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フリゲ 206-にまるろく-を遊んだ

ゲームの感想なんで攻略情報とかはないです。
ネタバレはあります。



最近友人にいっぱいフリゲをお薦めされたのでいっぱいフリゲを遊んだ。別に感想まで書く必要はないかと思ってたけど、折角だし書いとく。面白かったので。

主人公は何の変哲もない女子高生
ゲームは彼女が自室で目を覚ますところからスタートする。具体的な説明はなかったけど、タイトルの206は主人公の部屋の番号だと思われる。6つも部屋が並んであったかは覚えてないけど、少なくとも2階ではあったし。

温かみのあるドット絵が特徴的で、主人公自身もそうだが彼女の部屋に置かれた持ち物・雑貨も、見ていると癒されるような造形で、部屋全体に穏やかな雰囲気が充満している。鳥がちゅんちゅん鳴いてるBGMもその雰囲気にマッチしている。
ベッドから降りて、制服に着替えて、持ち物をカバンを付け替えて準備完了。いざ学校に行くぞと部屋の外を出ると、室外もまた穏やかな空気が満ちている。

ここまでは彼女の何気ない日常の一コマといった感じで進行しており、学校で何が待ってるのかという気分だが、横断歩道を渡ろうとした時、主人公はあっけなく車に轢かれて死んでしまう。指差し安全確認は必ずしよう!(工場勤務並みの感想)

ゲームオーバーになったと思うと、またタイトル画面へと戻っており、さっきと同じ日常を繰り返すことになる。そしてまた横断歩道を渡ろうとすると、車が主人公めがけて突っ込んでくる。この辺りで、本ゲームの目的が主人公の死の回避だと分かってくる。

唯一死ぬごとに変化がある日記
部屋に置かれた持ち物・雑貨は、何度主人公が死んだとしても、保有する情報が変わることはなく、使い道も常に一定なのだが、唯一彼女の日記だけは死を迎えるごとに日にちが進んでいくのだ。

その日記には、主人公の彼氏と思わしき男性と、主人公の友人と思わしき女性が登場する。しかし実質的には主人公とその友人の関係について記された日記であり、彼女たちは随分仲が良かったものの、友人の『彼女』が主人公の彼氏の悪口を言ったため、喧嘩別れをしてしまったようだ。主人公もそのことについて気に病んでる様子。

日常の中に潜む背徳的行為
このゲームの目的、主人公の死の回避を達成するためには、常識に囚われない発想が必要となってくる。というのも、部屋の中の持ち物・雑貨を使って結末を変えることまでは分かるのだが、我々が普段行なっているような使い方では、死を免れることはできないのだ。

「制服を着たままお風呂に入る」、「トイレットペーパーを洗濯機に放り込んで回す」など、常識がブレーキをかけてしまうような行動がこのゲームでは解決の糸口となる。普段頭の中で妄想はできても、実行できないような背徳的行為を楽しめるというのも、本作の魅力の一つだ。

一応主人公の死を回避するシナリオとしては、
「制服に付いてしまったコーヒーのシミを、お風呂に入って落とそうとしたものの、シミは消えずしかもびしょ濡れ、なので今日は学校行かなくていーや。『彼女』に電話してピクニック誘おっと」という独白の後、横断歩道を渡らずに家へ帰りエンディング、となる。
このエンディングに辿り着いたのは、主人公に背徳的行為を何度も行わせ、学校をサボる罪悪感を減らしていったから。個人的にはそういう解釈もあるのではと思ってる。『彼女』と仲直りできるといいね。

というわけで死亡回避! ……しかし
先ほどのシナリオはいわばノーマルエンド。そして、ある手順を踏むことで他のルートに進むことができる。トゥルーエンドへのルートだ。そのルートでは、主人公が『彼女』に電話を掛けたその後を知ることができる。先に断っておくが、このルートはハッピーエンドとは言えそうにない、意外な結末を迎える。

『彼女』に電話を掛けると、どういうわけか玄関横にある戸棚から着信音が聞こえるのだ。戸棚の鍵を開けて中を覗くと──
「思い出した」
主人公の一言の後、ゲームは終了する。

主人公は彼女を殺したのか。
急にホラー展開で僕びっくり。いやまぁ戸棚から赤い塗料が漏れてるとか、日記が急に更新されなくなるとか不穏な要素はありましたけども。
ゲームの描写から考えるに、『彼女』は戸棚に封じ込められていて、主人公はそのことを忘れていたようだ。『彼女』を殺したのが誰かまでは分からないが、主人公が殺して戸棚に詰めたと考えるのが自然だ。

では殺した動機はなんなのか。
彼氏の悪口を言われたから? この一件があった翌日は、日記に何も記されていない。ついカッとなって殺してしまったので、日記を書く余裕もなかったのだろうか。
しかし、主人公は彼氏に対してとても淡白だ。日記の1日目に彼氏のことが記されているが、それ以外に言及されている部分はなく、彼氏をとても愛していたようには見えない。悪口程度で頭に血が昇るだろうか。
そもそも大好きな『彼女』を殺すのが不自然だ。まぁむしろ好き過ぎるあまり、ヤンデレ的な感じで殺しちゃったのかもしれんが。どうも彼氏の存在がノイズになる。

日記を書いていたのは誰か。
Youtubeにアップロードされたプレイ動画のコメントに、面白い考察があった。日記の主は『彼女』であり、彼氏の悪口を言っていた友人とは主人公なのでは、という説。これが結構しっくり来た。
日記の一部で、彼女たちがお互いを好きだと通じ合っている描写がある。これを上の説とともに解釈すると、『彼女』は主人公を大親友として見ていたが、主人公は『彼女』をどう見ていたかは分からない。
もしかしたら、友人の枠を超えて好きだったのかもしれない。彼氏の悪口は嫉妬だったのかもしれない。勢い余って殺してしまっても──まぁおかしくないか。

この説に従うなら、主人公の背徳的行為が、封じた記憶を思い出させるに至ったのも少し納得がいく。というのも、日記の彼女(主人公)も同じ背徳的行為を行なっているからだ。日記の流れをなぞることで、真相に近づいていくというのは、割と筋の通った展開なのではないか。
そうなると主人公は、『彼女』の日記を自室に持って帰った狂人か、『彼女』の部屋に私物を持ち込み生活している狂人の二択となるのだが、まぁ流石に前者の方が現実的か。後者であってもサイコレベル高くて好みですが。


というわけで、206-にまるろく-の感想でした。
1時間程度で終了する短いゲームでしたが、色々な仕掛けでプレイヤーを楽しませてくれる良いゲームだったな〜と思います。
でもちょっとゲームの攻略は難しいかな。ヒントと呼べるものがなくて、基本総当たりでプレイしなきゃならないところがある。僕も攻略記事見ちゃったし。

きょうは いいてんきだ。


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