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勝手に翻訳シリーズ:『CarMagazine「ロータス・ヨーロッパSEレビュー」』

勝手に翻訳シリーズ
今回はなんとヨーロッパSEのレビュー記事になります!
いよいよSEですよ!?ワクワクしますね??

は?SEなんて知らん?
Sとどう違うの??

そういう方の為の翻訳記事です。
これを読んだ後、貴方はこう思う筈です
「なんで?」


評価

(2009年当時)ロータス・エヴォーラの発売が間近に迫った今、ヘセルは現行のカタログトップモデル、ヨーロッパSをアップデートすることを決定しました。パワーとトルクの増強、スポーツサスペンション、大径ホイール、大径ブレーキ、そしてよりラグジュアリーなキャビンを備えたヨーロッパSEの登場です。

しかしその下にはエリーゼ・エキシージが、この後にはエヴォーラが控えており、さらにニッサン、ポルシェ、BMWといった競合車種が存在する中、改良型ヨーロッパはロータスのラインアップの中でその地位を確立できるのだろうか?

そ  も  そ  も  ロータス・ヨーロッパのことをすっかり忘れていた。いったいどこにあるのだろうか?
ロータスがアウディTTやポルシェ・ケイマンの領域に進出するために、おそらくひどく楽観的に設計されたブリキで屋根を塞いだエリーゼである。ヨーロッパSEは強化の結果、0-60mph加速は5.8秒から4.9秒に短縮、100mphまでの加速は2秒以上短縮され12.4秒となった。残念ながら(ロータスの燃費を気にする一部の客とも言えない人にとっての話ではあるが)それらのパフォーマンスの強化によって燃費は悪化している。

SE仕様車には、ブリヂストンに代わってグッドイヤー製のより幅が拡大されたタイヤが装着される。新設計の15本スポークアルミホイールにより、リアホイールも1インチアップの18インチとなり、フロントは17インチのままではあるもののブレーキローターは308mmに強化され、4ピストンAPレーシングブレーキに変更。(リアは288mmのまま)。それに伴い、スポーツサスペンションもエキシージと同様の硬めのスプリングとダンパーで調整されている。

では...実際に公道で走った感想はどうなのか?
ただ一言、見事。
エリーゼの自然吸気エンジンとの違いは、ターボチャージャー付きエンジンにある。レッドゾーンまでいっぱいに回すのではなく、4000rpm(ピークトルクが発生する回転数)あたりでシフトアップして、反応が鈍い他の車を後方に置き去りにしていくのだ。最近のホットハッチにとっては222bhpが当たり前だが、そのパワーで1トン以下の車重のホットハッチはないのだから、マジで速いのだ。

もちろん、エンジンの音は特別なものではないが、トヨタのユニットだってそうだ。しかし、少なくともヨーロッパではターボによる過吸音やシューという音が楽しめる。とにかく楽で快適なのだ。

誤解するな。
決して退屈はしない。ロータスがどんなに大きくなっても、どんなに快適に洗練されても、運転が退屈になることはない。ステアリングはとてもおしゃべりで、手の中で揺れ動き、クルマが持っている感情を人間が知らないメッセージで送ってくる。最初は戸惑う。しかし、段々と操作できるようになるにつれて、グリップの限界がどこにあるのかが分かってくる。

唯一の問題は、これが万人向けでないことだ。クルマ好きがロータスを好むのは、その軽さと、特にステアリングフィールの良さにある。あのしなやかで生き生きとした敏捷性を手にしたときの感覚は素晴らしいものである。しかしSLKやZ4、370Z、あるいはケイマンに乗る人にとっては、フロントタイヤの状態を常に報告されるのは煩わしいことかもしれない。

ロードノイズは大きいし、乗り心地は硬いし、ワイパーはウォッシャー液の噴射後も長く残りすぎてフロントガラスを汚してしまうし......。このような点でヨーロッパは、というかロータスの車は主流のメーカーより一段劣ることになる。

では、この広さはどうだろう?
BMWのZ4に乗り換えるほどでもないけれど、エリーゼにはない使い勝手や実用性の高さに納得する人もいるはず。エリーゼやエキシージよりも室内が広いのは確かではあるが、それでも広い敷居の上(サイドステップ)をよじ登らなければなりません。またグローブボックスはなく棚があるだけで、中央のアームレストはなくドライバーとパッセンジャーの間にスペースは、無い。本当に無い。さらに、背もたれ固定式のバケットは、ランバーサポートがやや不足している。

しかし、ロータスに乗って他のどんな車よりも低い位置に座り、車との一体感を味わうのもまた一興だ。エリーゼのオーナーならむき出しのアルミニウムが見えるような場所に、しっかりとカーペットとレザーが誂えている。

評決
ロータスは、ヨーロッパが少し(?)ニッチな車であることを知っている(????)。実際、ヘセルはニッチの中のニッチであることを認めており、2009年には200〜300台しか売れないと予想している(理由としては現在の経済的苦境だそうだが、そうじゃないだろ)。もちろんなぜわざわざヨーロッパSEを作ったのか、エヴォーラの開発をもっと早めることもできたのではないか、と疑問を持つ人もいるだろう。

しかし、毎年ヨーロッパSを購入する(物好きな)数百人の人たちは、ロータスの才能にあふれた個性的なクルマを手に入れることができるのである。ただし、エヴォーラの先駆けであるとか、ケイマン/Z4/370Zの真のライバルであるとか、そんなふうに惑わされてはいけない。エリーゼを少し大きくして、より手軽にパワーとスピードを手に入れられるようにした、まったく別のものなのだ。そして、それは決して悪い車では無い。

エリーゼはとてもいいクルマだが、誰もが欲しがるクルマではない。
しかしヨーロッパSEにはそれがあるのだ。

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