、不具合を起こしている可能性が考えられ、トラブルシューティングの一環としてBCSを無力化する『ブーストバイパス加工』を行うことにしました。
これでリアBCSを無効化した後、直ればBCSもしくはバキュームボックスが原因であると言うことになります。

やり方は簡単!
タービンのリサーキュレーションバルブに繋がる配管を〜

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