『CHAKHO』Promotion Video 解釈小ネタ集
どこかで呟いたようなことを、この機にまとめてみました。現在公開されているノベル41話までのネタバレを多く含みますが、よろしければお付き合いください。
謎の手配書
THESE ARE BEOMS PRETENDING TO BE HUMAN
=「こいつらは人間になりすましているボムです」。
開幕早々不穏。絵柄は少々違うが、髪型や顔の特徴からCHAKHOの7人ではないかと推測できる。けれど一番怖いのは、公開から半年経ったのにこの伏線が回収されていないことかもしれない。
ドグォンとファンの対比
まずはざっくり舞台把握から。背景は大きく「路地裏(旧市街地)」「ビル街(新市街地)」「仁王山」の3つであった。
そのうちビル街にいたのは、V(テヒョン)・RM(ドグォン)・JIN(ファン)の3人である。
RM(ドグォン)が廃屋の上から新市を眺めている一方で、JIN(ファン)は韓屋の屋根から街を見下ろしている。空の色も真反対だ。RM(ドグォン)はシーンの最後でカメラを見、銃を打つジェスチャーをするが、JIN(ファン)はカメラに背を向けて街に手を伸ばすという点も異なる。
見ているものは同じなのに視点が違う二人らしい。ドグォンは養護施設から逃げて盗賊団をやってたけど、ファンは国民的アーチェリー選手でしたしね。育ちも正反対なんだなあ。
ビルの上に浮かぶYISALのロゴの数が異様で、やっぱり新市ってどこかおかしいよなあ......という気分にさせられるシーンでもあります。
神檀樹と新市の関係
V(ジュアン)が見上げている大樹は、ノベル35話で登場した「神檀樹」ですね。ということは、木を抱き込むように建っているこのビルが「YISALタワー」で間違いないかと思われます。
狩りを援助するYISALグループの中心、言わば「ボム狩りの象徴」のようなこのビルを見上げて瞳から光が消えるV(ジュアン)。胸が痛い......。
Vさんのキャラクターは『BU Contents』で物語の鍵となっていましたが、『CHAKHO』でもほぼ唯一のボム友好派ということで大変風当たりが強そうです。人と違うものが見えがちなのかもなあ。
ところで、マンガ版20話でドグォンが「こいつらインテリアのセンスやべぇな」と顔を歪めていた、地下の蠢く配管たち。ノベル版では「木の幹のような」と表現されているのですが、はてさて一体どの樹のことやら......。
「黄金色の瞳」と黒い霧
Official Story Filmも含めて、背後に黒い霧が現れるのはJUNGKOOK(ジェハ)とj-hope(ホス)のふたりだけだ。
黒い霧は、ボムが身を潜める際に使うもの。このふたりの共通点といえばそう、「瞳の色」ですね。
今見ると、ホスの瞳の金色がしっかり強調されており、嫌〜な気持ちになる。最後のボムのCGと合わせるともう、”答え”じゃん。
”答え”じゃん。
振り返って笑うセイン
原作で見たい!!!!(力いっぱい)
家族とはとうとう折り合えなかったセインだけれど、母が彼に「세인아」と呼びかけるシーンでは泣いてしまった。愛がなかった訳ではないのだよなあ。セインのことが恐ろしかっただけで。ここでも「恐怖」が出てくるのか……。
以下、本国版ノベルと日本語版ノベルの、セインの台詞抜粋。
最後のは機械翻訳なので何とも言えませんが、若干ニュアンスが変わっているようです。どちらのセリフも聞いていて苦しい。
何が苦しいって、あれほど礼儀を重んじる韓国のノベルでセインのセリフから敬語が取れていることです。
旧市街地と新市街地のコントラスト
映像の中で、路地裏にいるのはJUNGKOOK(ジェハ)・j-hope(ホス)・SUGA(セイン)の3名。
ノベル16話より「中央を流れる大河を中心に、北の新市街地と南の旧市街地に分かれている」ということで、この路地裏は旧市街地かな。今のところ物語の舞台はほぼ旧市街地です。
実際のソウル特別区の地図が参考になりそう。いっぱいピンが刺さってますが、左上の青い四角が仁王山、中央の青い四角が南山タワーです。
実際に映像になってみると、手前と奥とで街の発展具合が違いすぎるなあ。
自然がいっぱい仁王山
JIMIN(ハル)の後ろにそびえる、大きくヒビの入った岩。おそらくこれがボム岩かな?
実際の仁王山もこんな岩山らしいですが、こんなに美しいのにどこか寂しい風景なのはなぜだろう。舞い散る綿毛が異世界のようです。
こちらはインタビューの内容が色濃く反映されているであろう、JIMINさんのOfficial Story Filmの一幕なんですが、振り返った過去が迫り来るのは彼だけの演出なんですよね。彼にとってFATE=光は、導くものではなく、振り返ったときに眼前に迫るもの。
ハルが記憶の大部分を失っていることを思い出します。一体彼は何を忘れているんだろうか。
「誰でもいい お願い僕を助けてくれ」
路地裏でうずくまっていたホソク(ホス)が立ち上がるこの場面だが、歌詞は以下の通り。
この後に続くのがRM(ドグォン)のパートなのも、胸が熱くなります。周囲に牙を剥き続けるホスの本心に気づいた人物であり、ホスが初めて恐怖を打ち明けられた相手。それがドグォンでした。
Please you stay alive. BECAUSE I WON'T
橋に小さく書かれたアルファベット、Twitterでも大きな話題になったイースターエッグである。いったい誰が「I WON'T」なのか......?
*
ざっくりと振り返っただけでも、どのシーンもとても面白かった。まるでスルメのような映像である。
これまで「憎しみ」や「復讐」を主軸に展開してきたストーリーだが、物語が進むにつれて、その根っこにある感情が明らかになってきたように思う。「怒り」は冷めても、「憎しみ」は消えない。では怒りに先立つ「恐怖」はどうだろう?
『CHAKHO』が何を語りたいのか、きっとこれから見えてくるに違いない。今後の更新がとても楽しみです